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涼暮

朝、家を出るときの風がひんやりとするようになった。

夕方、17時ごろに水筒に水を汲もうとして、窓からこぼれる空色がたった2週間前よりも暗くなり「日が落ちるのが早くなったな、そろそろ寒くなるな」なんて思うようになった。

夜、最寄駅の改札を出た瞬間から暗く、風も冷たかった。
電車は込み合っているので熱量を感じる。なのに改札を出ればひとり。このギャップが心に隙間風。
半袖だと寒いかも、上着そろそろ羽織る季節か。と思いながら真っ暗な坂道を今日も登った。もう少し、闇が深くなると、途中の交差点と車の反射で色の三原色ゾーンがありたまにそのシルエットを楽しんでいる。

何もない駅だけど、冬に調子が良いと星空が広がっているときもあり、夜空を見上げながら帰る夜も多くある。
ただまだあまりにも今は良い風、散歩日和万歳。
今日のお昼は少し早い、だけどかわいい秋に巡り会えた。

夜は犬散歩のひとたち、部活帰りの青春少年少女。はやく帰りたそうな顔をしている早歩きなおとなとよくすれ違う。
坂道を全力歌唱しながら自転車を漕ぐひとも。
たまに私も誰もいないことを確認して歌いながら帰る。聞いている曲に対して適当にはもりながら帰るときはご機嫌かもしれない。

家に帰るのは最後の難関。
秋は虫も元気な季節なのか。
開けるドアの手前に虫がいたり、
階段の狭間にいてちょっと体が驚いてしまう。
階段は細いから気合いのきゃー!で頑張って登っているけれど、開けるドアにいる時は無力。
いつも諦めて散歩するか誰か入るのを待つ。
最近チラシで自分の腕を2倍伸ばして距離を取ると言う戦法が功を奏しているけれどできればこの戦い自体をないものとしてほしい。

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