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『プリコネ』という下駄を履いていなくても『オートチェス』は面白いのか?

 『プリグラ』こと『プリコネ!グランドマスターズ』最高〜!

サービス期間は4/1〜4/10まで!

 どうして『10日間』だけなのよォオオオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!

 こんなにも時間を忘れて遊べるゲームに触れたのは久しぶり。『ヴァンパイアサバイバーズ』にハマっていたころと近しい雰囲気で、遊び続けることに危機感を覚える。だってこのゲームの中には何もないから。このゲームを遊び尽くすこと以外何もないから。いや、ゲームって基本的には遊び尽くすこと以外何もないな……もしかしてゲームって遊ぶだけ時間の無駄人生の無駄ゲームは世界の無駄無駄無駄無駄? うっ頭が……。

 ……待てよ?

 『プリグラ』がこんなにおもしれえってことは……オートバトラーの草分けである『オートチェス』はもっとおもしれえんじゃねえか!?

 ※『プリグラ』は”オートバトラー”と称されるジャンルのゲームだ!戦闘ごとに獲得できるゴールドでランダム提示されるユニットを購入してパーティ構築!戦闘は自動で進むからユニットの揃いと盤面への配置、そして運がその結果を左右するぞ!まぁだいたい麻雀だな!麻雀!※

 天才的な発想だ、そう思った。

 だがしかし、それはあくまでカードの表。めくった裏には懸念の刻印がふたつ。

 まずひとつ、そもそもオートバトラーのゲームは他にやったことがない。『プリグラ』にて下ろしたての筆を、こうして振るっている最中だ。

 俺はオートチェスというジャンルを楽しんでいるのではなくて、あくまで『プリコネ』を母体としているゲームだから『プリグラ』を楽しんでいるんじゃないのか?

 これが懸念のひとつ、というか大半。ちなみに『プリコネ』は三回くらい引退している。レイの新規が実装されたら呼んでくれよな。

 この懸念はおおよそ偏見からなるものなのだが、まぁ聞いてほしい。

 『オートチェス』のみならずこういう海外生まれのゲーム好きが作ったゲーム好きのためのゲーム・クレイジー・オブ・ザ・ゲームみたいなもんは得てして、魔法ばかり達者で枯れた雑草みたいな髭と眉毛を生やした枯木みてえなおっさん戸愚呂n%で表現できうる外観的印象から一部たりとも違わず命を叩いて壊すこと以外能のないおっさん故郷をゴブリンに滅ぼされた復讐者然としすぎてだんだんゴブリンみたいになってきたおばさんマジで骨と皮しかないんじゃないのかお前もうちょい飲食を楽しめってくらい全身の陰影が濃過ぎるおばさんがプレイアブルキャラで、その敵は人間を溶かして食うことを言葉でなく外見から伝えるタイプのスライムだいたい牙と爪を人間の血で濡らしているきったねえ獣人そしてあまりにも尊大だがそんだけ踏ん反り返るだけの風格を漂わせまくっているクソデカドラゴンあとなんか瘴気あと蛇。そういうもんなのだ。そういう風に見えているのだ、俺からは。

 要するに、『マジック:ザ・ギャザリング』だ。どいつもこいつもフランスも。

 俺は『ヴァイスシュヴァルツ』のほうがいいんだよ!!!!!!!!!!

 出直してこい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 これが懸念その2、というかひとつ目の懸念を具体化したにすぎない。

 改めて言語化すると、「かわいい女の子以外画面に映すな」、だ。

 きわめて横暴な物言いではあるが、これは結構大切な事だ。

 ”ローグライク”と呼ばれるゲームジャンルがある。日本では『不思議のダンジョン』シリーズで知られるジャンルだが、その祖である『Rogue』というゲームは、画面情報が全て文字だ。絵とかない。

これは『Rogue』ではなくその拡張版にあたる『NetHack』のゲーム画面だが
文字だけですべてを表現しているのは同じだ

 操作キャラや落ちてるアイテム、通路に至るまで何もかもが記号だ。@とか?とか#で全てを認識するのだ。それを、何回も何回も何時間も何時間も、PCに張りついて繰り返し遊び続けるのだ

 やりたいか? おもろいからってこんなもん。

 素直に言いな? おっぱいのでっかい女の子はどこだって。

 だから不安なのだ。『オートチェス』に対する偏見はその面白さをコーティングする部分に集約されている。ペコリーヌは『オートチェス』にはいない。どうしてだよ。由々しき事態である。だって『プリグラ』は4/10までしか遊べないから。俺たちのシンデレラ城だから。魔法はいつか解けてしまうものだから。

