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人生に必要なことは

人生に必要なことってなんでしょう。
たまにこんなこと考えるんですが、壮大なテーマに思考停止になってしまいます。(^^;;

辛い経験は人生の糧になる?
辛いことを経験してなんぼ!というような昭和の時代の考え方も、結果的に好転すれば悪くないと思います。
私はそういう時代をかじった人間です💦

人生に必要なこと。
それはいろんな人と出逢うことかもしれないですし、旅に出て世界を知ることかもしれません。

でも、もっと自分の内にあるもが、
実は人生に一番必要なものだったんだ
ということを気づかされたきっかけがあります。

それはフランキーさんとの出会いでした。

フランキーさん

私は結婚する前、のちに夫となる香港人の彼と1ヶ月間の海外旅行をしていました。

アジアをウロウロした最後、香港へ到着し、彼の友人と食事をすることになりました。
それがフランキーさんです。

60代のぽってりとした、少々こわもてのおじさんでした。
口数も少なく、どっしりとしたフランキーさんのことを、愉快でおしゃべりな夫はとても慕っていました。

フランキーさんは海関連の会社の社長さんです。
でも幼少期は貧しく、
小学校を出ただけでその後は相当な苦労をして生きてこられたと聞きました。

60代の方だと、時代的には香港はイギリス領だったときだと思いますが、フランキーさんは英語教育を受けていません。
周りが学校に行く中、働いていました。

そんな過去を知った上で、
今は会社の社長となり慕われているフランキーさんを目の前にすると、

その寡黙さに強さを感じました。

初めてのビリヤード

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ハッピーアワーで行ったBARにはビリヤード台やダーツもありました。

フランキーさんはピッチャーほどのグラスジョッキでビールを飲んでいます。

そして私に広東語で話してきます。私が日本語しか話せないのを分かっているはずですが、
目を見てたくさん話してくれます。

おもむろに夫がビリヤードをしようと言いました。

BARには人も多くなり、ほかのお客さんもビリヤードやダーツを楽しんでいました。
お酒も入りテンションの上がった夫とは逆に、私の足取りは重いものでした。

なぜならビリヤードなんてやったとこなかったからです。
ルールもわからない。あの棒の持ち方もわからない。

恥ずかしい

というか気持ちがありました。

周りの人はコーン!といい音を響かせています。気持ちよく転がるカラフルなボールは、
狙ったホールにストン。

えっと、まず構え方が分からないんですけど。
棒(キューというんですね。)が真っ直ぐ当たらないんですけど。

という状態の私は、早く終わりたい、と思っていました。

それを感じたフランキーさんは、
私の目を真っ直ぐに見て、こう言いました。

『恥ずかしいと思う気持ちは
すべての挑戦への妨げになる。』

お酒も入った遊びのビリヤード。
それでも私に真剣に向き合うフランキーさんの言葉は、

痛烈に心に刺さりました。

恥ずかしい、その気持ちが
次の一歩の妨げになっている。

その一歩を踏み出すかやめるかで、
大きく人生が変わることもある。
何より殻をやぶる経験を失われてしまう。

そのことは自分の可能性や
世界の広がりを妨げている。

心の中でそう反芻しました。

フランキーさんも、この言葉を持って生きて来られたんだな、
というか、生きてきた中でこの言葉を体感してこられたんだな、と、腹落ちしました。

フランキーさんの芯から感じる強さや佇まい、
在り方がこの言葉に通じるのかもしれないと感じます。

『恥ずかしいと思う気持ちは
すべての挑戦への妨げになる』

と聞いてから、自分を振り返りました。

英語なら分かりやすいでしょ?と気を遣って母国語ではなく英語で話してくれる彼の家族。
いやいや、なんとなく聞き取れるけど、英語で話すのは無理!(・∀・)

そんなとき、自分が日本語しか話せなくて恥ずかしかった。だからニコニコしてやり過ごしたり、居心地が悪かった。

でもフランキーさんは、
コーラ買いに行こうと私を誘い、
広東語でたくさん話しかけてくれた。

彼は広東語しかできないことを恥ずかしいと思っていない。
私とのコミュニケーションを取ろうとしてくれる。

私がコーラの小さい瓶を取ると、
いやいや、大きいのにしようよ、飲めるでしょ?
とフランキーさん。

が、そう言ってると感じました。
ジェスチャーや表情があれば言葉っていらなかったりする。

そこからフランキーさんと目を見て話せるようになりました。

どんなことも

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私が普段、無意識に恥ずかしいなと思ってやめていることは言葉だけじゃないと、
改めて気付きました。

どんな些細なことにも当てはめられる言葉です。

知らないことを知らないと言うときもそうです。
人からどう思われるかと考えるときがだいたいそうです。

でも、恥ずかしいと思いながらもどんどん質問する人や進んでいく人は、
笑われるのではなく尊敬されていることも知っています。

そしてどんどんフェーズが上がっていく。
経験が増えていく。
人に語られる人生になっていく。

『恥ずかしいと思う気持ちは
すべての挑戦への妨げになる。』

私もこの言葉を胸に進んでいきたいと思っています。


Photo
Turkey  Çanakkale Iris Hotelより
Hong Kong Central
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