離縁するはずだった陛下に(媚薬を使って)溺愛されています 夜原月見

夜原月見先生の久しぶりの作品。
読んでて飽きさせない、というよりどんどんストーリーに引き込まれていく文章は流石やなぁと。
ムーンライトノベルズで連載中の「皇后さまのお褥すべり」を読んでる時もそうだったけど、息するのも忘れるぐらいに引き込まれる。

で、「離縁するはずだった陛下に(媚薬を使って)溺愛されています」です。
カルトルオ国で冷遇されていた第一王女セシリアが、和平条約締結の使者(要は人質)としてラストヴァル国へ。
そこで第三王子ローランと出会い・・・
って感じのお話。
夢中文庫さんなので割と短めなお話だったけれど、見事な話の展開でした。
まず登場人物が少なすぎず、多すぎない。これ、すごく大事!
メインの二人以外の登場人物がやたら少なく、ご都合主義的な展開をするTL小説が多い。
そういう小説は読んでて飽きてきちゃう。
この作品は、メインの二人は勿論、他の人物がしっかり描かれている事、話の展開が本当に自然。
二人がお互いを意識し始め、思いを深め、行き違い、でもお互いを思いやり、また向き合っていく姿を読むにつれ、読んでいるこちらも心配し、時には涙し、二人を祝福したくなる・・・そんな素敵なお話。
特に「手紙」と「栞」にまつわるエピソードは最高でした・・・。
個人的にはローラン王子の部下視点からも読んでみたかったなぁ・・・。
(この部下さんとの掛け合いがとても美味しくて)

夜原先生、ご病気で倒れてらしたんですよね。
「なろう」で闘病生活やその後のリハビリ?っぽいエッセイやムーンの方でも新しい連載を始めてらした。
でも途中でストップして。
ご病気大丈夫なのかな?
リハビリが大変なのかな?
また連載を再開してくださる時が来るのかな?って思ってたら、この話が配信されて。
とにかく、嬉しかった。
色々と大変なこともあるかと思うけれど、先生のペースで小説を書いてくださるといいなぁ・・・。

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