11月18日の週:米国企業決算10社への心構え
11月18日の週に決算を迎える注目企業について、IBD(Investor's Business Daily)のYoutubeビデオから、チャートやファンダメンタルズを参考にした決算の事前準備のためのIBDのアレクシス・ガルシア(Alexis Garcia)氏とエド・カーソン(Ed Carson)氏の2名による会話を紹介します。なにか投資アイデアの気づきが得られるかもしれませんのでご参考下さい。
01. NVIDIA(NVDA)
[アレクシス・ガルシア]
では、NVIDIAから始めましょう。NVIDIAは11月20日(水)にQ3の業績発表を予定しています。EPS予想は74セントで前年比85%増加、売上高も前年同期比82%増の329.54億ドルが予想されています。結果として、過去5四半期連続の3桁成長に終止符を打つ見込みです。
市場のリーダーであるNVIDIAで特に注目されるのは、技術的な問題で遅延した後のBlackwellの生産の立ち上げ状況です。アナリストたちは、このBlackwellチップを含めた見通しに関心を寄せています。最近では少なくとも5つの調査会社がNVIDIAの目標株価を引き上げていますが、唯一の懸念点は、いわゆる「正気ではない需要」(Insane demand)に供給が追いつくのかどうかの課題です。
[エド・カーソン]
Blackwellの立ち上げが順調に進むのか、という点は確かに大きな問題になりそうです。生産に関して懸念があるとも言われていますが、出荷はQ4に始まるはずです。ただ、どれほど本格化するのか、いつその勢いが出てくるのかが焦点になります。成長が力強いことはわかっていますが、問題は市場のウィスパー・ナンバー(※)を上回れるかどうかです。
こういった状況では、たとえ発表された数字が良いと見えても、期待値に届かず株価が下落する可能性があります。こうしたことはよく起こります。この企業に対する期待が非常に高いので、うまくいかない可能性も十分にあり得るでしょう。
ただ、Blackwellは確実な進化の一歩と言えます。重要なのはその方向転換にあると思います。今後、Blackwellを基盤にしたガイダンスが見られるようになるのではないでしょうか。たとえば、Q4で30億ドル、Q1で300億ドルといった数字が出てくるかもしれませんが、未知数です。ただ、アナリストたちはそういった具体的な数字を求めていると思います。Blackwellが順調に進んでいることや今後の事業への貢献が見えることが非常に重要です。
[アレクシス・ガルシア]
次にチャートを見てみましょう。NVIDIAは10月に147.6ドルの買いポイントを突破しました。その後、このレベル付近を推移し、21日移動平均線まで下げましたが、買いのサポートを受け、現在は買いゾーンの上限付近にとどまっています。この状況で株を保有している場合、どう維持すべきでしょうか。また、買い増しや新規参入を検討している場合、どのような条件を待つべきでしょうか。
[エド・カーソン]
長期保有者であれば、持ち続けるのは比較的容易だと思います。これまでにも売却のチャンスは何度かあったはずですが、現時点はそのタイミングではないかもしれません。一方で、最近の買いポイントである147.6あたりや、特に高値の144.42付近で購入した場合、十分なクッションがない状態にあり、この点をしっかり考える必要があります。
今のタイミングで新規に買うのは、リスクが高いと思われます。ただし、オプション取引のようなアプローチを取るなら話は別です。決算発表後に株価が活発に動く可能性があるため、それを見越した戦略はあり得るでしょう。いずれにしても、大きく上下する可能性が高い状況なので、慎重に判断する必要があります。
チャートに関して注目すべき点としては、RSライン(Relative Strength Line)が高値付近まで戻ってきており、改善が見られます。一方で、上昇局面での出来高は減少している状況です。下落時に出来高が減るのは問題ありませんが、上昇時に出来高が増えていない点は懸念材料です。
このため、アキュムレーション/ディストリビューション評価(※)はD+と低めにとどまっています。以前はEだったので多少は改善していますが、これは実際の蓄積が増えたというより、統計計算の基盤となるデータ(チャートの左側の古いデータ)が外れた結果と見られます。
