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療養日記 2022年12月1日 『師走』

 いつもこの時期になると「師走」という言葉について触れる。働いていた頃よく言われた事、

🎱この時期先生は走らなければならないくらいお忙しいのでしょうね。

 確かにその通り、12月は連絡表の作成もあって忙しい。評価を出す月は何かと忙しいものだがその他の時期でも常に忙しい。

12月は忙しくて教師も走る、そう思っている人のなんて多い事。

💩教師は年がら年中忙しくて走っている。12月だけ忙しい教師なんていない。

 児童生徒には「廊下を走るな」と口うるさく言ってるが実際は危険がなければ走る事も多かった。

 ちなみに師走の「師」は教師ではなくて僧侶のことです。12月の僧侶や神職の忙しさは教師の比ではないらしい。

 自分はすでに病気のせいでこの仕事には就けないし就く気にもならないけど、忙しかった時のことを思い出すと何故かチームワークの尊さと一緒に戦った仲間のことを思い出す。

 さて、ここからが本題。いつもこの時期話題になる本当にどうでもいいこと。流行語大賞について改めて考えてみた。と言っても流行語大賞そのものに否定的で、所詮は流行りものであり、時代のバロメータみたいなものだとしか思っていない。もちろん普遍性のない言葉を使うことはまかりなりにも言葉を嗜む者としては少々抵抗も感じる。つまり使う気のない言葉の見本市かつ最後のお披露目の機会と思ってもいい。ここ数年大賞を受賞した言葉が定着しているか、していないと思う。

 中には勢いから辞書にまで載ってしまうものや、積極的にそのような言葉を載せたがために最新版でありながら死語辞典になってしまった辞書もある。変化とスピードを好む日本人にとっては特定の言葉を時代の一点を示す指標として流行語という言葉を冠して時代時代に楔を打ち込んでいるようにしか思えない。それが流行語大賞なのだろう。辞書に載せる言葉ではなくビジネス用語集や現代用語の基礎知識など、日々アップデートをする必要のある本に載せるべき言葉だろう。

 先だってノミネートされた流行語大賞候補ワードを取り上げて考えてみよう。隣の五段階評価は白星の数が多ければ知っておくべき言葉で、黒星の数が多ければ「くだらねぇ」または「いらねぇ」と思う言葉だ。(個人の感想です)この中のどれかが今年の流行語となり一瞬もてはやされ一部の辞書にも載せられるがすぐに辞書そのものの鮮度を損なう事は目に見えている。

1:インティマシー・コーディネーター 【☆☆☆☆★】

 芸能活動上の映画やドラマでの性的描写の際に監督と俳優の間での合意形成の専門職

 「ラストエンペラー」のベルナルド・ベルドリッチ監督などは出演者に性交を強要させたというし、そんなことも「逸話」ではなくなる時代なんだなと思った。芸術性が云々で片付く時代ではなく、それだけ人権が重視される時代なんだと思った。しかしその専門職が登場するとは。これはどちらかと言えば「流行」というよりは今後使われる「新語」と認識しておきたい。

2:インボイス制度 【☆☆☆★★】

 ビジネス、殊にお金の話にはアレルギー反応を禁じ得ないのでこの手の言葉は知ろうと思っても最後までちゃんと理解できない。全くもって商売向けにはできていない脳みそを持っていることが恨めしい。新語のようでも恐らくは流行語の部類に割り振られてしまうのかも。でも知っておいた方がいい言葉であることは間違いない

3:大谷ルール 【☆★★★★】

 野球で二刀流の選手が有利になる特例か何かのことでしょ?違うのかな。

4:オーディオブック 【☆☆★★★】

 朗読を聴いてコンテンツを取り込む手段。これは本離れの人にはある程度の効果があるのかも知れないが一過性のような気もする。

5:OBN 【☆☆★★★】

 日本の企業体質がまだOBN強固な場合は云々。要するに男性中心社会を弊害のように取り沙汰する時の言葉、じゃないの?そんな程度でしか受け止めていない。

 そもそもこれまでの職場が完全OBNな男子校だったところからまったくそれが当てはまらない場所になった自分にとってはあまり感じた事のない問題。それよりもこの言葉って本当に流行語なのかな。新語というものでもないだろうし、かなりマイナーな臭いがする。

