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Jリーグクラブライセンス、緩くしたい。

お久しぶりです。

サッカー関東リーグが開幕した日、ネット上に流れてきた栃木シティFCのスタジアム画像を見て、20億円以内で、これほどのいいスタジアムができるということにすごく感動させられたらっちと申します。

ここ数年で新設や大規模改修によって整備された球技専用スタジアムは多くの数がありますね、今年だけでも、栃木シティフットボールスタジアム、ユニリーバスタジアム新富、そしてヨドコウ桜スタジアム。ここ10年ほどまで広げれば、今治、亀岡、北九州、吹田、八戸、長野、そして影が薄いながらも米子のチュウブYAJINスタジアムも忘れてはいけないと思います。

そんなJリーグのスタジアム事情ですが、多くのクラブが国民体育大会によって整備されたスタジアムを使っているクラブも多いのが現状でもあり、施設として古い状態のスタジアムを、改修や増築でなんとか使っているという状況下だったりもすると感じます。

そんなJリーグのスタジアムですが、正直、そもそもの現行のクラブライセンス制度における、「本拠地スタジアム」のライセンス基準が、実質的に曖昧で、かつ下位カテゴリ等では実情に合っていないのでは、そう思ったため、このように記事にしたいと思います。よろしくお願いいたします。

ちなみに、この記事を執筆させていただくにあたって、こちらのサイトから観客動員数について調べさせていただきました

https://data.j-league.or.jp/SFTP01/

J1 総収容数を12,000人に緩和できないだろうか。

まずはJ1開催のライセンス基準について考えたいと思います。

現行のクラブライセンスの基準として、総座席数10,000人、総収容数15,000人という基準があります。現在はこの基準に適合するクラブのみがJ1に所属しておりますが、将来的な新設改築を基にした緩和策ではない基準のスタジアムで、旧法制での収容数を基に実勢とはかけ離れた数字でライセンスがおりている大宮のようなケースも存在します。
しかしながら、新設改築である場合、現行法に基づく形で15,000人収容のスタジアムとしなければなりません。更にはトイレの充足数、屋根のカバー率等も考慮したスタジアムである必要があります。

そんな中で、まず大宮の本拠地NACK5スタジアムを基準として、2010年~2019年シーズンの10年間、平均動員数が12,000人以下のクラブは大宮を含め年間平均で2~3クラブはあり、年々減っているとはいえ、2019年シーズンのみすべてのクラブが12,000人以上平均で動員している状況です。
更に、この10年間でJ1に在籍した27クラブのJ1在籍期間平均で見ても、平均動員が12,000以下のクラブが大宮を含め9クラブ、現行のライセンス基準15,000人以下だと12クラブとなります。

この点から考えて、確かに現行の15,000人は妥当ともいえますが、スタジアムを新設するということを考えた場合、いきなり15,000人クラスの完成されたスタジアムを新設するのは、クラブにも、自治体等でも、大きな負担となること容易だと思いますし、管理費も施設が大きければ大きい負担になりうるとも思います。更には、J1昇格翌年のクラブは、多くのケースで集客に苦戦もしています。
それ故、そもそもの不公平を是正するために、いったん座席数は10,000人をそのままに、12,000人収容をライセンス発行基準に緩和したらどうか、そう考えるのです。日立台やNACK5スタジアムのような、規模は大きくないながらも、臨場感のあるスタジアムをより増やした方が、管理運営面でも負担も軽く、スタジアムアクセスに関わる駐車場や臨時バス等の問題もより軽くなり、昇格翌年で集客に苦戦するクラブでも、スタジアムの熱気を出しやすくも思います。

J2 総座席数5,000人、総収容数7,000人にしたい。

正直、本命的に緩和していただきたいと思うのはこちらですし、昨今のJ3基準のスタジアム建設ラッシュを見て、より球技専用スタジアムを増やせるだろう案はこれなのかと思います。

まず、こちらの基準としたスタジアムは、国立西が丘サッカー場(味の素フィールド西が丘)です。実際に東京ヴェルディが年間数試合を開催しており、昨年そのうちの1試合を観戦させていただきました。コロナ禍で入場数制限はあったものの、規模として手ごろで、かつ観客も臨場感のある試合を見ることができ、ここ数年新設されたJ3基準のスタジアムより少し大きな規模で試合開催できるので、管理運営もよりやりやすくなるのではないかと思います。

