音楽:金夜
X Japanという日本のバンドは、有名なので説明はいらないと思います。僕は小5の時くらいに、友達にXのカセットテープを貸してもらって聴いたのが、いわゆる「ヴィジュアル・ショック」になったわけですが、彼らの曲には名曲が多く、どの曲も一度聴いたら忘れられないような強烈なインパクトを残してくれます。そのXの曲に「Week End」というノリのいい8ビートのドラムに、ツインギターが絶妙に絡み合い、ヴォーカルもノリノリで歌われる曲があります。
金曜日、1週間の仕事をやっとこさ終えて、帰宅して玄関ドアを開けると、どういうわけか、この曲が頭の中で鳴り始めます。
I hear a knock on the door
激しくせまる
失いかけた意識のなかで
おまえがささやく
「やれやれ」と思いつつも、実際の音源をオーディオで聴くわけですが、ついつい、自分もノリノリになってしまって、ヘッドバンギングしてしまいます。ヘッドバンギングしていると、子どもも真似し始めて、あまり頭や首によくなさそうなので、子どもの前ではやめることにしました。
ロックミュージシャンが、中年期に入って、頭の病気を患って、活動を停止したり、引退したりするのが、とても気になります。大音量のステージ、激しいパフォーマンス、アルコール、ドラッグ、ハードなスケジュールでの世界ツアー、不摂生、不養生など、いくつものネガティブなファクターがあるでしょうけど、若かったロックミュージシャンが気がつけば、お年寄りになっているのを見ると、つらいときもあります。もちろん、いぶし銀的に、歳を重ねるごとにかっこよくなる人もたくさんいますが。
最近は、「ストレート・エッジ」といって、「喫煙しない」「麻薬を使用しない」「アルコールを摂取しない」「快楽目的のみのセックスをしない」というのが基本的な理念を掲げたミュージシャンも増えているようです。それまでのロックの価値観であった「セックス、ドラッグ、ロックンロール」という享楽的な生き方に対するアンチテーゼとも言えます。さらに進んで「ヴィーガニズム(菜食主義)」を実践する人もいるそうですので、ストレート・エッジ、魅力的です。本当の強さとは、そういうことでしょう。自分を誤魔化さずに生きることのほうが美しい、と思ったりも。