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VRミートアップ三重 番外編「#BIM01」に出展しました

はじめに

ワイクウーデザイン桑山さんのお誘いでVRミートアップ三重 番外編「#BIM01」勝手にARCHICADを盛り上げよう2020に出展しました。展示モデルのプレゼン動画を作成しましたので、展示ではお見せできなかったムービもごらんください。以下、展示に向けたモデル作成についてまとめていきます。

イベント

プレゼン動画フルバージョン

プレゼン動画ショートバージョン

VRプラットフォーム「cluster」

VRプラットフォーム「cluster」へARCHICADで作成したfbxデータをアップロードして、仮想世界を自身のアバターで動き周り、展示を見たり、講演を聞いたり、近未来的なイベントの可能性を感じました。イベントの詳細は桑山さんがnoteにまとめていらっしゃるので、詳細を見たい人はリンクから確認してみてください。VR空間もすごく巧みに作りこまれ、桑山さんたちの意気込みが感じられます。

Rhinoceros+GrasshopperでComputational Designばかりをやっている自分がこのイベントに参加した理由ですが、開発しているGrasshopper専用構造モデルコンバーター「EEL」のSTBridge対応ができ、ARCHICADの連携も模索し、以下動画をアップロードしたところ、桑山さんから声をかけて頂いたのがきっかけでした。

Computational Design, BIMの構造設計ワークフローの実践

実物件のデジタルエンジニアリング業務で、EELで鉄骨BIMソフト「Tekla」へのコンバートも実践したり、ARCHICADとLive Linkしたり、建築関係者とのデータ受け渡しでBIMを活用することが多くなってきました。今回のミートアップ展示では今後の業務を見越して、Rhinoceros, Grasshopperを起点とした構造設計ワークフローを実践してみました。

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すえひろがりな構造デザイン

今回の実践では、末広がりの縁起のよいひょうたんをイメージした木造パヴィリオンの構造デザインとしています。展示物なのでなるべく見栄えよい空間とし、ただあまり現実味のない構造デザインにはしないように心掛け、懸垂曲面木造グリッドシェルとCLT壁をつかった構造計画としています。

アートボード 1@3x-100

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Computational Design

Computational Designでは、Rhinoceros+Grasshopperでジオメトリや構造モデル、ディテールを生成し、形状等をパラメトリックに変えながら、デザインを選定しています。懸垂曲面のシミュレーションはKangrooで行い、構造モデルのアセンブルにはEELを使用しています。次回アップデート予定のEELではプロパティを付与したRhinoデータの一括BAKE機能やSTBridge出力機能があるため、各種ソフト連携が容易になっていることがウリです。動画にもメイキングについて紹介してますのでみてください。

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ARCHICAD(BIM)

STBridgeファイルを使ってARCHICADにインポートさせています。ややモデルデータは多いものの30秒程度でインポートが完了します。STBridgeでなんでもインポートできるわけでもなく、部材も矩形, 円形, Hなどの形状に限定され、ARCHICAD側の編集がまだ多く、ARCHICADアドオンツール開発をしたいところですが、今回の展示用にテクスチャー等を調整しました。開口付きのパネルや複雑なソリッドデータはGrasshopperとのLive Linkを使い、モルフとしてインポートしています。このデータをfbxとして保存しました(fbxにすると10MBくらいで、clusterでもサクサク動くそうです)

ARCHICADは直感的に操作しやすく、図面表現が優れ、RhinoやIFCのインポートができるところです(私はまだ初心者なのでこれからたくさんつかっていこうと思っています)

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構造解析

構造解析はEELで搭載されている弾性解析ソルバーを使ったり、市販ソフトのMidasやSNAPに出力できるようになっています。EELには計算書出力とか断面算定機能とか非線形解析機能はついてないので、そういったのは市販ソフトを使った方がラクです。

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Vizit Viewerをつかった3Dデータチェック 

3DデータチェックにはRhinocerosのアドオンツール「Vizit Viewer」を使っています。今回の展示で3Dデータのチェックを細かくしているわけではありませんが、実案件でデータ共有やモデル確認は日常茶飯事なので、このビューワーを推奨しています。3Dデータだと納まってみえますが、立体データを線や点の観点で見るといろいろ気づくこと(データの精度、不備)がたくさんあります。EELからRhinoデータの一括BAKE機能でプロパティを付与したデータの生成が可能になったため、こういった3Dデータの取り扱いや検査方法がとても大事になります。

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Twinmotionをつかったビジュアライゼーション

プレゼンをまとめる上でのビジュアライゼーションにはTwinmotionを利用しています。Rhinoデータと連携して、ハイクオリティな動画を作成でき、マテリアルや添景もTwinmotion側でサクサクできるという素晴らしいソフトでです。内観パースショットもレンダリングしなくてもこのクオリティ。せっかく3Dデータを作るのであればUnityやTwinmotionなどを使ってキレイに仕上げるとプレゼン映えします。

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まとめ

Computational DesignやBIMを使ったワークフローでは、いろんなソフトが必要となりますが、それぞれ強力なツールをうまく使いこなしていく、目的に合わせて使い分けることが今後も大事になってくると思います。実質製作日数は2日程度の超短期設計だったのですが、ここまでのレベルのものが短期間できるようになり、clusterなどのVRプラットフォームやスマートフォンを使ったARでの3Dモデルの空間体験もスムーズにできそうで、デジタル技術の発展が今後も楽しみです。自分の作品もclusterなどにあげてみたいと思います。

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