KOC2021っていうか、13本のコントの話

あー。キングオブコント2021超面白かったな~。

キングオブコント決勝が終わって、一か月ほど前に書いたnoteにもぽつりぽつりといいねが付いた。

↑これ。うれちぃ。

タイムラインを見ていてもKOCに関する記事が次々に出てくるので、皆もKOC大好きなんだなぁと思って。賞レースは終わった後の余韻にも重量感があるから。

10代の頃の自分が毎年週末明けに教室で必ず言っていた言葉。「キングオブコント見た!?!?!?」。

M-1よりも「え、見てない」率は高かったけど、それでも見た人がいるなら感想を聞きたかった。言いたかったけど、聞きたくもあった。

誰がどのコントで一番笑ったのかを知りたい。どのキャラクターのどんな台詞、動き、表情が面白かったのか。知りたいから。

本当に人によって一番が違う、というのが分かるから面白い。とても興味深い。笑いって人それぞれなんだなって実感できて、そんなそれぞれの一番が集まっている賞レースがまた凄いって実感できる。だから。

今ではもうそんなこと叫ぶ教室も無いけど、まぁそれはそれで、代わりにここで、壁打ちしよう。ラリーできなくても壁打ちしてんなって思ってくれる通りすがりの人がいれば。ね。

チャイムが鳴るまで好きなところを言うみたいに。批評も採点も私じゃなくていい。のでそうじゃなくて何がどう好きで素直に何を思ったか、私を通って屈折した13本を壁に当てて響かせる、そういう空間にする。的外れな音もあると思うけど短調にはしない。全肯定で単調にはなるかもしれない。でもだって好きだから…。



蛙亭『実験体No.164』

164の印象がどんどん変わっていく。最初いきなりドロドロで気持ち悪いし緑のゲロ吐くし(スライムかと思ってたけどローションらしい)、でも段々気持ち悪いのがちょっと可哀想になり、可哀想じゃなくてちょっとかわいいになり、かわいいが愛しいになる。研究員の反応を通じて。

自分が脱走したら研究員に重い処分が下されるって聞いた164が「じゃあ、一緒に行きましょう」って言うのを聞いて、そういう奴なんだと思った。だって研究員のことを思うなら大人しく戻るのかと思ったから。でもオムライスも食べたいしお母さんのことも守りたい。自分の意思は曲げないんだこの人。人じゃねぇけど。でも人じゃないから?そんなに自分の欲に真っ直ぐなのか?それともお母さんと一緒にいるから欲張りになれたの?

最後、研究員が躊躇うことなく164の親指を握る。何で手じゃなくて親指なんだろう?って思った。何か理由があるのかなぁ。持ちやすいから?2人はオムライス食べられたのかなぁ。席ドロドロにならなかったかなぁ。最初のヒヤヒヤ感が嘘みたいにほっこりしていた。結局色々捨てて愛に走ってく2人になんとなく蛙亭の牛丼屋のコントの雰囲気を思い出した。めっちゃ喋るやつ。

好きなところ。

「お母さん?」って言われてきゃーって顔して首振る研究員。かわいいし必死なの面白い。

事情説明されて「きついなぁ…!」っていう164。状況に対して言葉が軽すぎるのはまだチョイスが上手くないのか、それともそういう性格なのか。軽いってだけだけど、ちょっぴり2018のやさしいズのコントがよぎった。

ドロドロに触っちゃってあからさまに嫌がる研究員に対しての164の顔。絶妙すぎて面白すぎる。

164が撃たれて研究員が「ひろし」って呼んだところ。決定的な台詞にこっちもテンションが上がった。その後守ってくれる164にちょっとだけムカついたけど、ムカつく手前には当然のように愛おしさがあった。

