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アートのみかた

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図工や美術の授業が少なくなる日本。ですがどうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える上位層がいるようです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテー…
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#画家

note移転のお知らせ

2019年8月より、美術の音声番組をpodcast/audiobook.jpにて配信させていただくこととなりました。 こちらのnoteで公開していた美術に関するまとめ、さらにはデザイン思考/アート思考に関する情報は、そちらにて毎週配信をしております。 noteユーザーの皆様には、長らくご愛顧いただきありがとうございました。 今後も邁進するべく、新しい挑戦を繰り返していきます。 今回は一つの節目としてのご報告。こちらのnoteは、たまに書けるように残しておきます。ひとまず

【アートのミカタ29】ジョット Giotto di Bondone

【概要】暗黒時代の巨匠 何世紀も失っていた芸術に再び日の目を見せたフィレンツェの輝き。 そう賞賛したのは14世紀の小説家ボカッチィオです。(『デカメロン』というインパクト大のタイトルを書いた人) 現代の私たちにとってもっとも難解な芸術の時代であると言っても過言ではないかもしれません。なにせこの中世時代に描かれた絵画には、現代には見慣れてしまった写実性や内容の意味深さを全く感じられないからでしょう。 しかしこの中世(あえて暗黒時代と使いましたが)において、ジョットの存在はと

【アートのミカタ20】クラーナハLucas Cranach der Ältere

【概要】ルネサンス期、生粋のドイツ画風北方ルネサンスを代表するドイツ画家ルーカス・クラーナハ(クラナッハ/クラナハ)。1472-1553年 イタリア・ローマを中心としたルネサンス期(14~16世紀)に、ローマより北側の国や地域を「北方ルネサンス」と総称しています。 これは北方ルネサンスが、本場ローマのルネサンスに対抗して独自の道を歩まんと奮闘する地なのですが。 そんな場所で、クラーナハはどのように画家としてのキャリアを築いていくのでしょうか。 なぜ美的センスをくのか。科

【アートのミカタ18】ヘスス・ラファエル・ソト Jesus Rafael SOTO

【概要】素直に感動できるインスタレーションエスパス ルイ・ヴィトン東京にて開催されている彼のインスタレーション「Hors-les-murs(壁を超えて)」が象徴するように、ソトの作品は「美術鑑賞」を超えた感動を与えてくれます。 その大胆な表現は、キネティック・アート作品とも呼ばれていますが、キネティック・アートにはもっと実験的な無機質な印象が私の中ではありました。ソトの作品にはそれが象徴する表現を超えた美しさや強い信念が入れ込まれているように感じます。素直に「綺麗」と思える感

アートのミカタ全集

美術が好きだけど苦手意識のある人に向けて、芸術の本質を書きながら解説していく【アートのミカタ】。 毎週書き溜めていますが、今回は目次としてご活用いただけるような記事を作成します。(随時更新) 年代順:現代 年代順:20世紀

【アートのミカタ16】五美大展DM

【概要】Twitterバズり案件 毎週書いているブログですが、今回はちょっと異質な題材で行こうと思います。 「五美大展」とは、多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部、武蔵野美術大学といった、東京の私立美術大学が合同で行う卒業・修了制作展です。 私はデザイン系の学科だったので、ゴビテンは関係なかったのですが。 これまで美大出身者、またはそのご家族にしか恐らく認知されていなかったであろう卒展が、今年は恐ろしく話題に上がっているようでした。 思わず二度見して

【アートのミカタ15】ルーベンス Peter Paul Rubens

【人物】超王道インテリ17世紀で最も国際的な名声を得たバロックの画家、ルーベンス。 貴族画家として肖像画や神話画などを描いていただけでなく、建築家・外交官など、彼の才能は多岐にわたり発揮されたと言います。 絵に描いたようなインテリ人生を歩み、絵に描いたように貴族に賞賛され、他の画家とは一線を画した人物です。 「フランダースの犬」のラストシーンでおなじみの画家といえば、多くの方に伝わるでしょうか。 ペーテル・パウル・ルーベンス「キリスト降架」1633年 しかし、当時の

【アートのミカタ14】宮本武蔵 Musashi Miyamoto

【人物】剣術/兵法/芸術家江戸時代初期(天正 12年/16世紀-17世紀)の大剣豪であったことを知る人は多いと思います。 しかし宮本武蔵が剣術を教授する兵法家であり、はたまた剣術を極めた行先に芸術的思想を見つけ、芸術家としての才能を開花させた事実をご存知のかたはどれほどいるでしょうか。 江戸後期の書物『画道金剛杵』の『古今画人品評』という項に、数々の画家と名を連ねる程でした。 「気象を以って勝るものなり」 と評されていたとのこと。現代訳するならば「気性によって成功した」とこ