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お遍路ウォーキング日記(14:十三番大日寺へ ②)

【2024年1月17日(水曜日) Day 14】

 札所十二番焼山寺から十三番大日寺へ向かうルートはまず焼山寺から鮎喰あくい川沿いまで下り、しばらくは鮎喰川沿いに進み、国道439号に入り鬼籠野おろので県道21号に入って進むと再び鮎喰川に出る。そのまま徳島方面に進むと大日寺の横に出る。

 今日の位置ではまだ鮎喰川まで下りてきていないので十三番大日寺はまだまだ先だ。


 今日はすでに打った寺でまだ紹介していない札所十番切幡寺について簡単に書こうと思う。

 切幡寺の「切幡」はその字の通り織物を切る事を指している。昔この地で修行をしていた弘法が土地の機織り娘に法衣の綻びを繕うために布切れを求めたところ、惜しげもなく織物を切って差し出したところから弘法は感銘を受けて願い事を叶え、機織りの娘は即身成仏し千手観音菩薩になった。

 この話を時の嵯峨天皇に伝え、勅命を受けて寺を作ったのがこの切幡寺だという。そして本尊には弘法が彫った千手観音像が祀られている。

 このお寺はなんと言っても333段ある石段が名物。それも麓の駐車場から少し入ったところに「是より三三三段」と書かれた石標が立てられているだけで妙に軽い感じで石段が始まるがいざ登ってみればさすがにそれだけのことはある。

 これまで一番霊山寺から九番法輪寺まで町寺ばかりが続き、二番極楽寺、七番十楽寺の石段、八番熊谷寺の参道くらいしか登りがなかったところにいきなり切幡寺の石段の洗礼を受けることになる。そしてこの「是より三三三段」だってまだまだ序の口だと言うことは後になって嫌というほど知らされる。

 なお、かつてはこの長い石段、自転車とバイクの遍路だけは別ルートで登ることができた。石標を素通りすると境内に真っ直ぐ続く専用道があり自転車とバイクは通れた。今はどうだか分からないが僕は二度ほどこの切幡の石段を登らずにダイレクトに本堂まで行った記憶がある。たたし険しい坂なので本当に楽が許されるのはバイクだけだと思うし、原付では荷物を積んだままだと登れないかも知れない。

 この切幡寺、以前はわんこを飼っていて境内に放し飼いをしていた。このわんこが人懐っこくて石段を上がってきた遍路を上から出迎えてくれる。しかしいつしかいなくなってしまった上にこの寺はわんこ禁止の札所となってしまった。

 四国札所の中にはわんこ禁止の札所もいくつかあるが、一番霊山寺からスタートすると最初のわんこ禁止の札所がここ切幡寺だ。かつては看板犬のいた札所も今ではわんこ禁止の札所にどうしてなったのかは気になるところだ。

 すでに打ったのにまだ紹介していない札所も残りは十一番藤井寺だけとなった。■

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