164への印象の変遷は、蛙亭のコントを初めて見てからその後どんどんハマって好きになっていく過程に似ていた。


ジェラードン『角刈りガール』

まじで何だよこのネタ。これ書くために見直してるけど面白すぎだろ。全部がずっと。バカみたい。最高。

転校生の前に変なキモい奴現れて、その後それを上回るキモい奴出てきちゃったらもう大満足。最初だけは少し遠慮してた海野も2人揃ったら「あ、もうこいつらには何言ってもいいや」ってモードになるのも好き。それで最終的にキモ同士で勝手に解決してツッコミどっか行くって。それにしても徹底した2次元っぽい動きが面白すぎる。エリナずっとウザかったな。

好きなところ。

エリナがひょっこり顔だけ出してるとこ。からの「幼馴染のエリナ!?」の海野のトーン。

エリナの「くしゃみ出た」の言い方。クッソムカつく。

二階堂の「恋かな?」の独り言に対する海野の「そうだろ」。なんか好き。うるせぇなとかじゃなくて「そうだろ」なの。

二階堂とエリナが並んだカットで聞こえてくる「というか、髪型逆じゃない…?」。確かに、っていう笑い。転校生最後までちゃんと違和感持ってるのウケる。

シンプルにジェラードンの大味を楽しめるコントだったのが、結構私は嬉しかった。そっかそれをこの大舞台でやるんだ、と。

あと全然関係無いんだけど、KOC前日の夜にハナコがラジオで「海野さんもキモいよね」「別次元のキモさあるよね」みたいなこと言っててめちゃくちゃ頷いた。もっと若手だった時はそんなことなくてむしろトリオのシュッとした奴で覚えてたんだけど、何か次見たらあんなことになってた。でも両サイドにあんな2人がいるからあんまりキモすぎにならないっていうかなれないっていうか、その感じがちょっとずっと面白くて面白くてたまらないんですが、この笑いはどこにぶつければいいんでしょうか。

ていうか『角刈りガール』って何?


男性ブランコ『ボトルメール』

構成が凄すぎる。「え、そうなの!?」って裏切られまくりでめちゃくちゃ楽しかった。何回見ても裏切りが心地良い。

波の音にあの語り口から始まって、そこにやって来る黒髪サラサラロングの白ワンピ着た女の人。かと思いきやあんなキャラで、佐藤くん引いてるだろうな…って思ったらめちゃくちゃ好きだし、それ以前に想像だったし、くるくるひっくり返されてもう楽しかった面白かった。

好きなところ。

「いやぁ〜好きだなぁ〜…」「ちょっと…愛が止まらないなぁ」の言い方。裏切られたのもある上で、コイツこの感じでこういうのが好きなんだとか、淡々とした言い方が逆に全部を引き立てていてめちゃくちゃ興奮した。好きなのかよ!ってなんか嬉しかったし。

2回目の「…ほんま来てくれたんやぁ」「よっしゃァァァ!!」のとこ。テンション上がるよね。一緒によっしゃー!って思っちゃうもんね。想像の時は落ち着いてたけど現実は流石に大声出ちゃうね。だぁいすきだァ〜〜!!

それから、女の人の格好がすごく不思議だなと思った。つばの広い帽子にレースの白ワンピ、サラサラ黒髪ぱっつんロング。完全にお淑やかなイメージのフリなんだけど、あのベラベラ喋るキャラだと判明したら、その格好がそれはそれでしっくりきてしまう。何だかんだで良い姐さんなんだろうな。21歳だけど。何かそう思うとかわいいな。まだ全部が完成しきってないんだね。若さゆえのアンバランス。でも佐藤くんは14個下とか関係なく大好きなんだよねきっと。…あれ?でも21歳も佐藤の妄想なのか。あの感じで意外と14も下なのが良いのか?どうなんだ?佐藤くん。橘マリさん、実際何歳だったんだろう。でも21歳かな。21歳って言われて大喜びで驚くのかな。バクッチングアプリ大当たりだね。