6:オミクロン株 【☆☆★★★】

 率直な感想を伺いたいが今現在「デルタ株」なんて言葉を日常会話で頻繁に用いることはあるだろうか。この言葉の行く末がまさにそれだと思う。だとすれば新語の部類だろう。

7:顔パンツ 【★★★★★】

 真面目に覚えておく必要など全くない言葉だと思う。要するにマスクのことでしょ。マスクはこれまで通りに使っていればいい。使いたい人は年中使っているし理由もある。強いられて嫌なら公共の場以外では使わなければいい。それよりもこんな言葉使っている人って本当にいるのだろうか。一つ上のオミクロン株と比較するとこの言葉は確実に死語になるのに対しオミクロン株は使用頻度は下がっても使われ続けるだろう。

8:ガチ中華【★★★★★】

 「町中華」に対してできた定義らしい。中国人が経営する本格的な中華料理店でかつ街中に普通に存在するものだ。四川料理などは容赦ない味付けで本格志向の人に好まれている。昔行きつけの店にこういうお店があったが本当に美味しかった。しかし「ガチ」というい言葉は下品でいただけない

9:キーウ 【☆☆☆★★】

 今年のトップ10に入った言葉。ロシアのウクライナ侵略以前、ウクライナの首都は「キエフ」だった。これはロシア語発音らしく、ウクライナ語発音では「キーウ」となる。要するにロシアではない国の地名がロシア語の発音なのは世界標準ではないからというのだろう。同類にジョージア(黒海沿岸の国、米国ジョージア州ではない)もかつてはグルジアと呼んでいた。似たようなケースではミャンマーはかつて英語発音の「ビルマ」等など、国の名称の変化はよく見られる。だったら日本だってジャパンではなくてニッポンにしろと思う人もいるだろうが、そのあたりは変わる様子でもない。(変わらんでもいい)

 しかし何でもかんでもキエフがキーウになるのには異論を唱えたい。たとえばムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」には「キエフの大きな門」という名前の作品があるが、これを「キーウの大きな門」にしていいのかどうか。作曲したムソルグスキーがロシア人である以上そこだけはロシア語のままで良いのではと思う。

10:きつねダンス【☆☆★★★】

 こちらもトップ10に選ばれている。全く関心ないのでそのままにしておけばいいと思う。いずれは国民的ダンスにでもなるというわけでもないだろうし。日本版ベイビーシャークと思えばいいのかな

💩キーワードに対する感想はあくまでも個人の感想です。

11:国葬儀 【☆☆★★★】

 これまたトップ10にに選ばれた言葉。あれだけ反対の声が上がっていたのにゴリ押しで行ったアベシンゾーの葬儀。それ相当の葬儀はすべきとは思うが国葬にするのは正直自分も反対だった。

自民党が国民の声も聞き入れず何でもかんでも強行するその喩えとして今後も適当な場所で用いられればいいと思う。(例:「今度の法案も野党は激しく抵抗してるけど最後は国葬儀みたいに通っちゃうんだよね。」)

12:こども家庭庁 【☆☆☆☆★】

 何する所なの?
 今はまだそんな段階だと思う。今後正しく機能できるような長官のもとで活躍してもらえればと思っている。まずは子どもの貧困、、ヤングケアラーの問題あたりから取り組むのではないだろうか。当たり前だが子供で形成される機関ではない。これは流行性はなく、今後定着する言葉なのだと思う。

13:宗教二世 【☆☆☆★★】

 トップ10入りもしたところを見てもかなり問題になり今年を物語っている言葉であることには間違いない。アベシンゾー暗殺で俄に浮上した新興宗教の問題。望まない信仰を親から強いられる子どもの実情などは自分も仕事上関わったことがあるので大問題だと言うことは分かる。問題はアベシンゾーが暗殺されて始めて浮上したこと。それまでは社会から黙殺されていた問題でもある。流行語というよりは新語扱いで今後も適所で用いられれば便利な言葉だと思う。

14:知らんけど【★★★★★】

この言葉大嫌い。これを口にする奴とは話もしたくない。なめきった世の中になめきった言葉が登場した典型的な例。この言葉には面白おかしく仕立てる反面曖昧表現を過剰に助長させ、誠意も隠す。真面目の崩壊というか不誠実が美徳の世の中にはまさにうってつけの言葉だろう。こんな言葉がトップ10に入るのだから嘆かわしい限り。

 ただしこき下ろしてばかりもいられず、日本人の美徳感覚と言語とのつながりを考えれば他のどの言語にも存在しない「曖昧性」という要素には不可欠なものだ。しかしながら現代国語ではどちらかと言えばもともとこの言葉を使っていた関西地域以外では人を小馬鹿にした部分も拭いきれないので使う相手を選ぶ言葉だと思う。今の使い方は正直言ってNGだと思う。

