音楽:ヴェーディック・メタル・バンド「Rudra」



ルドラ

シンガポールで1992年に結成。バンド名のRudra(ルドラ )とは、インド神話に登場する暴風神。後に、ヒンドゥ教ではシヴァ神と同一視されるようになりました。 暴風、破壊、死が、デスメタルの音像と一致していることからネーミングされたようです。

ヴェーダ

彼らは、「ヴェーディック・メタル」と自称しており、ヴェーダとは、バラモン教とヒンドゥー教の聖典のことであり、「知恵」「至高の教え」を意味します。インドの伝統音楽、サンスクリット語の詠唱、マントラをデス/ブラック・メタルに取り入れています。

楽曲

例えば、楽曲「The Pathless Path to the Knowlable Unknown(未知なるものへの道なき道)」の歌詞には、

Ishwaro Gururatmeti Murti bheda Vibhagine
Vyomavad vyapta dehaya
Dakshinamurataye namah

(意味:グル、自己、神に違いはない。
空間を貫く至高の自己の擬人化であるダクシナムルティ神に敬意を表しなさい)

The Pathless Path to the Knowlable Unknown / Rudra

という詩句が引用されています。

ちなみに、「シュリマド・バーガヴァタム」にもこの考えが反映されています(Srimad Bhagavata X. 27, 12-13)

メタル X ヒンドゥ

アジアの文明の交流点「シンガポール」で、西洋と東洋の文化交流、しかもデスメタルというサブカルやアングラカルチャー分野での創造的活動が行われるのは、個人的にはとても興味を持ちました。

以前には、Nileというエジプト出身のデスメタルバンドが出てきた時も、とても興味を持ったのですが、今回はそれ以上です。

普段から自分がよく耳にしている詩句が、デスメタルのバッキングと共に流れていくる不思議さと、案外、音楽的にも違和感ないところに魅力を感じました。

もしかしたら、マントラやシュローカといったサンスクリット語の音質は、文化や時代を超えて、何にでもマッチするのかもしれません。

レコードが出ていたら購入したいですが、今のところ見つかりません。インドでは、Bloodywoodというバンドがお気に入りです。

乳海攪拌

メタルなどラウドな音楽を聴くことは、意識の乳海攪拌だと自分では考えています。

乳海攪拌とはインド神話の一節で、半神と悪魔が力を合わせて、大洋を攪拌し、そこからマハー・ラクシュミー、その他の宝物、アムリット(不老不死の飲み物)が現れる話です。

そこまでは得られないとしても、聴き終わった後は、一定の平静さを得ることができます。

動画

参考

Wikipedia
バンド公式サイト


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