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鳥海山(2022.8.19)②

昼過ぎに新山にたどり着く。この新山のピークを踏むための岩場がなかなかに険しく、岩が細かすぎて足場を探すのも難しくてハードだった。
「ピークはいいか…」という気持ちに2回くらいなったがどうにか登頂。こんなにスリルを感じたのは久しぶりだった。
近くをまだ山に登り初めてそんなに長くないだろうという感じの男の子3人組が、わたしとは対照的にヒョイヒョイと歩いていてよかった。

久々にスリリングなピークだった 

小屋の前の道を西側?に折れて、行きとは違うルートで下山を開始。
この時点でもう13時くらいをまわっており、下山が思ったより遅くなるかもしれないねと話していた。

私たちが選択したルートは人がぐっと減り、最後3時間くらいはすごく慣れていそうなおじさんと抜きつ抜かれつ、つかず離れずのペースで歩いていて、他に会った人はほとんどいなかった。
皆山小屋で1泊するか、ピストンで帰るのかもしれない。 

山頂付近だけ急にこんな感じ

この帰りの道がまた、行きの雪渓がドーン!と見える道とは雰囲気が全く変わり、山のさらに奥といった雰囲気の、物静かな道でとてもよかったのだが、なぜか私は夫にルートを任せきりにしており、夫もルートを思ったより把握しておらず、途中道を見失いかけたりルート不安に陥ったりした。

件の付かず離れずだったおじさんに声をかけてもらったり、彼の姿を後ろから見て「こっちでいいんだね」と思ったりできたが、彼には呆れられていたことだろう。
少なくとももし逆の立場だったら呆れる。この時点で下山が17時くらいになってしまいそうというのは明白で、そもそもふつうはそんな時間設定にしない。いろいろと反省点の多い登山でもあった。

なんて山深く美しいのだろう!

 ルート不安に陥った時、夫がYAMAPの地図を開いてスマホをくるくると回して進行方向を確かめようとしたので思わず怒った。
位置情報はある程度の目安にはなるが自分がどちらを向いているかは街にいてもズレる。「こういうときは今向いてる方向はコンパスで確かめて地図と照合するんだよ」と偉そうに言ってみるものの、そもそもルートを把握していない時点でわたしも大概ダメダメである。
何人で、誰と行くにしても、ソロ登山と同じ気持ちで備えることは絶対必須だな、と学んだのであった。

 時間に余裕があったなら、もっとまったりした気持ちで楽しめそうな良い道だったが、最後はいくら真夏でもこの時間に下山はちょっと…とお互い思うデッドラインの17時をゆうに過ぎてしまいそうになり、少し急ぎ始める。
結果、下山したのは17:30。秋以降だったら完全にアウトの時間である。 

そんな理由でだんだん写真を撮る余裕もなく。。

そんなこんなで、下りてから宿へまた急いで向かわねばならず、登山届のサイト「コンパス」で下山通知をするのをすっかり忘れてしまっていた。ふだん父親にも連絡がいくように設定しているのだが、この日初めて「下山した?」と父親から連絡が入った。ちゃんと機能しているのを実感できたのはよかったが、心配させてしまったかと思うと申し訳ない。 

と、なんだが最後はあわただしかったように感じるが、この山に抱いている全体的な印象は「とても良い山」なのである。なんなら今、好きな山を聞かれたときに今年新たにトップ5入りしたと人に話すくらいだ。
山深い位置にあり、街を見下ろすというよりも振り返って歩いてきた道を眺めるのがうれしく、ルートはバリエーションに富んでいて、10時間近く過ごしていてもまったく飽きがこない。
次はもうちょっと心に余裕をもって、また訪れたいと思っている山である。

おわり。

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