15:SPY&FAMILY【★★★★★】

 映画?ゲーム?こんなモノなくても平和で充実した生活を送っている。流行語に選ばれるくらいだからメジャーなものなのだろうが、関わらなくても生きてはいける。はっきり言っちゃえば全く必要のない言葉。やがて消えてなくなるだろう。

16:スマホショルダー【☆☆★★★】 

 自分の記憶が正しければすでに数年前韓国ドラマ「ハイエナ」の主人公の女性弁護士(キム・ヘス)がこれを使っていた。しかしその時には誰も真似などせずドラマでも変人扱いが強かった(キム・ヘスなのに)。何が流行り出すかはわからないものだ。しかし今になって何だよ感も漂う。僕でさえ似たようなものを2年前から使っている。今乗っかっている者はすでに数年遅れの流行に自分が「ぶら下がっている」だけ。見てて怖いんだよ。人にぶつけないか、子どもの頭の位置にも近いし、ぶら下げたスマホがドアや壁などに強打されて壊れるんじゃないのかな。この言葉もトップ10入りをしている。個人的には早く廃れることを祈る。とにかく危なっかしい。

17:青春って、すごく密なので【☆☆★★★】

 妙に説得力のある言葉だが、いつしか密なんて言葉が意味をなさなくなった時にはこんな時代があったことを伝えるためにも残っておいてもらいたい言葉だと思う。台詞として使うにはちょっと陳腐かな。

 この言葉は審査員特別賞を受賞している。説得力に関しては群を抜いた存在だなと確かに思える。

18:#ちむどんどん反省会【☆☆★★★】

 朝ドラ史上最悪最凶のドラマ「ちむどんどん」。こいつのおかげで毎朝気分を損ない朝からギスギスとした空気の中で過ごさなければならなくなり結果として早々に観るのをやめた人が大半だろうと思う。もう何も言わずそのまま過去に葬るべきドラマだ。このドラマのお陰で朝ドラを見る習慣もなくなった。反省会も何もあったもんじゃない。今後もひどいドラマが登場するたびに「~反省会」とハッシュタグ付きで登場するのかな

19:丁寧な説明【☆☆★★★】

丁寧な説明は分かったから早く説明してくれ、わかりやすく。こう返したくなるくらい今となっては有言不実のフラグのような言葉だ。正直責任を後回しにする恣意を感じてならない。元々誰の言葉なのこれ?まさか日本の首相じゃないよね。

20:てまえどり【☆☆☆☆★】

 流行語年間大賞トップ10にも入った言葉。そもそもスーパーやコンビニで後ろから物を持って行く行為は利己的だなと思う。しかし前から取っていきましょうと啓発する必要まであるのかとすればこの言葉は登場が遅かったような気もする。
 納豆はてまえどりが美味しい。缶詰はてまえどりしてもしなくても全然関係がない。その程度の知識も一緒に広まるのいいのに。

💩キーワードに対する感想はあくまでも個人の感想です。

21:ヌン活【★★★★★】

 バカみたい。こういう言葉も活動も自分とは関係ないしやってみたらと勧められてもやる気にもなれない。いっそのことヌンチャクでも振り回して路上で煙草吸ったり落書きやスケボーする奴や歩きスマホをするバカ共を張り倒す活動のことにでもすればいいんじゃないの。

22:BIGBOSS【★★★★★】

 これもそろそろ半分ほど過去の言葉になっているような気がする。個人的にはこう呼ぶ事さえも恥ずかしい。

23:村神様【☆☆★★★】

今年の流行語年間大賞を受賞したのがこちら。今シーズンも破竹の勢いだったスワローズ村上選手。今年は一度だけハマスタでDeNA対スワローズをナイターで観てその時も大きなホームランを打ってくれた(ただし勝ったのはDeNA)。村上の「かみ」を「神」に置き換えているあたりがうまいなと思った。その時代を物語る言葉としていつまで残るだろう。似たような言葉には「巨人、大鵬、卵焼き」(古すぎ)など。しかし大賞を受賞したとは言え初めて聞いた人もかなり多いと思われる「そんなに流行した?」と問いたくなる言葉。審査員にスワローズファンが多かったのかな。

24:メタバース【☆☆☆★★】

 自分個人としはメタバースに今後も関わることはないと思う。ビジネスをするでもなく、そこから何かの繋がりを求めるでもなく。仮想空間を使う必要も感じられない。もう一つには仮想空間の体験は実体験には及ばない。人間は体験以上の事を想像できないとも言うが、仮想体験の領域では逆に想像力を働かせる脳が衰えるのではないかと思っている。年相応の事だけで精一杯。矩を超える気はない。

