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お遍路ウォーキング日記(50:二十七番神峯寺へ)

【2024年2月22日(木曜日) Day 50】

 今日はや札所二十六番金剛頂寺を打った。室戸の市街地からちょっと離れた高い場所にある札所だ。この寺からは室戸の街並みと太平洋がよく見える。しかしそんなもん見えるのと思う人もいると思う。

 この寺に来た人はまず入り口から険しい石段を登ってくる。石田を登ると山門があり、そこでまずは門に一礼をして入る。これは悪いことではないが大半の人は中に入ることしか考えていない。しかしこの山門の脇に横に伸びる道がある。この道を石段から見て右に進むと海と室戸の街並みの絶景が見られる。

 この寺は室戸の西にある行当岬ぎょうどうざきのちょうど頂上に位置しているため眺めが良い。しかし海の位置から一気に山を登るので坂道も険しい。

 境内は本堂に対して大師堂が背中を向けた少し独特な配置をしている。前回の「スマホ遍路日記」の時にも書いたがお堂の種火にフルーツ缶を使っていたりと色んなところで質素な印象を受ける。派手な彫刻の入った種火受けなんかよりもずっと心洗われるような気分になる。この寺は「ああ来て良かった、気持ちよく読経ができた。」といつも思う。

 この寺は室戸にある三ヶ寺の中で一番西側にあることから「西寺」と呼ばれ、札所二十四番最御崎ほつみさき寺はそれに対して「東寺」と呼ばれる。ちなみにもう一つの二十五番津照寺は「津寺」である。

 金剛頂寺は弘法が平城へいぜい天皇の勅令をうけて薬師如来像を本尊として創建させた寺といい伝えられている。その時の寺号は金剛定寺と言われていたが、次の嵯峨天皇の時の勅令で今の金剛頂寺となった。

 以後天皇の信仰を受け勅願所となり、後の世まで勅令で住職も決められた。失火で焼けてしまった事もあるが土佐藩主山内家により復興されて今に至る。また創建当初は女人禁制で遙拝所は行当岬にあったとも言われている。

 遍路道はこのまま行当岬の尾根伝いに進むが、国道で行当岬を海沿いに越えたところには弘法が金剛定寺と往復をしたという不動堂がある。今でも弘法の修行地としてお堂があり遙拝所もそこにあった。また岬の先には今現在道の駅きらメッセという道の駅があり、ここのソフトクリームは逸品だった。

 金剛頂寺を出ると次の札所二十七番神峯寺は30㎞程離れた場所にある■

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