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『ゴジラ-1.0』は「幻想」に逃げた『シン・ゴジラ』と違い「現実」を描き戦前日本そして現代世界を乗り越えようとする作品である【ネタバレ順次警告】
本作に対しては肯定的な人すら「GHQや日本政府がゴジラに何もしないのはおかしい」という批判がある。だが、これは意図的なものであり、かつ、「不自然」でも無い。以下で順を追って説明していく。 ※冒頭のネタバレ 主人公(敷島浩一)は特攻隊員だが、(巨大化前の)ゴジラに部隊ごと襲われたことで生きながらえるも、上官の整備兵橘から「お前のせいでみんな死んだ」と怒鳴られる。本土に帰った後も隣人から「生きて帰ってきた恥知らず」と罵られ、「生きて帰ってこい」と言った両親は空襲で死んでいた。
【ネタバレ】ななせ悠『続く道 花の跡』は「名も無き人々に紡がれた歴史」ではなく「歴史を紡ぎながら忘却された人々」を描いた作品である
既にITmedia NEWSなどでも解説されているように、これは日本初のコンピュータ「FUJIC」の史実に基づいた作品である。 ラスト2ページはこのように締めくくられる。 「新しい技術によって無くなった職業(計算手)はもう誰も知らない」と語られる。 そして「そこにいた誰かのこと」も忘れられると語られるが、ここには論理的飛躍がある。何故なら新技術によって職業が無くなることとそれに携わってた人が忘れられることは別問題だからだ。 例えば技術の発達で日本刀より遥かに殺傷力の高いミ