ひと風ごとに~立冬の時~【詩】

山河を彩る紅葉も 役割を終えて舞い落ちる頃
「秋の入り日はつるべ落とし」と ひと風ごとに天地も冷えゆく

秋と呼ぶには最早時は過ぎ さりとて冬本番には遠く
狭間の穏やかな小春日和 戯れるひとときが暖かい

季節も人生もその日常は 居心地よく穏やかに流れる
冷たい北風が頬を刺しても 木漏れ日に暖かく包まれる

されど足元の落ち葉を拾えば 確かな節目に気づかされる
楓の絨毯を踏みしめながら 冬支度に心を引き締める

「七つまでは神のうち」 吾子の無事と成長に感謝
暮れかかる空を見上げながら 小さな手をつなぎ急ぐ家路

「立冬」 新暦十一月八日~二十二日(頃) 初めて冬の気配が現われてくる頃

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