そして最も重要なのは、NVIDIAが市場全体に与える影響です。NVIDIAはAI関連の他のチップメーカーにとって非常に重要な存在です、他の多くのメーカーがNVIDIAほどの成果を上げていない中、NVIDIAは安定して力強さを保っています。
現在の市場全体を見ても、このAI主導の流れは依然として大きなテーマです。確かに、ここ1週間ほどで他のセクターにも動きが見られますが、AIが中心であることに変わりはありません。もしNVIDIAがポジティブな発表をすれば、年末まで、このAI関連の盛り上がりが続く可能性があります。特にNVIDIAの顧客企業の次回の決算発表まで、その流れが保たれるかもしれません。
[アレクシス・ガルシア]
続いてSMH(VanEck Semiconductor ETF)についても触れたいと思います。ここ1週間ほどで半導体銘柄のローテーションが見られ、このETFは買いポイントに到達したものの、そこから下落しています。この動きは、NVIDIAの業績発表を控えた現在、懸念材料になるのでしょうか。それとも、NVIDIAがこのセクターの重要な構成銘柄であることを踏まえ、どのような見方をすべきでしょうか。
[エド・カーソン]
NVIDIAは非常に重要な存在であり、これまで好調だった他のAIチップメーカーが、先週あたりから少し勢いを失っています。深刻な状況ではありませんが、確かに弱含んでいます。特に、AIチップ事業に関わっていないメーカーや一部のAI関連メーカーでさえ、多くが売られたり停滞したりしているのが現状です。
SMHのRSラインを見ても、最近の安値付近にあり、ほとんど改善が見られません。それに対し、NVIDIAは高値付近を維持しています。NVIDIAがこの分野で支配的な立場にあることを考えると、NVIDIA以外のSMH構成銘柄の弱さが際立っています。
ですので、今の状況では、SMHを活用してチップセクター全体を狙う戦略もありますが、現在のようにセクター内で強弱が大きく分かれている時期には注意が必要です。SMHを使うことでリスクを抑えることは可能ですが、その分、セクター内のリーダー銘柄がもたらす大きな上昇の恩恵を受けにくくなる点も考慮する必要があります。
02. Palo Alto Networks(PANW)
[アレクシス・ガルシア]
次にPalo Alto Networksについて見ていきましょう。この企業は11月20日(水)にQ1の決算発表を予定しており、EPS予想は1.48ドルで前年比7%増、売上高は21.21億ドルで13%増が予想されています。
注目すべき点は、次期トランプ政権下で、サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁が不確実な状況に直面していることです。また、Palo Altoが推進するプラットフォーム化戦略も注目されています。今年から開始したこの新たな取り組みは、複数の製品を統合して提供することで顧客基盤を広げ、市場規模の拡大を目指す取り組みです。この戦略はある程度成果を上げているようですが、決算発表を控えた現在、Palo Altoをどのように評価しますか?
[エド・カーソン]
確かに、この分野では一定の動きが見られ、強さを発揮してきています。サイバーセキュリティ分野全体も比較的良好なパフォーマンスを見せています。ただし、トランプ政権の影響については不透明です。新しい政権の下で、これが「良い方向に進む」とも「悪い方向に進む」とも一概には言えない状況です。
それに加え、Palo Altoの本格的な成長加速を期待していますが、同時にそれが難しい局面でもあります。既に大きく成長しているため、売上高成長率が鈍化していることが課題になっています。また、数四半期にわたって利益成長率も低下しており、ここでの改善を見たいところです。
それでも、Palo Altoはサイバーセキュリティ分野におけるリーダー的存在であり、この分野は今後も前向きなトレンドが続くと予想されています。この企業の業績はPalo Alto自身にとどまらず、サイバーセキュリティ業界全体にとって重要です。この分野では、断続的な動きが見られるもののPalo Altoはその中でも特に注目すべき大手の1つです。この決算がどのような結果を示すのか、しっかり見守りたいです。
[アレクシス・ガルシア]
続いてチャートを見てみましょう。Palo Altoは380.84ドルの買いポイントを突破しましたが、その後一度下げ、21日移動平均線でサポートを見つけました。その後、再び上昇し、現在は買いゾーン内に戻っています。この動きについて、どの評価されていますか?
