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1周年とアニバーサリーブレンド

12月22日でLAGOM COFFEE ROASTERYは1周年を迎えます。
昨年12月にひっそりとオープンしたこの小さなコーヒーショップが1周年を迎えられるのも、日頃よりご来店くださるお客様方、関係先取引先の皆様、コーヒー業界を含めた多くの先輩方や仲間たちのおかげです。
本当に、本当にありがとうございます。

1周年の感謝の言葉や想いはまた改めて綴るとして、当店では、1周年を記念して12月限定でアニバーサリーブレンドを販売しています。
クリスマス直前にオープンした当店ですので、このアニバーサリーブレンドは当店におけるクリスマスブレンド的な位置付けでもあります。
「アニバーサリー」という言葉自体は記念日を意味しますが、クリスマスや年末年始の人々が集う「特別な日」も含めて広く記念すべき日に寄り添うコーヒーとしてご用意しました。

普段は深煎りのしっかりとしたコーヒーを飲まれる方も、浅煎りの華やかなコーヒーを飲まれる方も、どちらの方にも楽しんでいただけるよう、アニバーサリーブレンドは、華やかさと香ばしいコーヒーらしさの共存する中深煎りです。

コーヒーらしい香ばしさ、ダークチェリーのような落ち着いた果実味と甘さ、そしてどこか洋酒のような印象も感じさせる芳醇で華やかな余韻が広がります。
淹れたての温かい時はよりコーヒーらしい香ばしさやしっかりとした印象、温度が下がってくるにつれて果実味や華やかさの輪郭がよりハッキリとしていくブレンドです。

さて、Instagramから飛んできていただいた方は、Instagramでのアニバーサリーブレンドの投稿をお読みいただいたかもしれませんが、当店では、今回のアニバーサリーブレンドの販売にあたり、アニバーサリーブレンドのコーヒー豆(粉)とドリップバッグセットの販売利益の一部をユニセフを通じて「アフリカ栄養危機緊急募金」に寄付いたします。

今回の寄付先である「アフリカ栄養危機緊急募金」では、コーヒー生産国としても有名な「エチオピア」「ケニア」をはじめ、「ソマリア」「マダガスカル」を含めたアフリカ各地の栄養不良や感染症により命の危機にさらされている子供達の治療や支援に寄付金が役立てられます。
詳細はぜひ下記ユニセフのページからご確認いただけましたら幸いです。

アフリカ栄養危機緊急募金 | 日本ユニセフ協会 (unicef.or.jp)


Instagramでは上記の概要のご紹介まででしたが、noteでは今回の寄付の背景など少しだけ綴りたいと思います。


今回の寄付に至った背景としては、コーヒー生産国の現在置かれている状況と未来のコーヒー生産、そしてその中でコーヒーショップとしてどう在りたいかということを考える中で、周年という節目で、コーヒーショップとして、今後もコーヒー生産国と共に豊かであり続けるために、何か出来ればと思ったところから始まりました。

コーヒー生産国の現在置かれている状況という部分では、まさに今回の寄付先であるアフリカの国々のように栄養不良や感染症など健康状態や衛生面で厳しい状況に置かれている国、紛争など治安面での厳しい状況に置かれている国、干ばつや豪雨などの自然環境の影響により厳しい状況に置かれている国など、今日明日の生活が危機に瀕している国も決して少なくありません。

そこに加えて、コーヒー生産の未来という部分では、「2050年問題」と呼ばれる問題に直面しています。
「2050年問題」というのは、気候変動の影響により、2050年までにコーヒーの栽培に適した土地が大幅に減少し、気温や湿度の上昇に伴い「さび病」というコーヒーの木にとって深刻な病気が発生しやすくなることで、コーヒーの収穫量の低下や品質低下にも繋がると言われている問題です。
単純に農作物としてのコーヒーということだけを考えても、2050年問題が示す気候変動や病気の影響による不作、紛争や近代化を原因とした働き手不足などが原因となり、コーヒー豆の生産が容易ではなくなってきています。
生産者の中でも、もっと気候に左右されにくく、大量生産ができ、安定した収入を得られる作物に切り替える人が現実に出てきており、そして今後も増えていく可能性も否めません。

アフリカの国々を筆頭に、社会全体として抱える、栄養不良や感染症、紛争、自然現象などの問題。
そして、コーヒー生産者が直面する2050年問題。
この現状そのまま、もしくはより厳しい状況で10年、20年という時を経た時、コーヒー生産に携わり続けている人がどれだけいるのか、携わる人々が安定した生活を送り、高いモチベーションでコーヒー生産に向き合える状況なのか。
そして、このままコーヒー生産の規模が落ちていった時に、コーヒー自体の入手が難しくなる、高値になる、などコーヒーが日常の飲み物でなくなるかもしれない、そう遠くない未来。

そんなコーヒー生産国の現状や未来を踏まえてコーヒーショップとしての在り方を考えた時、10年後、20年後、もっと先の未来が、コーヒー生産国もコーヒー消費国も、共に豊かであり続けるため、何かしたい、そしてこれからも考え続け、動き続けていきたい、というところから今回の寄付に至りました。
まだまだ無名な当店が出来ることは小さいのですが、それでも生産国と店主自身を含めたコーヒーを嗜む人々の豊かな未来に繋がると信じて。

ようやく1年を迎えられた、まだまだ小さなコーヒーショップですが、コーヒー生産国の生活が安定し、生産に携わる人々が高いモチベーションでコーヒー生産に向き合い続けることができ、そうして作られた質の高いコーヒー豆を受け取り、コーヒーショップとして美味しいコーヒーとしてお客様へ届けることができる。そんな風にコーヒー生産国の人々も、コーヒーショップの人々も、コーヒーを飲んでくださるお客様も、同じコーヒーを介してみんなが共に豊かであり続けられるよう、精進していきたいと思います。

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