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両神山(2021.10.2)
土日どちらかは都内近郊で予定が入ってしまった時にも行ける山として取っておいた両神山。
翌日は結婚式に出席する予定の土曜日、ついに行く日がきた。
4時起きして5時前に出発。電車では幾度となく行ったことがある秩父だけど、自分の車で行くのは初めてだ。なんとなく心理的距離は近かったのだけど、いざ向かってみると思いのほか遠かった…高速にこそ乗らないが、ほぼ群馬と長野の立地である。
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駐車スペースの少なさを懸念していたが、無事登山口のいちばん近くに停めることができた。
秋晴れの土曜日のわりに人もそこまで多くなく(出足が早かったからか?)基本は自分ひとりの道行きで、時折誰かと少し会話するくらいの感じが、実にちょうど良かった。
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気候がすこぶる良く、木々のざわめきや沢の流れ、葉の隙間から差す陽光など全てがみなラブリーであった!今日もわたしのペースは快調で、ぐんぐんと山頂まで進んでいった。
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地面に光が届くいい森の例
山頂は思っていたよりも狭かったけれど、遠くに八ヶ岳っぽい姿を発見して、「わあ!埼玉県から八ヶ岳が見えるのね」ととても嬉しくなり、山にもやもやとかかった雲が晴れるのを待ちたくて、昼食を取ることにした。
待った甲斐あって少しは雲が晴れた姿を見ることができたし、カケスが目の前を横切っていってブルーの羽がなんとも美しかった。
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そしてもうひとつ、下山の終盤にとっても嬉しいことが!
あと30分で登山口、くらいのタイミングになって、両神山には似つかわしくない重装備の一行とすれ違う。みんな若そうだ。大学のサークルかな…と思ったところですれ違いざまに足元をみると、巣鴨にある「ゴロー」の山靴を履いている!これは、と思い、最後尾の男の子に、「もしかしてやまけんですか?」と声をかけた。
やまけんとは、わたしが大学1~2年生の時に所属していた登山サークルで、ここでいろいろと教わって登山を始めたのである。私の時で46代目とけっこう歴史の長いサークルで、入会するとまず巣鴨の靴屋に連れていかれ、足のサイズを測ってこのオーソドックスな革の山靴を作ってもらう伝統なのだが、そんな靴を履いている若者というのはまずおらず、きっと間違いないと思ってのことだった。
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「そうです!」と元気よく返事が返ってくる。「うわ~!わたし、OGです…!(途中でやめちゃったけど、、)」
そうすると隊列のみんなも「ええ?」「なになに?」と足を止めてこちらを見る。「先輩だって!」と最後尾の彼。
公共交通機関を使って来たので朝からの登山はできず、今日は午後から山入りし山の中腹のテン場で1泊する予定だということ、コロナ禍で山行も制限されていたが、最近はこうやってみんなで行けるようになってきたことを教えてくれた。そうだった、公共交通機関登山って本当に大変だよなあ…と何か手伝ってあげたい思いに駆られつつ、明日朝早く、誰もいない山頂に登頂できるのはとても良いだろうなあとうらやましくも思った。みんなわたしとの出会いをニコニコと嬉しそうにしてくれてとても嬉しい。
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最後に記念撮影をして、まだまだ先を行かねばならぬ彼らを見送った。
去り際、動き出した隊列で、「ひとりで来るって、ほんとうに好きなんだなぁ」と男の子のうちのひとりが言ったのが聞こえてちょっと笑ってしまった。サークルは途中でやめたわたしだけど、今では同期の誰よりも山に行っている(と思われる)のだから、わからないものである。
おわり。
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