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月日を共に歩んできたテーブル

この年季の入ったテーブルは、1989年に購入しました(もちろん元はもっと美しい姿でした)。チーク材で作られた北欧製のこのテーブルは、バブル絶頂期だった当時、家具屋さんでひと目惚れして購入しました。本来の価格はかなり高かったところが、天板の裏になにか記入がされているとか何か、小さな不具合のために、半額ほどの価格で手に入れることができたけれど、それでも10万円いじょうでした。…バブルですね笑。

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このテーブルは最小だと円形(直径100センチくらい)、エクステンションの板を2枚追加することができて、板を2枚追加すると大袈裟にいえば、キリストの「最後の晩餐」のように長方形のテーブルになります。貴族の食卓で「コショウをとって」と言われて端から端へシュワーっとテーブルを滑らせるあの感じです。
3人ずつ横並びでサイドにひとりずつの、計8人が着席できる大きさになります。89年に結婚した私は、新しい生活に夢を馳せ、友人たちがいつ来てもいいように、また新しい家族、子どもたちができた時にも、にぎやかな生活が送れそうだし、この美しいテーブルを大切にしようと思っていました。が、30年経過した今、テーブルの姿はこんな有様に💧

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当時、配送してくれた家具屋さんのお兄さんが、「とてもよいテーブルですよ。時々オイルを塗ってあげてくださいね。使うほどに風合いが増します。劣化してきたらサンドペーパーで削ってきれいにすることもできますから、お近くの家具屋さんに聞いてみてください」と教えてくれました。

新婚当初はきれいに使っていたけど、子どもたちが家族に加わるともう、インテリアがどうだこうだと言っている余裕もなくなり、ジュースをこぼすのは日常茶飯事、フォークをテーブルにぶっ刺す息子、マジックでお絵かきすればテーブルにもはみ出すわで、「まあこれも家族の歴史」とテーブルが汚れてしまうことには目をつぶるようになりました。

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購入から20年が過ぎた頃、テーブルのメンテナンスがずっと気になっていました。「家具の職人さん、どこかにいないかな」「一体誰に頼めばいいのかなぁ」「自分でやるか?(大変そう…)」と思いを巡らせている間に月日はどんどん過ぎ、今日に至り、テーブルクロスを掛けていないといけない感じに…。


ところで自粛生活が本格的に始まった今年の3月、あまりに人と話さない日々、家に籠もる退屈な毎日に変化を加えたくて、stand.fmという音声サイトに番組を持ってみることにしました。

毎日のちょっとしたことや考えていることを発信していくうちに、コメントを頂いたり、楽しい発信者の方の番組を聞くのも楽しくて、ハードルの高そうなライブ配信もやってみようかなぁと思い始めました。
「早朝の植木に水やり配信」をやってみたところ、おけいさんという方が遊びに来てくださり、確かこの方は植物がお好きな方…という認識があったことから話が弾みました。新しいご縁のはじまりです。

話の流れで「お仕事は何をされているんですか?」と聞くと「家具を作っています」と言うではありませんか。この時点でもう「テーブルをお願いできるチャンスがきた」と感じた私は、実は…とずっとリフォームしたいと考えているテーブルのことをお話してみました。

画像を送ってくれれば状態からメンテナンスの方法お伝えできますとのことで、すぐに画像を送ろうとしたところ、なぜかビデオチャットにつながってしまい、ご丁寧におけいさんは出てくださったようでしたが、早朝の髪ボサボサのすっぴんだったために慌てて切りました。が、「なんかいい人だなぁ」という印象があり、リフォームをお願いしようかなと思い始めておりました。

植物が好きなこと、京都在住のベニシアさんの本を読んでいらしたり、そしてもちろんインテリアに対する愛情も深いプロであることから「やった♪ 家具デザイナーさんの知り合いができた~!」と有頂天になった私は、テーブルのリフォームをお願いすることにしました。

おけいさんは九州在住なので、東京在住の職人仲間をご紹介くださり、Mischievous さんへお願いすることになりました。日頃不慣れな家具のリフォーム、しかも愛着のあるテーブルを託すというのは、全く知らないお店や業者さんには、なかなかできることではないと思います。

そして完成したのがこちらです!!

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1989年当時の真っさらで美しい姿になって戻ってきました。職人さんの力ってやっぱりすごい……。自分でやっていたら、きっと慣れない作業に疲れ果てる割には出来がもうひとつ…ということが想像されるので、美しい姿になって戻ってきたこの子に目を見張るばかりです。…テーブルって女性名詞かな? 男性名詞かな?

新婚当初の気持ちまで蘇るようで、いま、甘酸っぱい思いに包まれています。このテーブルを囲んで、たくさんの会話、たくさんの時間、たくさんの思いが積み重ねられてきました。
友人を招いての楽しいひと時、外国からのお客様、ケンカもたっくさんしたし、子どもたちの恋バナ、深刻な相談ごと、ほっんとに色々なことをこのテーブルは黙ってじっと聞き入れてくれたんだなぁと思うと、もうほとんど家族のようです。

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コロナが一段落したら、このテーブルを囲んでまた子どもたちや新しい家族や、友だちみんなにも来てもらわなくちゃ。
リフォームでお世話になったおけいさん、中川さん、この度はどうもありがとうございました。
そうそう、おけいさんとはstand.fmでコラボ配信を行う予定なので、その時はまたお知らせいたします。

家具のリフォームなどお考えの方は、Mischievousへご相談されてはいかがでしょうか。


pay forwardで行動していきます、ありがとうございます☆