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大失敗プレゼン/作家養成所と5回目の青春②

放送作家の養成所、ワタナベコメディスクール・放送作家総合コースで学んだ1年間のことを振り返ります。


※前回の記事
https://note.com/ladder_daruma/n/n17087c140586


ノートは残ってましたが、なかなか記憶力が定かじゃないので、これを読んだ同期から「ここ違うよ」と指摘があれば、随時更新していこうと思います。

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※位置は真ん中なのに主人公感が出ない髙﨑


■定期プレゼン試験

現在もあるのかは分かりませんが、当時は通常の授業に加えて、数カ月に1度ナベコメの”教務”に見せるプレゼン課題がありました。要するに”定期試験”みたいなものです。

プレゼンのお題は毎回異なり、例えば「放送作家と未来」みたいなお題で、各々の考えをまとめて、数分間のプレゼンをします。基本的にプレゼンは教室ではなく校内の舞台を使うのでメモはしていないのですが、例外的に教室で行った「放送作家と未来」の同期のプレゼン内容はノートにメモってました。



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任天堂の岩田社長の例から入る。なるほど、短いプレゼンでは、分かりやすい例えから展開していくのは有効な感じがしますね。



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当日(or前週まで?)に”自分が風邪をひいている”という情報をフリにしてプレゼンに盛り込む!すごい!こういうの良いですよね。真面目な話を、出来る限り面白く伝えようとする姿勢に感服です。




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ちょこちょこ、髙﨑の主観メモが入ってきました。「面白くしようする」と「ネタ的」の差、まったく内容は覚えていませんが、何となく言いたいことは分かります。ふざけてるように見えたのかな。



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「頭に入れてこいよ」ということですかね。




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「(こいつは)作文を音読してるのか?」
めちゃくちゃキレてるじゃん。
そんな厳しいコメントする?わざわざ自分用のメモで?


■全員大失敗のプレゼン

そんな課題プレゼンの中で、クラス全員が大失敗したお題がありました。

「名作映画の良いところをプレゼンしてください」


僕はなめられたくないし、せっかくならオシャレな映画をプレゼンしたいと思いまして…「her 世界でひとつの彼女」という映画を紹介しました。

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https://filmarks.com/movies/55484 


人工知能型OSの“サマンサ”(iPhoneのSiriみたいなものですね)と恋に落ちる男性の話です。ラジオ好きの僕は、そんな”声”との距離感について熱弁しました。

ラジオ好きの僕が一番に思うのはやはり、「声」は距離が近くって、こんなにも温かい、ということ。ありがちな「A.I.における自我の葛藤」が、「人が人に抱く感情」にも疑問符を投げかける。人間とA.I.が「リアルってなんだ」と、同じように悩み、同じように苦しむ。物理を超え、心の芯の部分で対話をする二人は美しく、物悲しく、どこか空虚で、それでも温もりがある。ラストカットと最後の“音”が素晴らしい。観終わってから、ふとsiriに「ありがとう」と言うと、「お礼を言うのは私の方ですよ。」と返された。

…みたいな。最後しゃらくさいですね。

そして、同期も様々な映画をプレゼンしてくれました。中には映画好きな僕でも観たことない、ニッチなものも。


全員のプレゼンの後、教務の一言で、クラスの全員がどん底に落とされます。

「お前ら、”お題”ちゃんと読んだのか?」

「自分の好きな映画をプレゼンしろなんて書いてないんだよ。名作映画の良さを紹介しろ、だから。知らない映画紹介されても興味ないんだよ。」


僕はもう、足がすくみましたね。

要するにこのお題、「誰でも知ってる映画を、いかにおもしろい角度で紹介できるか」という手腕を問う課題だったのです。

僕と同じ「かっこつけたい」が理由かどうかは分かりませんが、クラスの同期のほとんどは”金曜ロードショー”で流れるような映画を紹介していませんでした。大失敗です。(覚えてないだけで「スター・ウォーズ」紹介してた方がいたらすみません。)

※2021/01/31 01:01追記
まさに『スター・ウォーズ』を紹介した人、いました。薄っすらそんな気がしてました。ごめんなさい。ちゃんと名作!合格!
※2021/01/31 02:41追記
すみません、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』もいました。名作!合格です!

今でもよく、この課題プレゼンの失敗を思い出します。


「文章を、よく、読め。」


当たり前のことですが、大切なことです。

大きな失敗と共に、そんな”仕事の根幹”のノウハウを、刷り込まれました。単純なことですが、養成所という”失敗していい”環境で、この経験を出来たのは良かったと思います。


■髙﨑、ブチギレる

授業はプレゼンばかりではありません。企画を考えて、時には番組を”実際にやってみる”なんてこともありました。

全員で3人1組となり、ラジオ番組の企画を立案。それをパーソナリティ役・ゲスト役に分かれて実演してみる、という授業がありました。で、僕はブチギレました。

今でも、思い出すとムカついてきますね。やっぱり、あの人なんで…そんな…だって、大金を払って入学してきたんですよ?!養成所に!義務教育じゃないんですよ!?なのにさぁ…全然あいつ…もう…

はー。もう。嫌だったな~。

ムカついてきた。もう実名出しちゃおうかな。

関係ないよね。

別に。

我慢できない。

名前出すか、出そう。

どうしよう。

イニシャルだけにしとく?一応。


Kさん。


Kさんね。

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この人です。Kさん。

K山さん。

はぁ。またイライラしてきた。
なんで今さら片山さんに気を遣わないといけないんだ。


(続く)

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