[エド・カーソン]
現在、Palo Altoは買いゾーンにありますが、決算発表が控えており、非常に慎重になるべき状況にあります。この数カ月間、上昇と下落を繰り返しながら、徐々に前進しているといった動きが続いています。
振り返ってみると、今年の初めには大きな下落があり、それを回復したのは比較的最近のことです。RSラインはかなり改善してきており、まだ過去の高値には届いていないものの、大きな下落以来の最高水準に達しています。
しかし、この改善は同時にリスクを浮き彫りにしています。決算発表の当日やその数日間で、Palo Altoの株価が大きく上昇する可能性は十分ありますが、逆に大きく下落するリスクも同様に高いと言えます。そのため、この銘柄には高いリスクが伴います。
同じサイバーセキュリティ分野の中でも、Palo Altoほど大きなボラティリティを見せない銘柄もありますが、Palo Altoの場合、決算発表直後やその後数日間で大きく動く可能性が高く、このリスクを十分理解した上で判断することが重要です。
03. Walmart(WMT)
[アレクシス・ガルシア]
次に、ウォルマートについて見ていきましょう。最近のAI関連の話題が多い中でも、小売業界ではウォルマートが非常に好調です。ウォルマートは11月19日(火)にQ3の決算発表を予定しており、EPS予想は53セントで前年比4%増、売上高は1,676.9億ドルで4%増加すると予想されています。
注目ポイントは、港湾ストライキの影響や潜在的な関税を見越して発注を増やしているのかどうか、また、それらに関連して価格の引き上げについての言及があるかどうかです。さらに、消費者動向や2025年に向けた全体的な見通しについても注目されています。
過去1か月間で多くのファンドがウォルマートの株を買い増しています。このような機関投資家の支持を受けている状況ですが、小売業界全体とこの銘柄について、決算を控えた現時点でどのように見ていますか?
[エド・カーソン]
今週は小売業界、とりわけディスカウント部門にとって重要な1週間となりそうです。ウォルマートは非常に安定したパフォーマンスを見せてきました。1980年代のような目覚ましい成長期とは異なりますが、近年は着実な成長を続けています。以前は売上が伸びても、RSラインはあまり改善しない時期がありました。
しかし、特に2023年末以降、RSラインが顕著に改善し、上昇傾向が続いています。ウォルマートは急激な値動きを期待するような銘柄ではありませんが、安定性を重視したポートフォリオには十分な価値があります。
今回の決算で、驚くほどの業績が発表されるわけではないでしょうが、注目すべきは、この厳しい環境でどれだけ健闘できるのかという点です。消費者の状況も重要なテーマです。経済的な不安から、より安価な選択肢を求める人々が増えることで、ウォルマートにとってプラスになる側面がありますが、これは消費者全体のヘルシー状態にとっては必ずしも良い兆候とは言えません。
ウォルマートの業績が好調であっても、それが消費者や小売業界全体の低迷を示す可能性があることは興味深い点です。ウォルマートは米国における最大の雇用主であり、厳しい経営環境の中でも好調を維持しており、その動向が非常に重要な存在です。この決算が、業界全体や消費者動向にどのような影響を及ぼすのか注視する必要があります。
[アレクシス・ガルシア]
こちらのチャートをご覧ください。週足チャートでは、先週突破した3週間のタイトエリアが見られます。この買いゾーンは厳密には85.84ドルまで延びるようですが、今年に入ってから非常に好調な動きを見せています。10週間移動平均線に一度触れる程度で推移しているこのテクニカルな動きについて、どのようにお考えでしょうか?
[エド・カーソン]
確かに、最近ではあまり買いのチャンスがなかったように思えます。10週移動平均線から大きく反発した際、それが一つの買いのタイミングだったかもしれません。ただ、それ以前となると、かなり時間がたっています。また、Three-Weeks-Tight(3週間にわたって一定のレンジ内で小幅な調整を繰り返す状態)のパターンが見られた際には追加購入が可能だったものの、新規ポジションを取る場面としては適していませんでした。
現在の段階では、この銘柄にはしばらく時間が必要だと思われます。今年は大きく上昇してきたため、成長率や現在の水準を考えると、どこまでさらに上昇できるのかは疑問が残ります。ここで一旦休む時期に入る可能性が高いでしょう。それでも、今年を通じて非常に良い動きを見せてきたのは確かです。
[アレクシス・ガルシア]
興味深いことに、IBD Liveのチームでもウォルマートを取り上げています。ここ最近の相場では、多くの銘柄が急激に上昇したものの、現在ではその多くが高値圏にあり調整を待つ段階にあります。このような動きは、適切なエントリーポイントを見つける重要性を示していると思います。理想的には、株を購入して保有し、決算発表の際にある程度の余裕を持てる状態が望ましいですね。
[エド・カーソン]
そうですね。これは単に決算タイミングだけの話ではなく、常にウォッチリストを整理しておくことが重要です。トラディショナルな買いポイントや早期エントリーのタイミングを逃さずに活用し、大きな動きが始まる前にポジションを取るのが鍵となります。素早く行動することで、大きな上昇を見せる銘柄をつかむチャンスを確保できます。
もしそのタイミングを逃してしまうと、良いエントリーポイントがなくなり、既に上昇している銘柄を追いかける形になってしまい、リスクが格段に高くなります。もちろん、そこからさらに上昇を続ける可能性もありますが、今週だけでも先週の大きな勝者が下落に転じたケースをいくつも見てきました。チャート上ではまだ問題なく見える場合もありますが、遅れて追いかけた場合、大きな損失を抱えてしまうことになりかねません。
しっかりとしたウォッチリストを持ち、決算発表の予定を把握しておくことは、投資家にとって不可欠な要素で、このような準備が成功を収めるためのベースになります。
04. The TJX Companies(TJX)
[アレクシス・ガルシア]
その他注目している銘柄のいくつかを見ていきます。次は、TJX Companiesです。日足チャートを見てみましょう。この銘柄は11月13日にブレイクを試みましたが、翌14日には下落し、買いポイントを下回りました。この動きについてどのように見ていますか?
