見出し画像

【ファンタジー小説】サンダーコレクター15

活動を終えて、バルたんとの押し問答の末に家に帰った。バルたんは、家まで送ってくれた。
家まで来ようとしたから、「死ね!」と言って、逃げた。
ちなみに、教えた家は違うところだ。
3軒先の人、ごめんね。


家に着いて、お風呂やご飯を済ました。
アイスを片手に、ぼんやりと爪に埋め込まれたバッジに触れる。

あ、さっきのバルたんとのアーカイブがある。

様子を見る。傍から見るとこんな感じなのかなぁと。確認が出来た。

あ、ルーキーのイベント表が出てる。るな。私の名前もある。

名前と顔写真とスコアがまとめられてる。
ルーキーこんなにいるんだな。

このイベント表から、コレクターさんはこのハンターがいいと訪れるきっかけにもなるらしい。

暑かったから、アイスをかじる。
冷たさが染み渡るなぁ。棒アイスだから、もう一口食べようと口に近づけた瞬間に、アイスが途端に重たくなった。

「待ってかい?ハニー♡氷上のプリンスことニャックだよ♡ただいまー!」

ニャックが、アイスの上に立っていた。
うるせぇし、きたねぇ。
腹が立つ。

「ちょっと、アイスの上に立たないでよ!汚いじゃん!もー!食べれんやん!」

思わず怒った。

「えーそんな怒らないでよー!暑かったのよ。お詫びにこのアイス全部食べるから、許して(´>ω∂`)」

そう言い終わるや否や、アイスを食べ尽くされてしまった。
良いけど、腑に落ちない。

ニャックってアイスこんな食べ方するんかと、圧倒はされたけど。

「あ、そういや、キャンプどうだったの?」

「あ、気になっちゃってる?これ見てよ!」

ニャックが、スマホみたいなのを出した。ニャックサイズだからめちゃめちゃ小さいけど。


#のこのこ島 #俺の夏休み  #白いのはニャック #(*ΦωΦ*)

ん?なんだこれ。

「これ、nyanstagram!にゃんすたに投稿してるのー!のこのこ島でサバイバルキャンプして来たの!ちなみにこの蝶々は、お友達のmiiね!マブよ、マブ♡」

よくわからん。

「これも見てよ!るなてゃん!」


#同僚 #ゆにゃん #対決 #のこのこ島

「これ、同僚のゆにゃんベイベーなの!夏休みで一緒になって、かぶと虫競争したのよー!」

おっ、おう。棒アイスの棒を持ったまま、適当に相槌を打つ。

「もうさー、すごかったのよねー。吉川晃司、流しまくって、かぶと虫ドライブしたの!夏って感じよ!対決は、もちろんレディーファーストだから負けてあげたのよね。俺、吉川晃司なりたいのよ。吉川さん最高だぜ、サンキューベイベー(*ΦωΦ*)!」

ゆにゃんちゃんとやらに見とれて、操作疎かになった結果、負けたのでしょうもん。

ニャックはコレクターさんたちのように、テンション上がりすぎて踊ってるようだ。

「るなてゃん、その棒アイスの棒捨てるよね?」

そう言うとニャックは、オーバーヘディングシュートみたいな動きした。棒アイスの棒をニャックは蹴って、ゴミ箱に入れた。

「ふぅー!シンバルキックならぬ、棒キックね!決まったぜ、ベイベー☆」

吉川晃司がライブの時シンバルキックするのは知ってるけど、それ真似したのか?でも、あの人はシンバルを蹴って鳴らすだけで、蹴り飛ばしてはないぞ。

雷がキラーコメントに落ち込んで、反発を繰り返してる時のように、棒がゴミ箱の内部にぶつかって、カランと音をたて、弾ける。

雷と違って、側面に当たったらすぐに落下し、ポタって音をたてた後は静まり返るが。

ニャックのテンション上がり過ぎてついていけないけど、また大きな声が出た。

「ちょっと!もー!」

どうしてこうなったんだ。こいつらと関わってから、なんだか調子が狂う。
私こんな人間だったけ?どうしてこうなった。お前らのせいだ。

もう静かに寝たいだけなのよ、わたしは。
ハァ━(-д-;)━ァ😫

こんな顔をしながら、また眠りについた。

活動の資金にしたいと考えています。応援お願いできませんか?