翻しては馴染ませて、裏切られるけど置いてかれはしなかった。ほんとどうなってるんだろう。楽しかったな。


うるとらブギーズ『迷子センター』

いい大人2人が何やってんだよ、っていううるブギ特有の大好きなネタが見られました。嬉しいです。

最初正直お父さんが早口過ぎてちょっと「おっ?」ってなったけど焦る姿とでけぇ眼鏡とグレーのポロシャツ(ズボンにイン)で全部含めてリアルだなぁとなった。息子いなくて焦ってるんだ。めっちゃ真面目そうで理屈っぽそうなのに休日は息子とお出かけするくらい子供大好きなパパなんだ。という。からのてぃびしでした。後半は私の大好きなヘラヘラゾーンに入って最高だった。ちゃんと仕事してる人間たちが何故か学生みたいなノリと距離感になってしまう、っていう、その雰囲気が無理矢理過ぎずにスッと入ってくるのが本当に好きだし凄い。

好きなところ。

パパがてぃびしの説明で言った「TOYOTAの"Y"が黄色かもしれない!」っていう台詞。1回目は多分聞き逃してて、2回目で気付いて笑った。そんなにYばっかり黄色じゃないよ。

八木の笑いをこらえた必死のアナウンス。声の出し方凄い。表情が分かりやすく笑いこらえてるわけでもないし、「ぐふっ」とか鼻鳴らしたり空気漏らしたりする音とかも無い。本気で笑いを抑えて無理に落ち着かせながら喋ってる声。店内の客は何も知らずにあれを聞いてると思うとたまらない。

オチの「おそろいっ!?」の言い方。これはなんか普通にかわいいから好き。あの親子のかわいい感じとか、八木もちょっと嬉しそうな感じとか、てぃびしも見つかってるし全部ほっこりで収まるオチだなって。パパの説明だけでてぃびしを想像していたところに、Hey Yo!!Tシャツの答えが出てくるのも好き。私は説明聞いただけだと胸元に1行で「Hey Yo!!」って書かれてるのかと思ってたけど、2行にわたってたか~。

てぃびしを中心に振り回されちゃう大人たち。でも肝心のてぃびしはその場にはいないから、情報を元にそれぞれのてぃびしを描くしかない。見てる人に自分から想像させるというか、想像せざるを得ない存在がいることでちょっと親近感が湧いて他人事と思えなくなる。で、最後見つかって良かったね、今度の休日はお揃いで遊ぶのかな、って入り込んだ分だけよりほっこりできる、良い意味で力の抜けた話だなと思った。ほんとこのへなへな~っとなる感覚のネタ上手すぎるから、もっと見たいな。


ニッポンの社長『バッティングセンター』

いやこれとんでもないコントですよね本当に。ストーリー性や人情味が色濃く出てるコントが多く並んでいただけに、ここは改めて見ても異質な時間、空間だった。

感想も何も、まず説明ができないもん。じゃあ何故面白かったの?何が面白かったの?でも、他のコントからの流れのまま変わらず笑っていたし、客席の盛り上がりも同じように感じられた。決勝後、色んな人がニッ社について書いているのを見て、うぅ~~ん…と唸った。彼らをどれだけ知っていてどこまで理解が進んでいるか、それによって全然違う見え方になる気がする。まぁ私全然知らないんですけど、でも面白かった…。

好きなところ。

おじさんの服と帽子の色合い。あのおじさん以外誰も着こなせないなという絶妙なピンク…赤?みたいな。服と帽子の色をちゃんと合わせてるのがツボ。合わせたのかたまたま似た色だったのか。くたびれ加減も素晴らしい。どうやって見つけたんだろう。

ボール当たるところ。というか多分これが全てなんだけど。実際にボールに当たらない限りできないはずの動きが上手すぎて上手すぎて。しかも色んなとこに当たってるのに全部確実に「当たってる」のが面白過ぎる。

他にも気になるところは色々ある。いきなり明転にせずに、暗いままボールが出てくる音と打つ音から始まって徐々に明転にしたのは何でだろうとか、バッターボックスが3つ並んでて最後おじさんがわざわざ上手側のやつに移動したのは何でだろうとか、まぁそんなこと言い出したらおじさんがカード切ってまで無反応でボールに当たり続けるのは何でだろうって話なんだけど、とにかく「どうして?」が大量にあった。求めるつもりもないが、全てに細かい理由があるのかもしれないし、理由もクソもないかもしれない。それが魅力的だ。根拠のないものを見せてもらえるなんてコントでしか叶わないかもしれないし。

