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みんな星に帰っていく

「我々うしろシティは、星に帰ります!」

TBSラジオ『うしろシティ 星のギガボディ』が、2021年3月25日、25時に終了した。(タイムフリーはこちらから

「あっという間なのか、濃かったのか…」と阿諏訪さん本人が言うように、2人でシイタケを食べるだけの回があったと思いきや世界で一位になったりと、本当にいい意味でムラのある、ジェットコースターのような4年半だったと思います。


いきなり話が逸れますが、僕が以前NHKラジオ第1で担当した、作家人生最初のラジオ番組が「スペースシップちきゅーん」という、かもめんたるさんの番組だったんですが…なんの偶然か、この番組も最後に「宇宙人である2人が自分の星に帰っていく」という最終回を迎えています。ちょっと待ってくださいよ、と宇宙船の背中を見送ったのは2度目です。

好きなパーソナリティーが、軒並み”星”に帰っていく。そんなことあるか?

まぁでも、爆散したわけじゃなくて、銀河のどこかにはまだ居るってことですからね。

さて、次はどんな宇宙ラジオに出合えるでしょうか。楽しみにしておきます。



「ギガボディ」初回放送は2016年の9月28日。番組の第一声は、「大地は、雨を手に入れて、海を作った」という一行から始まる、阿諏訪さんの「やりに行ったポエム」でしたね。懐かしい。

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まさか、最終回のこの日まで、番組のホームページに「最近は阿諏訪が『得する人損する人』で料理の味を再現するキャラクターでプチブレイク中」という紹介文が残り続けるとは思いませんでした。良い意味でも悪い意味でも、4年半、変わらぬ楽しい放送をありがとうございました。

以前、ブログにも書いたのですが、この番組の魅力は圧倒的な”動性”で、TBSラジオでスペシャルウィークの制度がなくなってからはリスナーが赤坂に集まる機会もなくなってしまいましたが、それでも最終回の最後の最後に「いつでも靴履ける準備だけはしといてください」という言葉が聞けたのが嬉しかったです。

ソーシャルディスタンスなご時世。真夜中にリスナーで集合するなんてことも、今から考えると、とても貴重な時間だったんですね。一度ぐらい、行ってみたかった。


そして、ギガボディの前の担当番組『デブッタンテ』からで数えると、なんと丸7年。デブッタンテ開始当時、最初にメールを送った頃の僕は20歳の大学生でしたが、今では27歳です。20と27。マジ?簡単に友達になるのも難しいぐらいの年齢差です。そう考えると、とてつもない期間お二人の声を聴いていたことになります。

芸人深夜ラジオといえばJUNK!なTBSラジオで2014年に始まった、うしろシティ×ハライチの「デブッタンテ」。番組がまとっていた、その“次世代の芽吹き”とも言えるフレッシュな勢いは、放送作家という仕事を目指す当時20歳の僕の背中を押してくれました。


ここからちょっと個人的な話をしますが、僕が去年7月から担当させていただいているテレビ番組「バナナサンド」が、23時56分~0時55分という、同じ局とはいえ完全に裏かぶりの時間帯での放送でした。

この感情で合ってるのか分かりませんが、僕はなんかすごく嬉しかったです。“胸を借りる”じゃないですが…この仕事を始めるきっかけとなったうしろシティさんの番組と同じ時間帯に、自分の仕事の告知をできているという現状に、なんだかホッとするというか。


2016年9月25日、最終回を迎えた後に僕は「デブッタンテ」というタイトルでブログを更新しました。

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放送作家という仕事を目指したきっかけは他にもありますが、実際に行動し始めてから、養成所に通う1年間のモチベーションを支えてくれたのは「デブッタンテ」へのメール投稿でした。

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番組の思い出というよりは、番組を通した自分の1年間の話を書き連ねただけだったので、タイトルは番組名にしつつも、Twitterに共有する際、僕はツイートに番組ハッシュタグを付けませんでした。

2週間後、突然阿諏訪さんからDMが届く。

僕のブログを読んだフォロワーの方が、ハッシュタグを付けて再投稿してくださったのがきっかけで、思わぬ誤算ですが、阿諏訪さんご本人の目に記事が届いてしまったようです。

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ブログのネガティブな内容を気にかけてくださったのか、DMでは阿諏訪さんなりの、決して長くはない、ぶっきらぼうで優しい言葉を送ってくれました。クローズドなメッセージなので詳細は書きませんが、「(君が)この世界を嫌いにならないと良い」という言葉だけは、今でも徹夜で台本を書いている時とかに思い出します。

嫌いにならずに続けてきたからこそ、いくつか番組に呼んでいただけて、まだ放送作家という仕事をしている。だからこそ、同じ時間帯に番組の告知をするたびに、なんだかホッとしている。まだ、告知できるような仕事をしているんだな、と。ご本人ではなく僕の心の中の阿諏訪さんに“まだ今もやってますよ”と呼びかけるような気持ちでした。

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※『うしろシティ星のギガボディ』番組ブログ 2016.12.8 木曜日


番組にメールを送っていただけのイチ大学生にわざわざメッセージをくれて、その2ヶ月後、そんな僕に一言も言わずに、僕がネットで販売していたTシャツを勝手に買って、わざわざラジオの日に着て、ばっちり番組ブログに載ってくれる男です。

こんなに格好良くてよいのでしょうか?


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※『うしろシティ星のギガボディ』番組ブログ 2017.4.6 木曜日






まぁ、でも、楽しかった、よね。


リスナーと一緒に“集まる”番組は数あれど、リスナーみんなで“納税”した番組は、後にも先にもこの番組だけなんじゃないでしょうか。

さみしくもありつつ、頭の大部分を占めるのは「とはいえまだ金子さんお休み中だし、次2人でラジオ始まるのが楽しみですね」というポジティブなワクワク感です。後番組が決まっていた「デブッタンテ」の終了時と同じぐらい、不思議とリスナーとして悲壮感はない。気がする。4年半で、こうしてポジティブになれたのも、自分の一つの成長と言っちゃおうかな。ね。


兎にも角にも、4年半、7年、いったんお疲れ様でした。

楽しかった。


ありがとうございました。

また。

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