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人間関係をぶっ壊すSNS

なぁんて物騒なタイトルですが、人との関係は些細なことから簡単に崩れていくのだなと感じたので今日回はそのことを書いてみる。

ことの始まりはあのインスタグラムのストーリーだ。フィードに投稿するほどではないけどみんなにちょっと見てほしいのよね24時間で消えるしヘタなこと書いても後腐れないもんね、と物事をあやふやにぼかす感覚が、今の時代、気軽で受けるのだろう。私はというとストーリーも通常の投稿もリールも楽しみながら使い分けている。仕事の一環でもあるし……。

そんな折、湘南へ移住してから知り合った仲間内のひとりのおじさんとインスタでつながった。どちらかというと「イケおじ」に入る部類の、いい感じのおじさんだ。サーフィンをするので健康的に日焼けしていてお腹も出ていない。色々と相談に乗ってもらったり、仲間内でドライブへ行ったり、みんなで楽しいひと時を過ごすような、そんな関係だった。

冬ぐらいからだろうか、私のストーリーにこのおじさんから「いいね!」が付くようになった。「あ、ここも見てくれているんだ」と最初は微笑ましく受け取っていたが、私のUPする画像、動画すべてにスタンプがつき始めた。丁寧な人なんだな、律儀だな、ご自分の仕事(あるお店を営んでいる)のためにも皆さんに告知を含めてやっていることなんだろうと捉えていた。

それがだんだんと違和感へと変わっていった。スタンプに加えて短いメッセージも来るようになった。

・おはようございます。
・今日もお健やかにお過ごしください。
・お疲れさまでした。
・今日はいいお天気でしたね。
・あいにくの雨でしたね。
・ゆっくり休んでくださいね。
・(外出時の投稿に対して)お気をつけてお帰りください。

などなど、内容的にはどうでもいいことでよくフェイスブックで敬遠されている「おはようおじさん」のようなものだ。う~ん……、知り合いとはいえハッキリ言ってうざい。これが毎ストーリーごとに毎日来るようになり、来る日も来る日もストレスが半端なくなってきた。インスタは1000人ほどの方にフォロワー頂いており、ストーリーに反応をくださる方はもちろんいるが、毎度何かしら送って来る人なんて皆無だ。

ある日、やんわりと傷つけないようにメッセージを送ってみた。
『ストーリーへのスタンプ、メッセージなど、毎日多くの方から頂くようになり、時間が作れないので返信はいちいちしないことにしました。ご了承くださいね』と。
返信には『👍』のスタンプがきて、それから数日は静かだった。

が、1週間もするとまた「おはようおじさん」に戻ってしまった。私は一度イヤだと思うことは、とことんイヤになるので、まずはインスタを攻略し始めた。ストーリーを特定の人に見せない方法があるはずだ。そしていとも簡単に見つけた。「この人にはストーリーを表示させない」というコマンドを。

……よくよく考えればこんな処置を施す時点でこのおじさんとの関係は終わってるようなものだ。が、こうでもしないと私の快適なSNSライフを保つことができない。このコマンドのおかげでしばらく平穏な日々が続き、やれやれと胸をなでおろしていたところ、意外な盲点があった。

フィードに流れてくるフォロワーさんのストーリーを眺めている時に、うっかりおじさんのストーリーを踏んでしまったのだ。ストーリーを見た人は足跡のように履歴が残るので、誰が見たのかわかってしまう。踏んでしまったおじさんの他のストーリーはすっ飛ばして、慌てて次の人へ飛んだ。が、時すでに遅し。数秒でおじさんからDMが飛んできた。

おはようございます

もう不気味としかいいようがなく、それからはストーリーにおじさんのアイコンが並んでいないかチェックしてから閲覧するようになり、おじさんのアイコンが見えると慌てて飛ばすようになった。

お気軽なストーリーのはずが、このおじさんのおかげで全然楽しくないばかりか不愉快極まりない。今度は「この人のストーリーを非表示にする」というコマンドを見つけて早速実装した。ねっとりとしたイヤな気持だ。それにこれではフォローしあっている意味などまるでない。

このおじさんの彼女とは仲良くさせて頂いていたが、彼女とも話しにくくなってしまったし、その後、仲間内で再会した時にあからさまに私を無視するような態度をこのおっさんは取り始めた。は? 逆切れかよ……。

このことを機におじさんは完全に切った。せっかく知り合えた「よい友だち」だったのに残念ではあるが、もう終わりだ。仲間内の二人にこのインスタ騒動のことをすべて話し「当分距離を置くし、店にももう行かない」と伝えた。

いい年をして何をやっているのかこのおじさんは。いや、いい年だからこそ血迷うのだろうか。「俺はまだまだイケるんだ」と私が勘違いさせてしまったのだろうか? まだイケるかどうか確認するのは大いに良いことだと思うが、仲間うちでやることじゃない。しかもいい年して。

SNSがなければ、インスタがなければおじさんとは仲良くしていられたのだろうか。いや、きっかけがインスタだったというだけで、いずれは壊れている関係だったのだろう。早めに切れてよかったんだろう。

pay forwardで行動していきます、ありがとうございます☆