ニッポンの社長について、前に「追いかけたくなる」って書いたけどそういう所なのかなぁ。


そいつどいつ『パック』

面白くて笑っちゃうのと、カップルのイチャイチャ感で笑っちゃうのと、怖さで笑っちゃうので色んな笑い方した。

私が見たことあるなかでも圧倒的にカップルの設定が多いから、それが得意なのだろうか。確かに市川の女の子っぽい言い回しも、松本のちょっとイキったようなだれた喋り方もクセになる。わざとらしくないけど分かりやすい、カップルの演技の上手さがずっと根底にあった。彼女が考える仕掛けが楽しかったな。

好きなところ。

彼女のパックをしたままの喋り方。本当にただあれを顔に乗せてるからそうなってるだけなのかもしれないけど、パックしてる時の口を充分に動かせないから若干おちょぼ口っぽく喋る感じがリアルだった。あの喋り方が彼女の可愛らしさを増幅させてた。

彼女が壁からにゅる~っと出てきた時の彼氏の「怖いよ?怖いよお前?」の言い方。全編通してではあるが、彼氏の口調がずーっと彼女に対しての言い方だった。彼女が好きでかわいいんだなぁ、が伝わってくる喋り方。それが特に出てるのがこの言葉言ってる時だった。

「"いー"の顔はこわ」って台詞。膝枕のくだりで「かわい」からのこれ。「は」ってことはやっぱずっとかわいいんだね、って。

松本竹馬があのネタをやった理由として「松本(人志)さんが、恐怖と笑いは紙一重って言ってたんで」と言っていたのを聞いて納得した。やっぱりハラハラすると面白いし笑いも多くなる。この前野田クリスタルも「ホラー映画って"次はどこに出てくるでしょう大喜利"だもんね」みたいなことを言ってたし、怖さはいつ笑いに転んでもおかしくないんだ、と思った。

最後「めっちゃ上手くいった」の彼女見ると健気でかわいいなとなる。膝枕のくだりもあるし、同棲してもう慣れてしまった空間の中でもまだまだ彼氏に「いつでも甘え」たかったのかな。そう思うと怖がらせてる間の彼女の行動もかわいく見えてくる。笑いと恐怖の繋がりもあるけど、吊り橋効果みたいに恐怖とイチャイチャも繋がってた。


ニューヨーク『ウェディングプラン』

見れば見るほど面白くなる。生放送で見てた時は客席からの笑い声にも引っ張られるから凄く笑えたって感じになれなかったんだけど、やっぱり後から見返してるとめちゃくちゃ面白くて、屋敷も嶋佐も最高だった。

屋敷がイラついていくところがたまらなく好き。だって一生に一度の結婚式だよ。まじでアイツのことぶち殺したくなると思う。結構そういう大事な時に限って何かミスってたりとか上手く連携取れてなかったりとかってリアルにあるから、そのイライラにはかなり共感できるし。でもはたから見るとなるとそれが笑いごとになっちゃうんだよな。可哀想だけどクソ面白い。いつもニューヨークのネタは笑った人を共犯者にする仕組みになってんなぁ。好きだな。

嶋佐のキャラクターも面白過ぎる。「オッケーです」って全然オッケーじゃないのにもう口癖になっちゃってる人。で、最初は仕事できないくせしてやたらと仕切りたがる「できてるフリ」だけ上手い厄介な奴、だと思って笑ってたら、ギャンブルで流れが変わるのも大好き。「オッケーです」の感覚が変わってくる感じ最高。ああ全部ヤケクソでもう何がどうなってももうどうでもいい人なんだ…誰の結婚式がぶち壊しになろうときっと明日もあの感じで仕事来るんだ…という。あとテープで一重にしてる感じ、鬼越坂井の言ってることも確かにと思ったけど、あれはあれで怖くて結構良かった。

