いろんな“いろ”
今回紹介するのは ブレイディみかこさんの『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー the real british secondly school days』(新潮社)
#1 どんな話?
元底辺中学校で出会った“クセがすごい”同級生たちの中で起こった様々な事件に対し、息子とパンク母ちゃん(筆者)は考え悩み乗り越えていく話。
#2 一言で表すと
「人付き合いって難しい」
人間は一人では生きていけないし、互いに刺激を与えたり、受けたりしながら生活するわけですが・・・ この作品を読んでいるといろんな人がいる中でどう接するのが正解なのかわからないなぁと思います。 自分は会話が基本一方通行になりがちなのでちょっと悩み草ですね。
#3 ラム’s eye
1 元底辺中学校への道 より
“老人はすべてを信じる 中年はすべてを疑う 若者はすべてを知っている 子供はすべてにぶち当たる”
これについてタイトルの「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」だとまとめられています。 もともとこの中学校に入ることは筆者自身考えてなかったそうなのですが、我が子の決断でこの学校に入学したそう。 注目したいのは“”部分。なんか孔子の論語みたいですよね。どこからを老人や中年とするかはわからないですが、心の片隅に留めておきたいと個人的に思いました。
13 いじめと皆勤賞のはざま
“人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ。”
“いじめを受けている人にはキラキラしている人もいる”
“いじめって闘いなの?”
いじめって色々あると思うのですが、キラキラしている人への嫉妬、キラキラしている人物を取り囲んでいる複数人の同調圧力によるものも大きい気がします。
16 僕はイエローでホワイトで、ちょっとグリーン
まずはこの本に書かれているイギリスこどもを独特の制度について…
学校を休むと罰金120ポンド 学期中にこどもを休暇旅行に連れていく、子供の意思で学校に行かない(ずる休み)、6週間のうち6回以上出欠を取った後に学校へ来る、1学期に3日以上欠席
次に筆者の息子が仲間と組んだパンクバンドで作った歌詞…
俺たちデモに行きたかった プラカードつくって行きたかった でも俺らプアでガラの悪いガキだから でも俺らアホで手の付けられないガキだから デモに行くのを禁止された あれはリッチ・キッズの運動 あれはグッド・キッズの運動 俺たちだってプラカードもってクールにストリートを歩きたかった 俺たちだって大声出してこの星の未来のために騒ぎたかった
まずは休みについて罰則があるのに驚き。どうしても学校にいけない場合とかはどうなるのかなぁ。それはいいとして、デモにいけなかった子達がつくった歌詞、これが本音なんでしょうね。リッチな一つまみの人間の意見が通ってる世の中、何とかならないんですかね?まあそのための選挙制度なんでしょうけど。
#4 まとめ
not only A but also B
この作品では色が効果的に使われていますが、色はいろんな表現ができますね。イエローホワイトでアジア系の人、ブルーで感情、グリーンでティーンたちの未熟さや環境問題を表現しています。直接的に言うより丸く収まっていいですよね。この本を読んでいると、AだけでなくBもいいよねっていう心構えは今後大事になってくるなぁと感じました。今のご時世ではこんなことも考える余裕なんてないかもしれませんが、来るべき完全復活(コロナウイルス)の時のために各々どう接するのが自分にとって、相手にとっていいのか考えてみたいです。
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