25:ヤー!パワー!【★★★★★】

 知らん、知らんでも生きていける。無理に知る必要も全くないような気がする。来年の今頃まで生き残っているとは到底思えない

26:ヤクルト1000【☆☆☆★★】

 商品名なのに年間トップ10入りまで果たしている。「ヤクルト400」のバージョンアップ版として登場。販路を絞り店頭販売は一切しないことから発売開始当初は全く売れなかった。入手はヤクルトおばさんの手渡しが基本。先月までは関連企業も含む社員は購入できたが今月からはそれも禁止になったシロモノ

 ただし福利厚生で全社員に支給はされているらしい。妻も関連企業の社員なので毎日飲んでいる。(僕は飲んだことがない)限られた販路でスタートした商品が流行語大賞にまでノミネートされた上にトップ10入りまでするのだからちょっとした社会現象と言ってもいいのかも知れない。手にする機会があったら飲んでみたいとは思っている。

27:リスキリング【☆☆☆☆★】

 年齢を問わず用いることのできる言葉で、流行語にしておくのは勿体ないとも思う。この言葉も流行というよりは新語としての存在意義を強く感じる。今後はその重要性がもっと考えられ、一つのビジネスチャンスから新たな市場の登場の可能性まで感じられる。簡単に書いちゃえば腕に技を再びつけると言うことだ。

28:ルッキズム【☆★★★★】

帝京大の女子学生しかゼミに採用しないアカハラ教授を思い出す。自分の見てくれが醜いだけあってこういった言葉には非常に抵抗を感じる。言ってしまえば20世紀の忘れモノ。できる事なら今後も悪徳を表現する言葉としてだったら使われるべき。しかし本来ならこんな言葉を使わなくていい社会が実現されればそれが一番いい

29:令和の怪物【☆★★★★】

 先ほどの「村神様」と意味上はほぼ同じ事。ロッテの佐々木朗希投手のことを言っている。これからもそう呼ばれるような活躍を期待している。

30:悪い円安【☆☆☆★★】

 トップ10入りまでした言葉、今年の様子を物語っていると思う。円高が激しかった時に「悪い円高」なんて言葉はなかったと思う。メーカーを中心に日本製品の値段が高騰して売れ行きが下がり大いにに困った人がいたのにもかかわらず直接の財布事情は潤っていたからだと思う。

 ところが円安の場合はそうにはならない。製品は買ってもらえるが直接の財布事情は逼迫する。そして相手の購買意欲をかき立てる以上に窮地に負われる円安がこの悪い円安なのだろうと思う。

 じゃあさ、誰が悪くさせたって。その原因はいろいろあるけどここまで日本経済を足踏みさせたアベノミクスに尽きるんじゃないの。

 そんなわけでごく個人的な主観で流行語大賞ノミネートの30ワードを斬ってみたが、最後の一言。

💩新語・流行語大賞そのものがいらないだろ。

 最早以前とは違い誰が聞いても違和感を覚える物が必ず含まれ、それがノミネートされただけで辞書にまで載せられる。この「違和感」が年々激しくなってゆく

 例えば去年のトップ10に選ばれた「愛の不時着」なんてのがそう。あれはNetflix契約していないと観られない。残念ながらNetflixは民放のように気軽に観られるものではない。そんな一定の条件に入らない人達は悉く無視されている事を鑑みても選からははずすかトップ10には入れない「配慮」も必要だと思う。誰もがわかって「そういえはこの言葉を使っている」と言えるような言葉こそが本当の新語・流行語ではないかと思う。

 もっと言えば発表の時になぜ表彰式があるのか、それは出所や所在がはっきりしているものに限ってますよと暗に言っているようなもの。もっと言えば「村神様」は表彰式に出てこられたのに「令和の怪物」は登場しなかった。表彰式に出られない、または出せない言葉は選から外されるのは誰の目にも本末転倒でしかない。表彰式に出られる人に関した言葉だけがその年の新語・流行語大賞を受賞する。言葉の本質を軽視しすぎているように感じる。そしてどうでもいいような言葉を適当に紹介して挙げ句の果てには辞書にまで載せて広める行為は国語の質の低下を促進させているだけだ。

 辞書の領域というのはもっと高くあるべきなのに、こんな余興とほとんど変わらないようなもので選ばれてたまるかと言いたい。

 今日は師走初日のイベントというとここ数年はコレという新語・流行語大賞についてかなり辛口に述べてみた。長文になり失礼■

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