ヨーガの八支(アシュターンガ・ヨーガ)
私のシヴァナンダヨガのクラスの参加者で、向上心の高い生徒さんや、ヨガを教えている先生から何度か受けたの質問。
「ヨガを勉強しながら、いろんな欲が出てきます。アーサナ(ポーズ)をマスターした後、次にやるべきことは、何ですか?」
「瞑想のゴールって、どんな感じですか?ヨガ(ここではポーズをとるヨガのこと)をやることで、本当に解脱できるんですか?」etc…
ヨガを実践するうえで、ひとつひとつ学ぶべき段階があります。その答えは、古代インドのヨガの聖典『ヨーガ・スートラ』にあります。その中の『ヨーガの八支(アシュターンガ・ヨーガ)』の項目があります。
そこには、ヨガのアーサナ(ポーズととること)やプラーナヤーマ(呼吸法)を実践し、さらに瞑想などを経て、神とひとつになる(解脱)ための、8つ(アシュタ)の補助手段(アンガ)のプロセスが詳細に記されています。
(注意:ここでの『アシュターンガ・ヨーガ』とは、ヨガスタジオで今流行りの、呼吸とともに流れるようにダイナミックにポーズをとる人気なヨガの流派のことではありません。)
ヨーガの八支(アシュターンガ・ヨーガ)の8つのプロセス(過程)は下記の通りです。ご参照ください。
① ヤマ(禁戒、肉体に対する執着を捨てる、絶対守らなくてはならないことです)
アヒムサー(非暴力)、サティヤ(真実を話し実践する)、アステーヤ(盗まない)、ブラフマチャ―リヤ(禁欲)、アパリグラハ(物を受け取らない)。ほかには、ダヤー(慈悲)、アールジャヴァム(誠実)、クシャマ(忍耐、寛容)、ドゥルティ(不動心、決断力)、ミターハーラム(適度な食事)。
② ニヤマ(勧戒、清浄、積極的に実践すべきことです)
シャウチャム(内外の清浄)、サントーシャ(満足)、タパス(苦行)、スワディヤヤorヴェーダーンタヴァーキャシュラーヴァナ(聖典の傾聴)、イーシュワラプージャ(至高神への供養)。ほかには、アースティキャブッティ(敬虔さ)、ラッジャー(慎み深さ)、マティ(良識)、ジャパム(神の御名を繰返し吟唱)、ヴラタ(誓願)。
③ アーサナ(ポーズ、坐法)
シヴァナンダヨガでいえば、アーサナクラスでのポーズのことです。
④ プラーナヤーマ(呼吸法)
ポーズを取る前とポーズ中の呼吸法です。また、普段の生活の中で、ヨーガの呼吸、特に腹式呼吸を取り入れることで、心や意識も浄化されます。
⑤ プラティヤーハーラ(感覚のコントロール)
呼吸がコントロールされると、プラーナ(生命エネルギー)が全身に行き渡り、感覚も制御されます。
⑥ ダーラナー(集中)
これはヨガクラスだけでなく、日常の仕事や家事やプライベートで、望ましい成功に導きます。
⑦ ディヤーナ(瞑想)
世俗のすべてを意識から打ち消し、神の御姿のみ存在します。
⑧ サマーディ(三昧、至福、神と合一)
自分が瞑想しているという意識も、肉体意識もなく、無形の神そのものである至福のみが存在します。完全な解脱の状態です。
愛と優しさをいっぱいありがとうございます!