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お仕事小説!まどうのほし🪐࿐✩.*˚⑨

🥹🙏🏻💖身近なとこにファンっていたんだな 事変🥹🙏🏻💖

取引先は瀟洒な建物の中にあった。
すごく華やかなところかなと思っていたけれど、どこもそうだよなとくすりとした。

アポイントは取っていたので、すんなりと入れた。
対応してくれたのは、40代くらいの女性だ。
確認したいことや、お借りしたいものの確認が終わり、すこし談笑が始まった。
コーヒーとお菓子を持ってきてくれた。

「こんなに小柄な方と思いませんでした」

私は小柄で、150cmも身長がないのだ。
そして大人しそうと、よく思われる。
だから率直にものを言うと、驚かれるのだ。
誰だって意思はもちあわせている。
体格は関係ないのではないかと思うが。

「屈強な男性でも音をあげそうな環境で頑張られていて、すごいですね。そしてこんなに丁寧に対応してくださる。」

これは営業の人には内緒にしてねと言って、その女性は言葉を続けた。

「実はね、営業の人のツテで仕事を頼んだってなってるんだけど、原田さんって分かる?あの人にね、国武さんって良いよって言われたから、今回お願いしたのよ」

まさかである。
原田さんは、前職からの付き合いで私の仕事をいつも応援してくれている。

「たけちゃんこれいいじゃん!すごいじゃん!!」と声をかけてくれ、仕事も依頼してくれている人だ。

「国武さんにお願いできるっていうのが決定打だったの。頼んで良かったです。これからもよろしくお願いしますね。今回直接、国武さんにお礼を言える機会をありがとうございます。本当に今回引き受けて下さって、ありがとうございます。」

私の目をまっすぐ見つめながら、伝えてくれた。

目頭が熱くなった。やっぱり評価して貰えるって嬉しいなと思った。
きっと目はうるうるしていたと思うが、涙はこぼさずに済んだ。
いい大人だから、人前で泣いてはいけない。
お礼の言葉を声を震わせながら、発した。

全部で12話完結です。同じ人物の話なので、順を追って読んでください🙇‍♀️


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