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音楽:ブラック・サバス

「軍隊」「刑務所」「工場」しか将来の行く場所がないなんてどういう気持ちだったでしょうか。60年代後半のイギリスの工業都市バーミンガムの労働階級の若者には夢がなかったそうです。
ブラックサバスは結成当時からその独特の世界観でコアなファンを獲得していきます。オジー時代こそがいわゆるブラック・サバスであり、オジー脱退後ボーカリストが何度か交代しましたが、音楽性はガラッと変わり、トニー・アイオミのプロジェクトのようなバンドになりました。バンド名を変えたかったそうですが、契約の問題上実現しなかったそうです。
90年代のグランジブーム、オズフェストの成功などから、再びオジーを始めブラック・サバスの影響力が認められるようになりました。バンド全盛期は当時の評論家はそれほど評価していなかったようですが、今では、ロック・レジェンドです。
確かにブラックサバスは歌も不安定ですし、演奏もレッドツェッペリンやディープパープルに比べると、あれですが、でも何か魔力のようなものがあります。その魔力の秘密は、トライトーンという独特のコードに負うところが大きいようです。悪魔のコードとも言われる不穏な響きのある和音で、不協和音といえばそれまでですが、はまると病みつきになります。
ブラック・サバスのメンバーがもし音楽的な教育を受けていたら、こういう音楽にはなっていなかったかもしれません。

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