見出し画像

フウちゃんの冒険3

そんな事は知らないオジサンはフウちゃんを抱き抱え待合室のソファーで待っていました
しかし決まりもあるので病院のケージを貸してもらい、フウちゃんをそこにいれました
そしてフウちゃんの番、先生は変な顔をしてオジサンに聞きました
「どうされました?」オジサンは事情を話ました、一昨日、雨の中で保護した事情を
先生はそれでも余りにフウちゃんが大人しくなついているので疑っています
後でわかった事ですが偽名を使い、飼っている動物を入院させ、引き取りに来ない悪い人がいる事を
そんな事でオジサンは誰の紹介かとかいろいろ聞かれ、最後にフウちゃんを飼うつもりなのかと聞きました
正直、オジサンは困っていました、家には五才になるシマリスのポポがいるし、今晩はオジサンの実家にいる、ボーダーコリーのラッキーがオジサンの家に来るのを楽しみにしている日なのです
オジサンは正直に答ました
「まずは飼い主をいろいろな方法で捜してみます」
すると先生はいいました「もしこの猫を本気で飼うのなら、完全に治療しましょう、でもそうでないなら、情が移る前にリリースした方がいい」
この事は何も冷たい事ではなく本当でした
迷い猫ならともかく、捨てられた、それも子猫ではなく体はもう大人並では貰い手もなかなか現れないらしいと
最低限の治療をして貰いオジサンは何か釈然とせず、一方ではペットとブームとか言って可愛がられている動物がいる反面、餌も治療も与えられず死んで行く命
人間のわがままで増やし改良され殺される命
悔しく悲しく涙が溢れて来ました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?