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アートのみかた

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図工や美術の授業が少なくなる日本。ですがどうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える上位層がいるようです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテー…
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2019年5月の記事一覧

【アートのミカタ27】クリムトGustav Klimt

【概要】エロい女と金ピカ装飾前回、モローのという画家の紹介に「ファム・ファタル(悪女)」の話に触れました。今回題材とするグスタフ・クリムト(1862-1918)もまた、ファム・ファタルをテーマに掲げた作品が目立ちます。 クリムトの作品は、女性自身はとっても写実的に描かれている反面、装飾や背景がとっても平面的です。これはモローの時にも似たような感覚がありましたが、クリムトとモローの違いといえば、何と言ってもこの豪華な装飾です。 ユディト(1901) この作風に至ったウ

【アートのミカタ26】モローGustave Moreau

【概要】悪女の達人モローという画家を語るには、「サロメ」について語る必要があります。 何故ならこの神話に登場する、どちらかというと母親にそそのかされた慎ましやかな娘が、モローの手によって悪女へと堂々イメチェンを果たしたからです。 サロメとは(詳しくはリンク先をご覧ください。) 洗練者ヨハネにイビられた女性が、腹立たしさの末に「あいつの首チョンパしたいわ」と娘に告げて。その娘(サロメ)が本当に皿に男の首持ってくるというエピソードがあります。 西洋絵画は得てしてあまり喜怒哀

【アートのミカタ25】ボッティチェリ Sandro Botticelli

【概要】初期ルネサンスの巨匠彼の名は知らなくとも、この代表作に見覚えのある人は多いのではないでしょうか。15世紀前半から16世紀、正にルネサンスがノリに乗ったイタリアで活躍した画家です。ルネサンスといえば、レオナルド・ダ・ビンチより7歳年上ですね。 当時の基準からは珍しく、多彩なジャンルを描いていたマルチな画家だったそうです。宗教画・神話・寓話・肖像画・さらに文学的テーマを描いた作品など。教会や公的機関、王侯の一族など、依頼主も素晴らしいものだったようです。 現在では知ら