[エド・カーソン]
この銘柄はかなり良い動きをしていますね。利益成長率はウォルマートより若干強いかもしれません。RSラインは最近下がっていますが、それは堅調な上昇トレンドの後に現在、ベース形成に入っているためです。そのため、RSライン自体は最良の状態とは言えません。それでも、11月13日にブレイクアウトが見られ、直近では短期的な水準や下向きのトレンドラインを超えたことで早期エントリーポイントがいくつかありました。
8日連続で上昇した後に少し下落しましたが、市場全体がその日に上昇していなかったことを考えると、むしろ前向きに捉えられるかもしれません。理想を言えば、この水準でしばらく推移し、決算発表で再度ブレイクアウトする方が望ましいでしょう。事前に大きく上昇するよりも、その方がより健全な動きと言えます。ただ、今後の展開を見守る必要がありますね。
05. Ross Stores(ROST)
[アレクシス・ガルシア]
次はライバル企業のRossについて見ていきましょう。こちらのチャートを見ると、TJXほどは持ちこたえていないようです。Rossのこの状況について、どうお考えですか?
[エド・カーソン]
RossとTJXの両方にとって重要な時期ですが、Rossは巻き返しの可能性もあります。ただし、RSラインがかなり弱い状況にあり、その流れが改善される兆候を示す必要があります。
現時点では、なぜTJ Xや同セクターの他の銘柄ではなく、Rossを選ぶのかという点についての明確な理由は乏しいかもしれません。RSラインや業績の動きでより強いパフォーマンスを示す必要があり、他社に対する競争力が見える形で投資家に示されることが求められます。
[アレクシス・ガルシア]
そうですね、Rossが200日移動平均線や50日移動平均線を再び上回るような動きを見せてくれるといいですね。
06. Powell Industries(POWL)
[アレクシス・ガルシア]
さて、Powell Industriesにも目を向けてみましょう。この銘柄も最近話題に上ることが多いです。先週末にかけては非常に好調な動きを見せていましたが、ここ数日で急落し、21日移動平均線付近で推移しています。9月のブレイクアウト時に購入した場合、今はかなり良いクッションがある状況です。この銘柄の保有をどう続けるべきでしょうか?また、21日移動平均線は注目水準になる可能性はありますか?
[エド・カーソン]
この銘柄はデータセンターをサポートしているAI関連銘柄ですね。おっしゃる通り、$19.98付近で購入した人は順調ですが、高値で購入した場合は既に20%下落している可能性があり、リスクが浮き彫りになっています。
現在、この銘柄は21日移動平均線でサポートを見つけており、これまでの動きでも頻繁にサポートとなっている水準です。このようなボラティリティの高い銘柄にしては、特に問題のある動きではありません。これまでにも大きな上昇を記録してきましたが、数日で20~30%下落することもありました。
この銘柄では、エントリーポイントが非常に重要です。適切なタイミングで購入しなければ、簡単に大きな損失を抱えるリスクがありますので、慎重に対応する必要があります。
07. Intuit(INTU)
[アレクシス・ガルシア]
次は、Intuitを見ていきましょう。この企業はアプリケーションソフトウェア分野の企業です。11月8日のブレイクアウト後に買いゾーンに入っています。このチャートはどうでしょうか?