また、先ほどと同じように10年~19年の観客動員推移から見ても、全クラブの平均動員数がまず18年19年を除いて7,000人を割っています。次に、各クラブの在籍期間中の平均値を見ても、その10年間に在籍した全40クラブの中で、6クラブが平均4,000人未満、12クラブが5,000人未満となっており、更には7000人未満にすると半数の20クラブが該当します。
しかしながら、現行のライセンス基準である10,000人を超えているクラブは9クラブ、そのうち2シーズン以上在籍したクラブは5クラブ、3シーズン以上とすると3クラブとなります。

次に、単シーズンごとの平均動員数の中から、5,000人未満、10,000人以上のクラブを数えてみた場合、19年は5,000人未満のクラブが3クラブしかないものの、それ以外のシーズンでは6~10クラブは5,000人を割っています。しかしながら、10,000人以上のクラブは、平均して3クラブほどしかありませんし、その多くがJ1からの降格クラブや、昇格争いをしたクラブとなっております。
このような状況下で、10,000人という基準、更にはJ1の15,000人という基準で開催スタジアムを用意するとなると、必然的に国体開催で建設した陸上競技場が本拠地となることは仕方ないこととなりますが、そのサイズですらも過大と感じるクラブはありますし、国体開催競技場自体がアクセスが悪く、それによって観客動員に苦戦するというケースもあります。

それゆえ、これからの人口減少や過疎化社会を見据えて、J1を目指さない選択をするクラブも出てくるのではないかとも思います。そのようなクラブにとって、臨時バスの使用車両数を抑えられたり、多く駐車場を確保できて、アクセス道路の混雑もあまり心配する必要がなかったりなど集客面で有利であったり、管理運営面で費用の抑えられるスタジアムは、必然的に求められると思いますし、私はそのようなスタジアムが増えてほしいと切に願います。

J3 座席数3,000席は欲しい。

今まで、スタジアムのライセンス基準緩和の方向で話させていただきましたが、J3に関しては、ライセンスを厳しくする話となります。

正直、この3,000席という数に基準となるスタジアムはありません。14年~19年シーズンの平均動員数2,509人を基としています。

何故、収容数ではなく座席数であるかというと、芝生席や立見席では、初めて来た人へのホスピタリティ面で劣ってしまうことも考えてしまうからです。
子供連れや、芝生席での観戦に慣れている方にとっては、芝生席はいい環境かもしれません。しかしながら、例えば招待券等で初めてそのクラブをお試し程度に見に来た方にとって、ちゃんとした座席があるということは、とても大きなホスピタリティのひとつになることは間違いないと思います。
私はあまり招待券や格安チケットによる動員策は好きではありませんが、そのような施策を開催試合で行う場合に、3,000席もの座席数があるということは、より迎えやすい環境になるとも考えます。

さて、肝心の「座席」ですが、個席が望ましいとは思いますが、必ず個席である必要も無いとは思っております。宮崎のユニリーバスタジアム新富のようなベンチシートでも十分だとは思いますし、最悪座席番号さえあるのならば、今治のありがとうサービス夢スタジアムのような、コンクリ打ちっぱなしの石段状のものでも不足はないと考えています。座席がある、それこそが最低限のホスピタリティになることは間違いないと。そう私は思っております。

しかしながら、八戸のように現行のライセンス基準に合わせて新設したスタジアムでは、おそらくこの基準では対応できなくなります。そう考えた場合に、「総座席数3,000席以上、もしくは総収容数5,000人以上」このような形がいいのではないか、そう考えてしまいます。

とにかく、いい球技専用スタジアムが増えてほしい。

ここ数年の球技専用スタジアムの建設、改修ラッシュは非常にいいことだと思いますし、この流れが続いてくれることを強く願ってもいます。しかしながら、建設資材は今後も高騰が予想されますし、日本は少子高齢化による人口減少の局面に入っており、地方は過疎化による人口減少も起きております。
それ故に、大規模なスタジアムを建設して、その規模を必要とする大会も多く開催されず、維持管理費ばかり大きくなることはあまり好ましいとは思いません。だからこそ、中規模のスタジアムをより増やす風潮ができたほうが、その後に維持管理したり、試合運営や観客輸送、周辺交通などの様々な面において、より地域に根付いた活動にもつながるのではないかとも思います。

Jリーグがこれからも盛り上がって、本当に100年続くリーグとなってくれるように私は願っております。



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