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霜降り明星の漫才を生で初めて、オードリーの漫才を生で1年11ヶ月ぶりに観た



※番組の裏側とか、興味深い情報は有りません。すみません※



本日放送された特番『漫才JAPAN』。

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TVer 見逃し配信 2月21日(日) 13:14 まで


作家の飯塚さんに誘っていただき、参加させていただきました。

正直これが既にもう、本当に嬉しくてですね。

僕は作家事務所に所属しているのですが、所属を選んだ(目指した)理由が「事務所のツテ」で仕事を得るためです。(下品な話に聞こえますが。)要するにフリーでガンガン仕事を取ってくる自信が、あまりないということですね。社交的ではないですし。直属の先輩や事務所案件の仕事、何か手近な取っ掛かりがあれば、この仕事を始めやすいだろうな、と思っていました。とはいえ、いざ入ってみると「事務所に居るから仕事が入ってくる」という生易しいものではもちろんなく、所属しているなりの難しさなどもあるわけですが…。

現在の自分の多くの仕事が、ありがたいことに先輩のツテで誘っていただけた仕事や、事務所に舞い込んだ仕事に手を挙げて入っている形です。そんな中、特番でご一緒した先輩の作家さんに単独で、直接声を掛けていただけるというのは、自分の中で特別な想いがあります。

若手の青二才、どうしても「ビッグネームの事務所の先輩」や「事務所そのもの」の肩書きの上で仕事を続けている感覚(実際にそうですが)からか、僕はSNSなどで「堂々とした番組の告知」をしづらいです。(番組のためという大義名分で、最近はするようになりました。)(家族にはバンバン告知してます)

やりがいはあるし、学べるし、担当回への責任感もある。でも、時折「事務所に入ってなかったらどうなってたと思う?」と自問自答しては、落ち込んでしまう。どれだけ自力で頑張れているのか?どこまでが自力なのか?ここまで来てしまうと、正直確かめる術はありません。でも、いま僕が事務所を辞めたら、半年後には別の仕事を探しているでしょうから、それが答えのような気もしています。

養成所に行って、面接を受けて、事務所に入れて本当に良かった。なのに、「事務所に入らなかった世界線」の自分にも活躍してもらいたがるという、贅沢な話です。そんな余裕あるのか?足元見て、目の前の仕事をちゃんとやれ。


そんな自分勝手な泥沼にてバタバタと仕事を続けている中で、「○○さんの後輩の髙﨑さん」「○○に所属してる髙﨑さん」という文脈ではなく、個人として仕事のオファーがかかるという経験は、特別なのです。(とはいえ1年半前に飯塚さんと知り合えたきっかけの特番も先輩に入れていただいた番組なので、先輩伝いで仕事が広がっていくことにはポジティブです。)




変なエンジンがかかり話が逸れてしまいましたが…今回、番組には立ち上げからではなく、途中からお手伝いをさせていただきました。まぁ、企画書などをいただいた正直な最初の感想としては…

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”漫才のMステ”の名にふさわしいキャスティング。「うわ、あの人じゃん」と名前を知ってるスタッフさんに囲まれて、Zoom越しに「初めまして」。こんなに家電も材料も料理人も一流なキッチンに入って、自分にできることあります?という。

とはいえ、仕事しないと意味ありません。しかも特番の第一回。番組が「走る力」に加えて、「立ち上がる力」が必要になります。微力ながら、自分の中の微力をかき集めて、なんとか、なんとかなんとか、追い風にならねばと。

※余談ですが…何度か経験したことがありますが、番組に”途中から入る”というのは、一味違った緊張感があります。笑
「教室が転校生にザワザワする」と表現すれば伝わるでしょうか。実際はイチ若手作家が番組に入るだけなので、そんなにスタッフさんには影響も興味もないとは思うのですが、やっぱり”転校する側”は緊張するものです。
加えて学校の転校と違い、仕事への参入は”不可抗力”ではありません。「親が転勤するから」ではなく、「誰かに求められたから」「何かの能力を発揮する必要性を伴って」という意味を帯びるのです。「初めまして、よろしくお願いいたします。」と挨拶した後に、ボーッと教室の隅の席に佇んではいられません。


そしてオードリーと霜降り明星と言えば、自分にとっては少なからず思い入れのある2組です。こんなに嬉しい仕事はありません。



収録当日は、スタジオで見学させていただきました。
(スタッフ間のソーシャルディスタンスを気にしつつ…)

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基本はセット裏のモニターでチェックする形でしたが、
やはり漫才だけはどうしても肉眼で見たい。

出囃子が鳴ると、セットの奥の物陰をススッと移動し、ステージの方へと身体を傾け、この眼で、生の漫才を拝見しました。


霜降り明星の漫才を初めて生で観る。個人的に、最近は霜降りのYouTubeをよく観ていて、お2人の”素の表情”に慣れきっていたのか、マイクの前に立つ時の”漫才師の顔”に勝手にハッとさせられます。あとは全組に言えることですが、本当に、なぜ2週間でこれだけの漫才が作れるのか…。「日本の今」をテーマとして与えて出来上がる漫才を浴びて、皆さんの「”世界を楽しむ目線”という才能」のエグさを痛感します。”時事ネタ”とは少し違った、「情報」と「それぞれのやりたいこと」の溶け合い方。なんか、番組の企画を作る感覚にも近いのかな?と思いました。時流の要素を抽出して、ルールや枠組みを設定し、再構成する。”ショーアップ”の結晶のような漫才ばかり。



オードリーの漫才を生で観るのは、武道館ライブ以来でした。

自分の嫌な失敗ばかりを記憶してしまう卑屈な僕。
実はそんな僕にとって、数少ない「頭に残り続けている”褒められた経験”」が、「オードリーのオールナイトニッポン 10周年全国ツアー in 日本武道館」の”観客”としての在り方です。

ライブを振り返った番組本『オードリーとオールナイトニッポン 最高にトゥースな武道館編』や、ラジオ本編でも言及されていたと思いますが、若林さんは「笑い声の来るスピードと収まるスピードが、あの規模の会場では考えられない」という話をしています。本には「お客さんの耳が良すぎて」という一文もあったぐらい。

なんか、これがずっと僕の頭には「褒められた」記憶として残り続けているんですよね。おこがましいんですが。

「観客」とは、ただただ漫才を楽しむだけでなく、ステージの上に熱を注いで、最高のパフォーマンスの後押しをする機関の一部にさえ成れてしまうのか、そんな驚きもありました。

生で観た3度目の漫才で(5周年のショーパブ祭りが1度目です)、1年11ヶ月前の2階席よりも近い距離のスタジオで笑い声を届けられたことに、充足感といいますか、仕事を続けていくためのガソリンを頂けたように感じています。

また偶然にも、東京ホテイソン・おいでやすこが・錦鯉の皆さんは、現在担当している『バナナサンド』にも出演していただけた3組。両番組ともにネタに特殊な枠組みを設定する形のため、それぞれの現場で皆さんの”自分たちのネタに落とし込む力”を体感することができ、芸人さんの凄さを改めて肌で感じました。※おいでやすこが・錦鯉のお2組は、次回2月17日放送の『バナナサンド』に出演されます!




いや~本当に、ネタだけでなく、トークも面白かったですね。



また第2弾あるといいなぁ。





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