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お遍路ウォーキング日記(210:六十七番大興寺へ)

【2024年8月2日(金曜日) Day 210】

 今日はなんとか札所六十六番雲辺寺を打つことができた。三角寺からの距離を考えると確かに少し札所の間は開いているので時間はかかる。そして次の札所六十七番大興寺もまた少し離れている。

 今日漸く打てた雲辺寺に着いて簡単に書こうかと思う。

 この寺は積極的にネット配信も行っていて冬場はよく雪かきの様子なども配信している。なのでファンの人も多いし、巡礼をしていなくてもその四季の様子を楽しむこともできる。

 もう一つこの寺は四国八十八ヶ所の中でもっとも標高の高い場所としても知られている。

 この寺は弘法によって開創された。善通寺の建材を求めた弘法が雲辺寺山に登り堂宇を建てた事から始まり、後に弘法は二度この地を訪れる。二度目の時には唐から贈られた宝物で修法を行い、三度目の時には嵯峨天皇の勅令を受けて本尊を彫り安置をし、霊場と定めている。

 その後も寺は栄え清和天皇の勅願所となり、天正年間には長宗我部元親がこの地に築城して参拝もしている。その際には時の住職に四国統一の野望を諫められてもいる。

 天正の兵火では多くの札所が焼き討ちに遭うも、この寺は長宗我部の加護を受けて兵火は免れている。その後江戸の時代には蜂須賀家の保護を受け現在にまで至る。

 現在の雲辺寺は近くにスキー場もあり、かつては遍路ころがしを免れぬ難所だった場所にロープウェイも開通して気軽に参拝が出来る寺となった。ロープウェイ駅から寺の山門までには五百羅漢があり聖域に来たという雰囲気を歩く度に感じられる。

 曼陀まんだ越えをして雲辺寺に来るとまずは駐車場を通り過ぎ杉並木の参道を歩いて本堂脇から中に入ることができる。この道には10年ほど前まで仁王門があったのだが老朽化したこともあって撤去されている。仁王門があった時からこれを避けるようにして道は通されていた。なおこの道は駐車場から先は車両通行止めになっていてとても歩きやすい。

 本堂に向かいたいところだがその道をそのまま真っ直ぐ行くと大きな信徒会館(宿坊ではない)があり、更に進むと山門がある。

 遍路の順礼に従えばまずこの山門で一礼をし、石段を上がると大師堂の正面に出る。大師堂の左脇を進むとやたらと段数の多いなだらかな石段がある。この石段がある意味雲辺寺のハイライトのひとつでもあるが、一段あたり10㎝あるかどうかの石段は正直言って歩きにくいので僕はコッソリと「イライラ石段」ど呼んでいる。わが家のわんこもここを二度通っているがわんこには優しい石段だ。(遍路十戒には「不瞋恚ふしんい」という怒ってはいけないと言う意味の戒めがあるのでイライラしてはいけないのだが。)

 石段の下には納経所が右手に、左手奥には手水舎があり、夏の短い期間ではあるが手水鉢いっぱいに紫陽花の花を入れ下からライトアップする紫陽花のライトアップがある。

 その紫陽花を今度は金魚鉢のようなグラスボウルに入れて先の「イライラ石段」に並べ、参拝客の目を楽しませてくれる。最後はドライフラワーにして参拝客に分けている。そう、この雲辺寺は別名「あじさい寺」とも呼ばれているらしい。

 明日からはまたのんびりペースで大興寺に向かう。大興寺までのルートについてはまた日を改めて明日以降に書きたいと思う■



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