好きなところ。

「こいつギャンブルしすぎてぶち壊れた人間やったんかい」の言い方。「かい!!」って怒るんじゃなくて呆れとかやばすぎて引いてる感じとか色んな感情が混ざってて面白過ぎる。「ギャンブルしすぎてぶち壊れた人間」って全部はっきり言ってるのもめっちゃ笑う。

ラストの全部無茶苦茶にするとこ。できる限り全部の要素を壊そうと具体的にやってる感じが好き。でも、1つだけ悲しい箇所があります。カメラワーク。テーブルと柱が崩れるところが映ってなくて、絶対見たかったやつじゃん!って怒っちゃいました。まじで、まじで審査員の顔よりネタを優先してください。でも人間誰にでもミスはあるので仕方ないです。ギャンブルしすぎてぶち壊れた人間じゃなければ。

オチの「オッケーです」。全てを破壊してからスマホを見て、あの笑顔で「オッケーです」。ずっと言い続けてたその言葉で、最後200万溶けたんだ、また一段階ぶち壊れたんだって察するようにさせられてたの凄い。

あと漫才師みたいな登場とかBTSのくだりとか、自分たちのよく知ってるものを入れてるのがふふってなった。最後のドリルも前年のネタで出てきたアイテムだったし。それはたまたまかな。笑

結果としては最下位で悔しそうな感じも見受けられたけど、ニューヨークはどの順位になってもその後面白く出てくるから楽しみです。ニューラジオの「ベロ出して結果変わるわけないやろ」みたいなとこ超笑った。


ザ・マミィ『この気もちはなんだろう』

広い都会の中での運命的な出会い。ああいうおじさんに話しかけたらこうなるんだ、っていう誰も見たことのない展開を見られて面白かった。リアルにTwitterとかで呟かれてバズりそうな話だなと思った。皆こういうのが大好きなんだねきっと。

おじさんのキャラは酒井の不思議な愛嬌が存分に活かされてるし、まじで1車両に1人はいる風貌の青年が段々やばく見えてくるのも良い。でもなんか嫌なんだよなあの青年。何が目的なんだろうって怖くなる。おじさんよりも後半あの男のが怖かった。最後の「僕ね、おじさんのこと大好きだよ」とか超怖いもん。え、本当に?って思うもん。おじさん騙されちゃダメだよ。すんません、これはまじで本編とは関係なく私が勝手に思ってるだけです。でもなんか胡散臭いんだよなぁ。あの感じでクラブ行こうとしてたし。

好きなところ。

「まだわずかに自我が残ってた」おじさん。青年の呼びかけがおじさんのわずかに残った自我を再び目覚めさせてるのが完全バケモノと一緒の扱いで面白い。自我失ってるって自覚してて笑う。

胸に手を当てて「ここに、何かある」という台詞。おじさんが人間の心を取り戻す感動的な瞬間。本当に心を失っていないと言えない言葉である。

「この気もちはなんだろう~」って歌始まるところ。歌い出すとは!っていう笑いと、この曲小中高で割とよく聞いた合唱曲だからそのイメージもあって面白かった。やっぱり世代が近くなるとお笑いもより楽しめるなぁと。

都会のごみごみした感じを想像しながら見られて楽しかったです。酒井が2本指で自分のことを指すからそこがそういうおじさんっぽくて笑ったんだけど、次の社長の役でも自分のこと2本指で指してた。単純に酒井がそういうおじさんなだけだった。


空気階段『火事』

決勝の舞台で緊張感のある設定のコントっていうのがもう大好き。インパクトもあるし、見た目の面白さもあるし、展開も台詞もどれもこれも全部面白い。五角形のグラフがあったら大きな正五角形になる、ってこういうことなんだろうな。

超馬鹿馬鹿しくて笑えるんだけど言っても火事で人命かかってて、でもだからこそ余計に可笑しい。SMクラブで火事ってだけでやばいのに更に消防士と警察官って。でも、でもそうだよね。ありえない話ではないもんね全然。消防士だから警察だからじゃなくて、Mだから熱さに強いとか、Mとしての誇りを感じて笑ってしまった。やけに凛々しかった。

