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アンバランスさは思い出すために

整ってしまった時、たぶん忘れてしまうのだと思う。心の中にアンバランスがあるから何度も何度も思い出せている。思い出しては落ち込んだり、人にやさしくできる。

平衡を保てなくて苦しい時があったとしても、傲慢にはなりたくない。無力さを思い出すためには足りないピースや歪さ、精算できない借りや一生の恩みたいなものが必要だ。無力で他人に何も出来ないからこそ、人は人にやさしくできるのだと思っているよ、わたしは。

だからまぁ弱さや醜さや寂しさもなくてはならないものだなと思ったのでした。わたしはかなり忘れっぽいので。

おわり。


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