[エド・カーソン]
そうですね、トランプ・トレードと呼べるものがここにあるかは分かりません。ただ、財務省がソフトウェアを無料で配布し、TurboTax(※)を廃止してしまうリスクは低くなるかもしれません。私はそのことを考えたことがありませんでしたが、おそらくそれが影響を与えている要因でしょう。
この銘柄は現在買いゾーンにありますが、決算発表が控えているため、慎重に判断する必要があります。特にオプション取引を活用する場合を除けば、発表後の動きを見てからの方が無難かもしれません。
08. Xpeng(XPEV)
[アレクシス・ガルシア]
次に中国のEVメーカー、Xpengを見てみましょう。中国株が最近非常に不安定であることは周知の事実ですが、Xpengも良い上昇を見せた後、ここ数日で急激に下げています。現在は21日移動平均線付近に差し掛かっています。この状況をどのように評価しますか?
[エド・カーソン]
Xpengは非常にボラティリティが高い銘柄です。新モデルなど、いくつかのポジティブな要素が揃っているのは事実ですが、今回の決算報告でそれがどれほど反映されるかは未知数です。むしろ、注目されるのは今後の発言内容だと思われます。特にQ4の納車ガイダンスに関心が集まるでしょう。彼らが生産を本格的に拡大できるのかどうかが重要です。この点は、Xpengを含む一部のEVメーカーにとって課題であり、新モデルの勢いが薄れる前にそのモメンタムを活用する必要があります。
決算後に株価が$13.73を超えて反発する場合、一部の投資家は購入を検討するかもしれません。ただし、繰り返しになりますが、この銘柄は非常に値動きが激しいです。今年だけでも大きな上昇と下落を繰り返しており、長期的にも同様です。そうしたリスクを十分に理解した上で判断する必要があります。
09. Trip.com Group(TCOM)
[アレクシス・ガルシア]
次にTrip.comを見てみましょう。こちらもボラティリティが高い銘柄です。この銘柄は69.67ドルの高値をつけた後、21日移動平均線まで下落し、再び上昇を試みましたが、現在ではさらに下落し、50日移動平均線や以前の買いポイントである61.66ドルに近づいています。この動きについてどのようにご覧になりますか?
[エド・カーソン]
11月18日の決算発表を控えて、現在のチャートでは調整しているように見えますが、50日移動平均線や10週移動平均線付近で反発する場面があれば、それがエントリーポイントとして活用できる可能性があります。
ボラティリティが高いものの、この分野は依然として強い動きを見せています。ただ、中国の景気刺激策、あるいはその不足に対する懸念が存在します。貿易関税がこの企業に直接影響を与えるわけではないかもしれませんが、中国経済全体が打撃を受ければ、その影響は避けられません。
これらの企業の多くは米国と直接的なつながりを持たないものの、中国経済の低迷が波及する可能性があります。この銘柄もこれまでに力強い上昇を見せてきましたが、現状ではここでの反発が重要です。市場の動きとともに、その後の展開を注視する必要があります。
10. Atour Lifestyle Holdings(ATAT)
[アレクシス・ガルシア]
最後にもう1つ、Atour Lifestyle Holdingsを見てみましょう。こちらも中国を拠点とするホテル・レジャー関連銘柄です。この銘柄はコンソリデーションを突破しましたが、現在は21日移動平均線付近、もしくは26.50ドルの水準で踏みとどまろうとしているようです。この動きをどのように見ていますか?
[エド・カーソン]
そうですね、週足チャートを見ると、決算発表のタイミングまでには新しいベースを形成している可能性があります。現在これはベース形成の6週目に見えますので、そのベースとして扱うこともできますし、大きなコンソリデーション・パターンのハンドル部分と捉えることもできます。いずれにせよ、これは一連の動きの中で起きていることと言えます。
この銘柄は以前大きく上昇してきましたが、現在は一旦休止している状態です。10週移動平均線も追いつこうとしており、数週間前にはそれが達成されました。そのため、現状では新たな買いの機会が訪れる可能性があります。
ただし、この銘柄は大きな上下動が特徴的です。週ごとの値幅自体はそれほど大きくないように見えるものの、その範囲内で大きな動きを繰り返しているのが分かります。そのため、この銘柄の性質を十分理解しておく必要があります。それでも、この企業には非常に強い成長が見られる点が魅力的です。成長性の高さが確認できるため、注目に値する銘柄であることは間違いありません。
[アレクシス・ガルシア]
エド、本日もご意見をありがとうございました。
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尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
IBD
(Original Published Data : 2024/11/ EST)
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