好きなところ。

ていうかもう、全部好きです。空気階段の優勝狙ったネタなんだからそりゃそうなんだけど。でも強いて言うならあれかな、パンスト引っ張るとこかな。律儀に理由付けてパンスト引っ張ってるのめっちゃ好き。やっぱ被ってるなら引っ張らないとね、ってことなのか。

バナナマン設楽も言ってたけど2人とも縛られた状態でネタやるの本当に凄い。最初なんて片方パンストで片方アイマスクだし。自由が利かない状態のまま、ってのがハラハラするけどそれがまた面白い緊張感になってるんだろうな。2本目のセグウェイもそう。

あと、2人ともあの格好で点数発表されて歴代最高得点出した時カッコよすぎて震えた。なんか、誰よりも無様な格好で、誰よりも高得点取ってさ。


マヂカルラブリー『こっくりさん』

マヂラブらしい二次元っぽい感じのネタ。重苦しいはずの状況を軽くぽんぽん行く感じがらしくて良かった。賞レースだけどタイムマシーン3号みたいな謎の安心感があった。

最初の方の学生の友達っぽいやり取りが地味に好き。「そういうの全然怖くねーし」とか言ってたんだろうな。度胸試しにもほどがあるだろ、なシチュエーションからの、「やりすぎた!」でとんでもないことになってく展開が流石。そして松本が言ったように途中から相方が10円玉(っていうか人差し指?)になるのが面白かった。こっくりさんに強めにいく村上好き。野田の動きが凄すぎ。

好きなところ。

村上の「そうだよ?」「いないよ?」「いいよ?」の言い方。煽られて強がっちゃう言い方めっちゃ学生で面白い。からの「明日も学校だし」「俺もだし」「なんか眠いし」「俺もだよ」がガキっぽくて最高に好き。

同じ流れで「村上の好きな人誰ですか?」も好き。それどうしても聞きたかったの学生の友達すぎる。

「殺す気は無かった」のくだりでテンパる人差し指。急激にこっくりさんがチープで可愛らしく見えてくる。村上の言うこと聞いて一生懸命考えるし。それにしても体は死んでて人差し指だけこっくりさんの動きする野田、本当に凄い。

その後、村上とこっくりさん(外見は野田)の奇妙な日常が始まるんですかね。そうなってくるといよいよ漫画ですね。


男性ブランコ『袋』

この決勝大会で唯一、私が明確に見たことある!って分かったネタ。多分その時は尺的にもっと短いバージョンだったと思うけど。

レジ袋有料の世の中になったからこそ起きた出来事。お菓子の袋を大量に抱えている感じが思わず助けたくなる愛嬌を醸し出している。「落とす予定じゃないところでも落とすんじゃないかとヒヤヒヤする」みたいなことを聞いて、言われてみれば確かに、とは思ったけど見てる時は全く気付かなかった。買い過ぎてるけどギリ持てるかなぁ…ぐらいのリアルなレベルの量なのが良い。レジで頑張ればイケる、と判断させてしまったリアルな量。

好きなところ。

「図らずもスクワットをさせてしまって…」のところ。図らずもスクワットをさせてて好き。

「あなたもしかして、僕がケチったレジ袋ですか?」という台詞。鶴の恩返し的に、レジ袋を使わない=良いこと、っていう考えが根底に無いとできない発想。ケチったとは言っているものの良いことをしている気持ちがどこかにあるからそこまで後悔しているようにも見えないのだろうか。

「生涯唯一、友達認定の判を押した森くん」って言い方。この人腰の低いような態度取ってるかと思いきや要所要所で上から目線なところが窺える。友達がいないのは最終的に自分が判を押さなかったからだ。わかる、その気持ちがわかる。勝手に想像して勝手に共感している。こっちにだってこだわりはある。でも一度押した判は忘れてないのね。

残金3円のくだり。それでレジ袋買えたとか、何も守れない砦とか、大の袋は5円だとか、お財布に3円しか入ってないだけで色々広がるのが好き。

たまごボーロみたいなやさしい空気感が終始流れていて好きです。なんだかんだ助け続けて助けられ続ける2人。それで無事に家まで帰れたのかな?


