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騙されて観るUFO映画。【フェニックス・インシデント 襲来】

今日は久しぶりにフェイクドキュメンタリーの映画を鑑賞しました。
ずっと観たかった映画で、メルカリでDVDも買ってしまったのですが、なぜかU- Nextで鑑賞。ちょうど「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の配信もあったんですよね。私は諸事情でクレジットカードを使うことができないのでプリペイドカードを購入。月額2,000円ほどしますが、毎月レンタルショップにお金を落としていたことも考えると妥当な出費のような気もしました。ただレンタルショップは、アナログな空間を歩くという価値がありますので一長一短。関心度の低い作品と触れ合えるきっかけ作りにもなりますよね。まあそれで本当に関心が持てなくて観ずに延滞料を払うこともしばしあったのですが。(延滞料って昔の方が高かったんですね。おじさんに教えてもらいました。)

さて、今日の映画は2015年公開の「フェニックス・インシデント 襲来」という映画です。監督はゲームクリエイターもしている(作中に出てくるCGのモデリングも担当したりとかなんとか)キース・アレム監督です。余談ですが今まで監督や俳優の名前も覚えなかったのですが最近は洒落込んで名前を調べるようにしています。冬化粧にはまだ早い季節です。

俗に言う宇宙人による第四種接近遭遇を取り扱った映画になります。近いものにはオラトゥンデ・オスンサンミ監督の「フォースカインド(2009)」が挙げられると思います。個人的にはこちらの方が作品として好印象でした。
それでは単刀直入に感想を伝えたいのですが、わかりやすく(あと文字数が減るし)するために、ホラー映画に必要な三要素「音」「映像」「内容」の三つと、純粋な「怖さ」の4分野で評価したいと思います。(超主観です)

音 ★★☆☆☆
映像 ★★★☆☆
内容 ★★☆☆☆
怖さ ★★☆☆☆  
                             (※5段階評価)

まず「音」ですが、一応左右には振ってるぽいのですが作品の形質上、それが活かされる部分は第四種接近遭遇の部分のみで、他にはF-15の低空飛行くらいです。扱い方によって、それほど効果的になるという部分はありませんでした。
「映像」については、個人的に良かったと思います。特にCG。おそらく実際に本当にあったUFO映像(2010年に中国・杭州で撮影されたUFOの映像とか使われていた気がします。)を用い、それが効果的にリアリティの演出に一役買っていたのかもしれません。嘘に真実が混じると説得力が増すアレですね。何なら予告で観た時の方が素材的にCG感が強くなってしまっているのは広告の失敗ですね。
ただ、POV視点特有の「揺れ」は強く、1997年のフッテージ映像を表現するための演出として黒つぶれが激しい箇所も多く、何が起きているか分からない部分もありました。リアリティはあるのですが、映画としてもう少し観やすくしてもよかったんじゃないかとも思いました。(配信の画面サイズで見るにはちょうど良かったです。)

(2010年に中国・杭州で撮影されたUFOの映像。彗星?ミサイル?怖い。)

「内容」ですが、高評価です。当然ですが、本作はフィクションです。(つまんないこと言ってごめんなさない)しかし実在しているものと混ぜると、いやがおうにも本当の話のように感じてしまいます。(「スノーバード作戦」や「ヘール・ボップ彗星」など)。架空のF-15のパイロットのインタビューのシーンなど、これぞ正統派のフェイクドキュメンタリーではないか、という部分が満載でした。ただ一つこの作品の強度を落としてしまっているのは、第一容疑者の「ウォルトン・ゲイソン」かなと思います。恐らく「宇宙人」という要素の補強のために別視点から彼の証言や言動などを足したり、事件現場の近所に住む人の配置、の大きな二つの目的と思われるのですが、これがノイズ。狂人として描かれているのですが、おおよそ重要度の低い情報ばかり生み出しているばかりでした。軍と宇宙人の対立的な配置、力関係が明らかになってしまっているが故に、行動の読めない人物の配置は不必要ではないかと思ってしまいました。主要人物との対比を表現しようとしたのかもしれませんが、それ以前にこの人物は宇宙人サイドであり、それが宇宙人はいるのか、という本作の話よりも次の段階に飛躍しているように感じてしまいます。「もう少し主要人物のストーリーに関係する人物」もしくは「本当に近くに住んでいただけの人」として描いた方が良い気がしたんです。もしくはリアリズムでオカルトを信じない人物が宇宙人との接触によって変貌した、という設定とか。もしくは全廃。唯一この人物の存在があることで「あ、やっぱりフィクション」だよね。と、なってしまう可能性が高いです。これも好みの話ですが。

全体的な「怖さ」は、ほとんどありません。主人公でありカメラマンのグレンが撮影していたフッテージ(第四種接近遭遇の模様)にほとんどの怖さが集中しています。しかし裏を返せば、「ちゃんと怖いフォースカインド」とも観ることができ個人的には「第四種接近遭遇を描けている」と思います。
ホラー映画として鑑賞するというよりかは、「もしかしてUFOを見ちゃったかもしれない日」に思い切って観てみたりするのがひょっとしたら盛り上がるかもしれないですね。

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