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療養日記 2022年5月16日 『비밀의숲』

 今日のタイトル。ハングル読みだと〈ピミレスプ〉。日本語にすると「秘密の森」。いつものように韓流ドラマだ。それも2シーズンの長尺でとにかくお堅くて難解、可愛げは全くない。およそラブストーリーとはかけ離れたドラマなわけだが、これがズルズルと観てしまう。日本の刑事ドラマのように勧善懲悪がテーマというわけでもなく、「相棒」のような有能な刑事が推理一つで犯人を追い詰めていくなんていうタイプのドラマではない。ひたすら検事と刑事がいがみ合いながらも協力をし、ああでもないこうでもないと推測を重ねて犯人を追う一方で悪事に手を染めながらも正義を貫く矛盾した検事、刑事が犯罪に立ち向かっているよくわからないストーリー。お偉い検事がやはりお偉い警察署長と手を組んで悪いことしたりととにかく犯罪とそこに絡まる人間関係が時に事実を追い求めたり隠されようとしたり、全然関係ない事件が発生してはめぐり巡って最初の事件や登場人物と繋がってみたり、共に真実を求めるちょっと訳ありだけど主役のように登場する検事が途中で謎の死を遂げたりと日本の刑事ものが生っちょろく思えてしまう。

 それと同時に似たような響きの韓国人の名前がこれでもかと大量に登場してくるので韓国の人でさえ人物相関図を作りながら見なければついて行けないと評判になるくらいのドラマである。難解だが面白い。しかもシーズン2となるとさらに新たな要素、テーマも登場しシーズン1でめでたしではなくなってしまうあたりもしてやられた感が強い。日本のドラマでこんなモノ作ったら演技の上手い役者が大量に必要でとてもできそうにないと思ってしまう。おまけにシーズン2の話を追うためにはシーズン1をちゃんと理解できていないと追い付いてこられない。

 とまあ、ここまで日本ではとてもあり得ないスケールは大して大きくもないのに複雑すぎて誰がどんな動きをするのかが全く読めない、そんなドラマだった。これ、もう一回見直そうかなとまで思う。

 もう一つには日本ではあまり問題とならない警察と検察の問題がある。タイムリーな話題だが韓国の新大統領がこの問題にも言及していて、検察と警察の圧倒的な力の差を是正するような話をしていた。日本でもこのニュースは報じられたが、そもそも韓国内での警察と検察の力のバランスが日本のものとは全然違うことから「何の事やら」と感じた人は少なくないと思うし、それでこそ日本はこの手の問題を抱えない(問題は存在しても深刻にはなっていない)だけ幸せだとも思う。興味あったら韓国、警察、検察なんてキーワードで事件の一つでも読んでみるといい。

 韓国には日本ではあまり知られていない法の下での犯罪の扱い方、接し方に問題がある。刑事も検事も日本とは凡そ違った役割が存在し、その両者の軋轢も想像が付かない。韓国ではポワロやホームズのような天才が事件を暴いてもそのすぐ隣には検事というもう一つの存在がある。日本では検事ドラマはあまり流行らないが、韓国では大人気。その理由が韓国社会には存在している。

 この「秘密の森」の特にシーズン2では主人公の検察官の新しい異動先の上司達が警察を見下している。検察には警察にはない捜査権があり現代の韓国ではそれが警察と検察の大きな壁となって立ちはだかっている。そして検察官は法律を知る者として警察官とは一線を画したがるのが現実らしい。

 と、そんなわけで一つ大きなドラマを見終えて次はどうしようかと思索中。今妻と一緒に観ているドラマはどちらかと言えば韓流っぽい可愛げのあるドラマだけど、自分一人で観る分には可愛げはどうでもいい。でもどうせ観るならイケメンが観たいという願望もあるし。韓国はイケメンの使い方が上手だと思う。

 今日は一日雨降りで体調もお世辞にも良くなかった。起きているのも辛いくらいの腰痛が何をしても癒えることなく続く。そんな一日だった■


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