姉ちゃんの話

忘れもしない2015年6月30日。いつものように自転車で職場に出社し、自転車ウェアからYシャツに着替える前に何気なくケータイを取り出して見た僕。

その瞬間、とてつもなく嫌な予感がしたのです。

携帯には、通勤時間帯、そして仕事に入る時間帯と当然知っているはずの母からの着信が表示されていました。しかも、何回も。

この時点で、良いか悪いかはともかくものすごく重大な何かが起こったであろうことは明白でした。

母方の祖母の体調不良が僕にも伝わっていたので、これは祖母がお亡くなりになったのかな………と思いつつ母に電話をかけると、あら意外。お亡くなりになったのは姉だったという衝撃の展開。

着替えをやめて自転車ウェアのまま既に出社していた上司へ報告。妻にも電話して職場から家に帰るようにお願い。自分も帰宅。

合間に母に電話して、今から車で移動すること、何か買っていく方が良いものはあるかなど聞きつつ、そのまま葬儀場に行っても大丈夫なように身支度を整え、妻の帰宅を待ちました。

妻が帰ってきたら身支度させて実家へ移動(姉ちゃんは実家で親と同居中でした)。

実家に着いたら父母から状況を聞いて、姉ちゃんはもう『キレイになってる』と知ったけど死に顔を見に行く勇気がどうしても出ず。結果的に葬儀屋への連絡をしたりとか、医師のところへ死亡診断書を取りに行ったりとか、それを警察へ出しに行ったりとか、逃避的に事務処理係をやっていました。

印象的だったのは、葬儀屋さんや警察の方がみんなとても優しい態度をしてくれたこと。向こうにしてみれば、こっちは重大な不幸の真っただ中なんだから当たり前なのかもしれないですけど、そんな些細なことにものすごく心がホっとしたことを覚えています。

その後、葬儀自体は無事に済みまして、後日。

姉ちゃんの遺品の一つであるiPhoneを形見分けにもらえないかと彼氏その2さんの申し出があり、あげてもいいけどどうしようと母から僕に相談がありました。

まずは中身の確認からではないかと、とりあえず端末を借りて、聞いていたパスコードを入力。そうしたらホーム画面にはめちゃくちゃ大量の通知表示。そう、主にtwitterのでした。

姉ちゃんがtwitterやってたのは知ってたけど、その時点でのアカウントまでは知らなくて(見ない方がいいだろうなと思っていたので)、初めて見てみたんですね。

最後の呟きは………5年経過した今でもハッキリ覚えていますが

「首吊りチャレンジしてみます」

あーそっかあ、チャレンジして『上手くいっちゃった』んだなと。

そしてその呟きに寄席られていた大量の「やめて!」とか「話なら聞くよ!」とかいう有象無象のクソの役にも立たない奴らのリプライに僕は素でブチ切れて思わず端末投げたんですけど、それはまあ八つ当たりだったでしょう。

そういう経験があるから、ネット上の自称なんちゃってメンがヘラってる人が僕は大嫌いなんですが、まあそれはともかく。

姉ちゃんと、まだまだ話したいことが色々あったなあと、ただそれだけが哀しい。

5年経過して比較的落ち着いた状態で、心からの哀悼を込めて。

弟より。

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