2020チェコGPまとめ:風聞〜イタたわGP Vol. 283
コンテンツ目次
【イタたわGPまくら話】
●ザルコvsポル・エスパルガロ接触、どっちが悪いのか?(全文無料)
【2020チェコGPまとめ】
●KTM
・ビンダー優勝は偶然ではない
・ビンダー「去年11月テストでは途方に暮れていた…」
・KTMが強くなったのは、2017年にドゥカティが強くなったのと同じ理由…
●ヤマハ
・ロッシ「モルビデッリはアカデミーのフラッグシップ!」
・モルビデッリ「僕はセリエB出身だから…」
・クアルタラロー、欠陥タイヤだったのか?
・ヴィニャーレス、やけくそ戦法で失敗…
・ロッシ、ヘレス表彰台より説得力あり!
●ドゥカティ
・なぜドヴィツィオーゾは新リアタイヤで苦戦しているのか?
・チーム内の雰囲気も良くない…
・ザルコ「KTM離脱は後悔してない!」
イタたわGPまくら話
皆さん、こんにちは。
イタリアから管理人のラ・キリコです。
オーストリアGPが開始する前に書き上げることができ、ただただ嬉しいです(泣)
と言うわけで、もう、ちゃかちゃか始めちゃいますね!
では、まずはモトGPこぼれ話から
当『イタたわGP』ブログのコメント欄を大いに賑わせている…あの話題についてです。
では、では、どうぞ。
ザルコvsポル・エスパルガロ接触、どっちが悪いのか?
第10ラップの第1コーナーで接触したポル・エスパルガロvsヨハン・ザルコ選手…
結局、エスパルガロ選手は転倒リタイヤとなってしまい…
ザルコ選手の方はロングラップ・ペナルティを科せられたものの、第14ラップでそれをすんなり消化後、みごとに3位ゴール…
今回のKTM機は絶好調で、エスパルガロ選手はあのまま完走できていたら、ビンダー選手と共に1~2位を独占しただろうと言われているし…
エスパルガロ選手としては、KTMのモトGP初優勝はぜひ自分が!!って思ってたわけだから、当然、残念なことこのうえないわけです。
で、こちらが、ポル選手の苦渋コメント。
「このマシンは4年前から僕が開発し、今回(のKTM機絶好調)は僕がやってきたことの結果なんですよ。
だから、KTM機が優勝したのは本当に嬉しいんです。当然、僕にとっては夢だったわけで、今日、ビンダーがそれを叶えてくれたんだから。
まぁ、自分で叶えてたら、もっと嬉しかったんですけどね。
(接触した時は)いつも通りの走行ラインを走っていたら、ザルコがアクセルをふかして接触しようとして来たんです。僕の方では、どうにもできませんでした。
ザルコは接触を避けるような配慮は何もしなかったんですよ。
レギュレーションによれば、マシンおよびライダーは白線の内側にいなければならないのに、ザルコの身体は白線からはみ出していたじゃないですか。
そして、あの通り、何も失うことなく表彰台に上がってるんですよね。」
一方、ザルコ選手の意見はこんな感じ。
「ポルが第1コーナーで膨らんだから、こっちのことは見えてるだろうと思ってイン側に入って行ったんですが…見えてなかったみたいですね。
その後はレースディレクションが何か言ってくるだろうと心配してたんですが、結局、数周後にロングラップ・ペナルティが出て…
2~3順位は下がってしまうだろうし、そうなったらタイヤのタレた選手らと戦わなければならないのだなぁ~って覚悟してたら、ロングラップ・ペナルティ後もそのままの順位だったんですよ。」
で、結局、どっちが悪いのかと言えば…
イタリア識者の皆さんは、エスパルガロ擁護派が多かったです。
どちらかって言うと、今回のことだけってことじゃなく、ザルコ選手の場合はこれまでもこう言うアグレッシブすぎる操縦が多かったからって意味のようなんですけどね。
んで、ライダー陣の意見としては…
まず、ロッシ選手はこんな感じ。
「ああ言う時は、イン側のライダーがアウト側のライダーのことを配慮すべきなんですよ。接触したら、アウト側を転倒させてしまうのだから。
ザルコはアグレッシブなライダーだけど、ポルも押しが強いですからね。これ以上のことはなんともねぇ…チラッと見ただけだから。」
そして、ロレンソ元選手もこう。
「先行しているライダーに優先権があるものでしょ(後方が見えない場合は尚更ね)。
後方のライダーには、先行ライダーの安全を考慮しつつオーバーテイクをかける責任があるよ。そうしなければ転倒してしまうんだから。
今回の処罰だ妥当だろうね。
コースアウトするほど膨らんだのならまだしも、ポルの場合は2メートル程度で、ザルコは(ポルが戻って来ると知りつつ)そのすきを突いてスピードを上げ、突っ込んできたわけでしょ。
ところが、上手く前には出られなかったわけでね。」
一方、ザルコ擁護派もおります。
ストーナー元選手が、こんなTweetを出してましたから。
「モトGPにおいて恥ずべき話だね!ザルコは全然悪くないのに。膨らんでしまったら縁石側のスペースを塞げないんだから、突っ込んで来られても仕方がないでしょ。
コミッショナー側も酷い決定をしたものだよね。」
で、ドゥカティのパオロ・チャバッティ氏(スポーツディレクター)はペナルティが出された直後、レースディレクションに抗議してたほどなんで…
ストーナー元選手に対し、すぐにお礼のメッセージを出しておりました。
「ありがとう、ケーシー!ザルコは2位になれそうだったのにねぇ…。アヴィンティアにとっては驚異的なリザルトでしょ。
あれはレースディレクション側の最悪な決定だったよ。さいわい、ザルコはなんとか3位でゴールしてくれたけどねぇ。」
ちなみに、ジョヴァンニ・ザマーニ記者(イタリア衛星放送『SKY』レポーター)の見解では、接触についてはザルコ選手の方が悪いだろうってことなんですが…
ただ、それとは別に、ポル選手への評価もあまり高くないんですよ。
ザマーニ記者、こう書いてました。
「ポルが転倒する前に犯したミスの数々は、批判されて然るべきである。
しかも、ビンダーが首位に出た途端、ポルはまた明晰な判断力を失ってしまったのだ。
第9ラップの最終コーナーで決定的なミスを犯してしまい、その結果、ザルコとの接触事故につながって行ったのだから。
私としては、転倒自体は本人の責任ではないと思うが、ああ言う状況に陥ってしまったのは本人のせいだと思う。」
と言うわけで…
ザルコ選手への処罰は妥当だし、ポル選手も100%被害者ではない…って感じですかねぇ。
では、本編に行きますね!
今回は、チェコGPまとめと言うことで…
KTMに焦点を当てつつ、ヤマハ&ドゥカティについてもまとめてみました。
まぁ、どうぞ、どうぞ。
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