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ばーちゃんに恋人について話したら。

30代で独身。
二言目に「結婚は?」と祖父母に聞かれることも多いかもしれない。
しかし、うちは全く聞かれることがない。

ばーちゃんにとって私は初孫で、とても愛情深く育ててくれた。私に幸せな未来が訪れるように祈ってくれているし、結婚できるかどうか心配で仕方ないはずだ。それでも、結婚について聞くことはない。プレッシャーをかけることはない。

ばーちゃんは賢い人だ。生きてきた分、色々な人の話を聞いているし、最新のニュースも世相も理解している。そんなばーちゃんにとって、分からないらしい。
この色々と変化も多く、若い家族に厳しい時代に、結婚が孫にとって本当に幸せへの道なのかどうか。今時の男が考えてることが分からないから、その男と結婚したほうがいいのかどうかなんて、言えっこないと。

ばーちゃんは、じーちゃんという一人の男に寄り添い尽くす人生だった。孫の私から見ても、よそ様から見ても素晴らしい寄り添い方だったけれども、どうやらばーちゃんにも隣の庭は青くみえるらしく、尽くすだけで、自分が主役になれなかった人生に悔いがあるらしい。

時代は変われど、結婚すれば夫婦はどちらかがどちらかに合わせていく。その過程で、私が主役を降りる姿を見たくない思いもあるのかもしれない。

そんなばーちゃんに、今まで何度か彼氏の存在を伝えたことはある。あまりに聞かれないから、こっちから話して安心させたい思いもあった。今回もそんな流れで、今の彼のことを話していた。

平成も終わると言うのに、自分はやはり、昭和の人間なんだなぁと思うのが、やはり結婚は家と家、地域と地域の融合あってのものだと考えているところ。このご時世に?!と驚かれるかもしれないが、やはりそれは価値観だから変えようにない。

家と家、まではよく聞く話だが、地域と地域って。自分で言っても、そんなことまで気にしているのかと思うとクラクラする。

でも、考えてみれば、以前に真剣に結婚を考えた人も、今回の彼も、彼らが本気でその街にビジネスで貢献したいと思えば出来る人たちだ。もし結婚したとして、お互いの地元に貢献できるような仕事が出来たら、それは幸せだなことだなぁっていうのは容易に想像できる。恥ずかしいけれど、彼がばーちゃんの街で活躍する姿を思い浮かべたら、頬が緩むのをとめられなかった。しかしその瞬間、あまりうまくいっていない二人の関係に頭が痛くなった。

「縁があればうまくいくし、なければ、そこまでだから。焦らずやんなさいよ。」と。せっかちな私をなだめるように、ばーちゃんはゆっくりとした口調で私を諭していた。


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