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書籍:神の化身たち

以前に東京でヨガクラスを受けた際に講師をしてくださったご夫婦が翻訳なさった本です。

僕はこのご夫婦のお導きで本書の御大であるスワミジにインドまで謁見に行きました。

人生で3回目のインド訪問でした。先に英語版が出ていたので読んでいたのですが、今回は日本語訳を手にすることができました。色んな言語で集めたいです。

「スワミジのライフヒストリー」と呼ばれるようにスワミジご本人の半生を側近の弟子の方が記したものです。

幼少期のご本人やご両親の様子、青年期の兄弟姉妹との関係や出来事、そして最近の国内外でのご活動について知ることができます。

幼少期からやはり普通の子どもとは違っていることがわかります。「母は子どもにとって人生で初めてのグル(師匠)です」とよく言われますが、まさにそれを体現した母親であるのがわかります。幼少期のスワミジの母親のお振舞いは、自分も二児を育てる父親としてとても勉強になります。

後半部分はインターネットの発達した時代なのもあって、どのようなご活動を行ってこられたかがイメージしやすく、特に音楽活動については実際にサブスクでも聴けるのでスワミジが世界中の求める人にとっては身近な存在であることがわかります。音楽、ヨガ、バジャン、聖典の解説ほとんど全てのことを早い時期からライブ配信され、SNSでシェアし、電子アーカイブ化なさっておられます。時代を先読みされていたことがわかります。

インドのいいところを世界中に届けてくださっているスワミジ、そしてそれを世界中で奉仕として支える帰依者たち。狭義の宗教の枠組みを超えた繋がりがあります。

そしてスワミジは、求める人には、恩寵と試練を、色んなサインやメッセージとして個々人にくださいます。気がつくか、気が付かないかはその人次第です。まさに、サイレント・ティーチャー(沈黙の師)なのです。

スワミジは日本にも関わりの深い方で、インドのマイソールの施設には盆栽ガーデンが設立されており、日本の有名な盆栽家の方の技術が取り入れられています。

僕がインドに初めって行った動機は、ヒンドゥ教やジャイナ教で非殺生が説かれ、イスラム教ではハラールという戒律があるインドでは自然保護や保全が伝統的な知識により、長い間なされてきたはずと考えからでした。その現場を知りたかったのです。ここでは挙げきれませんが、随所にありました。

まだスワミジが設立し、管理されているマイソールの盆栽ガーデンには行ったことがないのですが、本書に書かれている「盆栽」すること意義についての解説からは、植物との向き合い方、ひいてはインドの生命との向かい合い方が凝縮されているのがわかります。

また電子ピアノも現代音楽と伝統音楽との融合を表現するためにご使用なさっていますが、日本製ローランド社の製品を愛用なさっています。

本書は、いつどこを開いて読んでもその人なりの気づきが与えられるありがたいご本と思います。

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