ザ・マミィ『社長と部下』

社長と部下のわちゃわちゃっとした感じでにこにこ。緩急が~みたいな分かりきった話はしたくないけど、もっとボンキュッボンだったらもっと好きだった。

酒井を偉い立場に置いている設定が結構好きなのだが、こないだラジオでどうやら実家が太いらしいという話を聞いて納得した。どことなくお坊ちゃま感があるのだ。私はどちらかというと1本目より2本目の役の方が酒井に似合っていると感じた。不思議。岡野陽一だとこうはいかない。競馬新聞にパチンコ玉を包んだり、寿司屋で足をコンクリート固めにされたりしてる時が一番輝いてしまうから。

好きなところ。

一発目の「ドラマ~」の言い方。なんかイカれた赤ちゃんみたい。ここだけ目が虚ろ。やばい。

それくらい。後は2人の空気感?戦う関係にあるけどお互い大好きなドラマのノリやってる時だけは休戦っていう心意気が好き。それとこれとは別っていうのが。会う度に線引きを行き来しててほしい。


空気階段『雨宿り』

ナイツ塙が100点つけてましたね。それを見て、生放送で見てる時は優勝がかかっているという緊張感であまり入り込めていなかったなと思いました。あとで見直したらめちゃくちゃ楽しめた。空気階段のコントはこう、設定に元々高揚感があるものが多い気がする。冒頭からワクワクできる。

雨宿りで適当に入っただけのカフェで色々驚かされてるのがもう最高だし、店員もこだわり強いけどちゃんとビジネスとして成立させようとする動きを見せるのが良い。とにかく楽しそう。

好きなところ。

店員の滑舌。もぐらはコントでもラジオでもとにかく色んな喋り方をするんだけど、このコントだと滑舌の悪いちょっと詰まった感じの喋り方をしていて、それがもごもごしてて必死感も煽るから面白くて好きだった。

照明。コンセプトカフェらしく雰囲気出すために特殊な感じにしてるのが好き。個人的にUSJのスヌーピーランドの雰囲気がめっちゃ好きなんだけど、それみたいだったから刺さった。なんなら行きたい。ちょっと空気がひんやりしてそう。

1000円→100ガロン→1兆コロニーのくだりまるまる全部。もう面白過ぎる。設定を頑なに守って譲らない感じが完全に小学5年生のまま。それなのにあっさり1兆コロニー渡しちゃったの最悪のミスすぎる。「返してください…円からコロニーにはならないんです…!!」「なったじゃん!!」が本当に好き。

「豆にはこだわっております」って台詞。やるなら徹底的にやるタイプなんだろうなって。だからコンセプトカフェ開いたんだろうし。だから自分がメガトンパンチマンじゃないんだろうし。

メガトンパンチマンの登場シーン。曲もサイズ感もかわいい。デビルキック伯爵のことメガトンパンチマンだと思ってたから余計にかわいい。ぱんち!ぱんち!

最後はメガトンパンチマン倒して終わってるけど、本当は全部見たいぐらい。会計して店出るとこまで全部気になる。USJに出来ないかなぁ。そしたら行くのに。メニュー表だって見たい。



以上です。ちょっと書き過ぎてます。異常に書き過ぎた。本当はもっと早く公開したかったし。でも途中で妥協もできず…。また好き好き言ってるだけの話になったけどまぁいいよね。だって好きだし。

賞レースのネタの感想を一つずつこんなにしっかりと文字にしたのは初めてだけど、やっぱりやり出すと終わらないなと思った。だから今までやる気起きなかったんだけど。過去最高とも噂される年だったし、そこに通った脳内を書けて良かったか。多分。

いつか未来の自分が「いいね」ってラリー返してくれたら嬉しい。とりあえず今はまだ、もうちょっとKOC2021の余韻に浸っておこう。

このあとM-1が盛り上がって2021年が終わっていくと思うけど、引き続きKOCもよろしくね、世の中。

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