見出し画像

VR技術者認定試験を受けた話

VR技術者認定試験とは

VR技術者認定試験は日本バーチャルリアリティ学会が主催する試験で、セオリコースとアプリケーションコースの2種類があります。
どちらのコースもバーチャルリアリティ学が教科書指定されていて、セオリーコースは教科書の1~4章+最近の事例、アプリケーションコースでは5~8章+最近の事例が試験範囲となっています。
セオリーコースは脳神経科学やVRそのものの説明など、基礎的な内容が、アプリケーションコースは具体的な事例や心理学などの応用的な話が含まれています。
公式ではVR技術者認定試験が以下のように説明されていました。へぇ

いまや人間の創造的な活動にとってVRは必要不可欠なものになろうとしています.しかし,現在,この「バーチャルリアリティ学」を系統的に学ぶ場がほとんど存在しません.それが,当学会がVRを習得するための講習会を催し,また,VRを正確に習得したことを証する「VR技術者」を認定している所以なのです.技術が高度になればなるほど,また人間や社会との関係が増せば増すほど,技術を正しく理解することが肝要となります.この講習を受講し,この試験に合格することで,皆さんが社会の様々な創造的分野をリードしてゆく「VR技術者」として,世界の大舞台で活躍されることを期待しています.

また、VRエンジニアのなかじさんも試験について説明している動画を出していました。

例年夏にセオリーコースが、冬にアプリケーションコースが開催されています。今回私が受けたのは後者です。
2つのコースに受かると、上級VR技術者という称号がもらえます。正直この試験を受けたり理由はこの称号がかっこいいと思ったからです。しかし以前までは上級VR技術者の賞状が発行されていたらしいのですが、最近は発行されないみたいです。えーん
コロナ禍以前は東京と大阪の2会場で開催されていたらしいですが、ここ2年はwebでの開催になっています。どこからでも受けられるようになったのはいいですね。

試験の流れと難易度(web開催について)

・試験前
試験の大体3か月前くらいにPeatixで募集がかかります。web開催では申込者数に上限が設けられるので注意してください。私はバタバタしていたので無事に申し込み枠が埋まりセオリーコースを受けられませんでした。受験料は以下のようになっています。

画像1

学生のうちに申し込むのがおすすめです。また研究室に所属している人はお金を工面してもらえる可能性があるので先生に相談してみてください。(ちなみに弊研はOKでした)
講習会(詳しくは後述)を申し込んだ人は講習会を試験の1か月位前に受けます。
また、web開催の際は自分のpcで試験を受けるのですが、少々システムが複雑なので必ず前日までに環境チェックと注意事項を熟読しましょう。

・試験日
朝早いので寝坊しないよう気を付けましょう。
試験時間になったら、カンニング防止のためにカメラ付きのpcを用意して自分の顔を映しながら回答します。悪いことはしていなくても謎の緊張感がありました。
試験時間は60分間で、全問選択式の問題を65問解きます。
時間内に終わったら途中で提出して、ブラウザから退出することもできます。15分程度で解き終わる人もいるようです。私は時間をほぼフルに使いました。

・試験後
対面開催では試験問題が手元に残るので自己採点ができたのですが、web開催だと過去問が挙げられるまで試験問題が再度見られません。
合格者は試験後1か月位で賞状が届くらしいです。

・難易度
合格点は毎回変動するのですが、大体6割前後です。
合格率は毎回大体8割くらいで、そこまで難しい試験ではありません。
しかし、この試験を受けるのがほぼ業界の人なのでその辺のバイアスはあります。
試験に数学の定理の名前は出ることがありますが、数式やプログラムそのものは出てこないので、文系でも合格することは難しくないと思います。
更に、「バーチャルリアリティ」の授業をとった人はシラバスとセオリーコースの範囲が丸被りしているので難なく受かると思います。
私はバーチャルリアリティを受けた後にノー勉で過去問を解いてみたら7割くらい取れました。

勉強法

VRなんもわからん!って方は講習会を受講するのがおすすめです。教科書(2011年出版)では取り上げられていない最近の事例なんかも教えてくれます。分野の最前線にいる研究者や企業の方の講習が受けられるので、例え試験を受けなくとも講習会に参加してみてもいいかもしれません。
講習会を受けなくても、受験する人は講習会資料をもらえます。
ちなみに私は受験しなかったセオリーコースの講習会は受けて、受験したアプリケーションコースの講習会は受けませんでした(なんで)
次に指定教科書を読みましょう。大学の先生が中心になって書いただけあって読みこなすのが非常に難しいです。
一回で読みこなすのはほぼ無理なので、何回か読んだり、わからない単語を調べながら読むのがおすすめです。
教科書なんか持ってねえ/買いたくねえという方はこちらの記事がおすすめです。教科書の要約に加え、具体的な事例や製品を交えて解説してくれています。
最後に過去問を解きましょう。なんとVR技術者認定試験は過去問ゲーなので半分以上過去問からそのまま出題されます。合格率が高い要因は多分ここです。私は2回分しか解いていませんが、過去問を解きまくれば本番で8,9割は堅いと思います。

最後に

ここまでつらつらとVR技術者認定試験について書いてきました。
正直就活などで使えるかというと、ほとんどの人が知らない試験である上に合格するのが難しくはないので、アピールにはならないと思います。しかしほとんどの人が知らない故に話のネタくらいにはなるかなあと思います。
何か質問や間違い等あればコメントやDM等でお知らせください。

さあ、お前も上級VR技術者にならないか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?