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「アルピーANNにおけるリアクションメール」みたいな仕事を

台本2つに企画書4つ。

こういう時に限って、関係ない文章を書きたくなってしまうのは、部屋掃除に苦戦する方なら分かって頂けると思います。

新しい仕事や苦しい悩み、言いたいことが溜まってきたので、そろそろ「ハガキ職人上がり作家ナイト」の第2弾があれば(でもってオファーいただければ)作家仲間の皆さんに色々聞いてほしいな、なんて思いはじめています。

最近思うのは、元・ハガキ職人の中でも、当時それぞれ番組の中でも”得意なジャンル/場面”というものがあり、それが放送作家となった今のスタンスに直結しているのでは?ということです。

僕は致命的に「生メール」が苦手でした。いわゆる、パーソナリティのトークへのリアクションや、質問。ブースの中のLIVEを波打たせるような、みずみずしいリスナーの反応です。これには瞬発力や記憶力など、様々な技量が必要とされます。これまでおそらく何十通かメールを採用されたことがある自分は、「生メール」だけはとにかく苦手でした。4~5通しか採用されたことなかったと思います。

そんな人が得意とするものといえば「コーナーメール」です。これはいわゆる”準備”ができます。変わらない「ひとつの型」に向けて、毎週ネタをつぎ込む。瞬発力は要りません。大学時代はバイト中、メモを片手に接客をしながら、客と客のすき間にネタメールのアイデアを走り書きしていたものです。

放送作家となった今、「コーナーメール」が活きるのは、台本や企画書の作成です。しっかりと自分のペースで制作・準備をする中で、自分のアイデアの欠片をつぎ込む。そっと、忍ばせていく。

しかし、放送作家の「主戦場」「最前線」とも言える会議の場では、常に瞬発力が求められます。それは、送信時間0秒、口を開けば良くも悪くも採用率100%の生メール合戦です。

「生メール」が得意だった元ハガキ職人の方は、こうした会議の場では、今どうなんでしょうか?メールと口とでは違うものなんでしょうか?ベネットさんとかに聞いてみたいですね。

会議のその場で初見の資料を見せられて「これどう思います?」「なんかアイデアあります?」と言われると、『そうっすねぇ…』なんて偉そうに顎触っちゃったりするのですが、内心は「えぇ~~~!?それ先週ちゃんとメール募集しました~~!?」「寝落ちしてコーナーの告知聞き逃した~~??」「普通新コーナー初回はそっちで作ったネタ例を読み上げたりするじゃないの~~!?」「ちょっとメール作るからバイト行かせて~~~!!」と、ハガキ職人時代の自分がバタバタと慌てふためいてしまいます。なんともまぁ、情けない話ですが。

ラジオにおけるリスナーの生メールは、ほとんどの番組においては「リアクション」「野次」にとどまります。一方で、僕が好きだったアルコ&ピースのオールナイトニッポン(0)では、リスナーのメール次第で番組の流れが左右される場面も多くありました。
※そういう週のテーマに限って、やはり挑戦してみても、生メールを採用してもらえることはなかったように思います。数少ない生メール採用の多くは「平甲子園」などのエピソードものでした。

会議の場では、創造という意味では、正確に言うと「リアクションメール」は不要です。その場で起きたことを言葉で再構築する必要はありません。その代わり「アイデア」で議論を進めなくてはならない。そう言った意味では、番組の流れを動かす推進力を持った「アルピーANNにおけるリアクションメール」的なムーブが、会議の場では求められます。

言うなれば会議って
「夏特番!お笑いタレントの乱!」
今、都内の某スタジオでタレントさんたちが笑いの死闘を繰り広げていますので、近くで戦いを見ている作家さんから戦況を募集します。

……みたいなことですからね。

「リスナー時代にそれが鍛えられたから、いま活躍できています」となれば美しい物語なのですが、いかんせん自分はどこまで行っても「コーナーメール」のハガキ職人だったのだな、と思ってしまう日々です。

「ゲストに森山直太郎さんを呼んで『夏の終わり』で番組が終わっていくとか、そんな展開とかってありますかね?」
「おぉ~、いいじゃんそれ。」

パーソナリティ(総合演出)が膝を打つような発言で、番組作りに貢献していきたい所存です。

いただいたサポートは、作家業の経費に充てさせていただきます。