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音楽:銀河鉄道999

そういえば、山陽新幹線の駅では新幹線の発車メロディにゴダイゴの銀河鉄道999が使われています。
そのメロディに後押しされて列車に乗り込むと、本当に宇宙の果て、アンドロメダ終着駅にまで行くような気持ちになります。
主人公星野鉄郎は、機械伯爵に撃たれ死別した母(星野加奈江)の事件がきっかけとなり、機械の身体をただでもらうため、999に乗り、アンドロメダまで旅立ちます。貧しい鉄郎が999に乗れたのは、母とそっくりなメーテルという謎の女性のお陰です。メーテルから無期限のパスをもらいます。
鉄郎の旅する姿は、ただ「青い鳥症候群」を象徴しているのでしょうか。物語を見る限りでは、少年が青年へと成長するプロセスを描いているようにも解釈できます。
僕はなぜか、小学生低学年の頃、銀河鉄道999が好きだったそうです。
無限の広がりのある宇宙を舞台にしながらも、列車には始発駅と終着駅があり有限です。生身の人間には寿命があるのに、機械人間には寿命がありません。母は亡くなったはずなのに、分身とも言えるメーテルがそばにいます。地球は戦争で荒れ果てているのに、アンドロメダの住人は平和で幸せそうです。
いくら追い求めても手に入らないものもあります。鉄郎は、道中、色んな出来事があり、色んな人々の姿を見て機械人間の身体を手に入れることを諦めました。命というのが、かなりシリアスに描かれた物語です。
そのあとよく見ていた鳥山明原作のアニメ「ドラゴンボール」では、あっけらかんと、登場人物が生き返ったりします。決して、命の尊厳を蔑ろにしているわけではないと思います。アラレちゃんは、その意味では機械人間なのですが、愛着が湧くキャラですね。藤子不二雄原作のドラえもんもそうですね。
999に話を戻すと、クリスタルガラス製の機械化人の「クレアさん」のことをいつも思い出します。999の原作者、松本零士はワーグナーのオペラの研究者でもあるのですが、自己犠牲の愛としてクレアさんのあのシーンを描いたのかもしれません。でもクレアさんの姿は、古き良き日本の女性の佇まいです。メーテルもそうですね。自己主張の少ない感じですが、芯のある女性像として描かれています。

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