雪花と月凛 石田累　ティアラ文庫アンソロジー ギャップ萌え

大陸を統一した「西」の国祖、雪花と月凛の馴れ初めから結ばれる迄を描いたもの。
面白すぎる。
約50ページぐらいの短編とは思えない程、濃密。
過去と現在のエピソードが絡まり、どんどん引き込まれていく…んだけど、唯の恋愛物にならないのが、石田先生。
国（帝）の思惑が渦巻く渦中に二人は呑み込まれていくけれど、立ち向かっていく勝負師雪花。
兄弟を帝に殺され、周囲を欺きつつ牙を研いでいた月凛。腹黒な匂いがして、とても好み。
短編だけど圧縮されているから、長編を読み終わったかの様。
これだけの情報量をよく短編にぶっ込んだな、というのが正直な感想。
先生のブログでは、続編が内々に決まっているとの事。
この話をリメイクしたものなのか、まったく違ったものになるのか。
楽しみで仕方ない。

石田先生ファンなので出版されている小説はほぼ読んでいますが、「愛に堕ちた軍神」ぐらいから雰囲気が変わったように思う｡
先生、何か吹っ切れたのかな。
元から濃いストーリーが多かったけれど、キレッキレになったと言うか。
石田先生の作品を読む時は、次の展開が読めないから一言一句逃さない勢いで気合を入れて読んでます｡