 だから、魔法にまたかかりに行こう。

 待ってなんかいられない。かけてもらうのを待つんじゃない。かかりに行こう。俺は、そのための手段を知っている。

 『オートチェス』で遊ぼう。

 『ヴァイスシュヴァルツ』なんかじゃない、『マジック:ザ・ギャザリング』に酔いしれよう。ジェネリック『プリグラ』として。順序は合ってる。逆じゃない、これが正位置。だって俺はいつまでも『プリグラ』で遊びたいんだから。

 さあ、夢と冒険と!オートチェスの世界へ!レッツゴー!


 『オートチェス』の導入方法は難しくない。Steamで無料だ。てっきり有料買い切りだと思っていたが、これはありがたい。なにせ『プリグラ』だって無料だし。買い切りなら恒常的に配信してくれたりするのか? 買うから配信してくれよ。

ログイン画面的なもの
俺のプレイが浅すぎるせいか描かれているキャラ達には一切見覚えがない

 起動してみるとこんな感じだ。さっそく「さっきは少し言いすぎたかもな」と思う。女の子は結構かわいい。少なくともゴブリンもどきや拒食症ではないだろう。

良いと思います!
でも入手しようとすると……ね?
基本無料のゲームだから……ね?

 どちらかと言うとこれは『オーバーウォッチ』とか『幻塔』とかそういうセンスだ。少なからず日本的ではないが、これはこれで……よし!

 というのは本題ではない。いや大切なことではあるので真っ先にチェックさせてもらったが本質はそこではない。『オートチェス』はおもしれえのかって聞いてんの!

 とりあえずチュートリアルからやってみた。『プリグラ』との相違点はあるのか、いきなりランクマへ飛び込むよりは探りやすかろう。

よくある若干怪しい言葉遣い
嫌いではないが金はかかってないなと感じる

 チュートリアルを終えてからAI戦、オンラインでのカジュアルマッチまでやってみると、違うところはいくつか挙げられる。

 まず、またビジュアル面での指摘になるがこれも大切なので言わせてもらいたい。

 駒の識別が難しい。というかそもそも駒の種類が多すぎる。分かんねえっていきなりそれは!

 面倒なので画像は省くが、霊刃の騎士・羊の騎士・竜の騎士・煉獄の騎士はいともたやすく間違えられる。騎士多くない? ちなみに霜の騎士とウィンターワイバーンも間違えた。こういうのは任せろ。

 それ以外にも、いくつか相違点はある。例えば経験値にゴールドを使う=レベルが上がる、ではない。

 この画像を見てほしい。

この画像
AIと戦えるトレーニングマッチで撮った

 画面左下の丸いやつ、EXPとかレベル6とか1/16とか書いてあるのが分かるだろうか。ここをクリックすると金で経験を買えるのだが、一度に4ゴールド支払って4EXP買える仕様となっている。この画像の状態、つまりレベル6のEXP1/16でEXPを一回クリックするとレベル6のEXP5/16になるため、レベルを上げるためにはあと3回、EXPを買う必要がある。ここは『プリグラ』から入ると「レベル上げたのにレベルが上がってない!?」と混乱する可能性のあるところだろう。自分はした。だからきっとほかの人もするはず。

 これは『プリグラ』において意図して簡略化された部分だと思われる。「経験値を買う」より「レベルを買う」の方が一目瞭然だ。経験値購入式の場合、あとどれくらいでレベルが上がるのか、中盤以降には直感的に目星をつけづらくなってくる。どうせやることが同じなら構造をシンプルにして分かりやすくしよう、という姿勢は頷けるものがある。

 ゲームのプレイングを簡略化したであろう、という話をするとゲーム自体を簡略化しているとも言える。『プリグラ』は一度のプレイにかかる時間を短くしてあるようなのだ。

 『プリグラ』よりも『オートチェス』の方がプレイヤーのHPが多く、勝利時に与えるダメージ量が少なくなっている。『プリグラ』はラウンド20まで行くこともなくワンプレイが終了するはずだが『オートチェス』はラウンド20あたりでようやく脱落プレイヤーが出始める。いいとこ中盤戦である。

 この差は、要するに序盤で負けながらパーティの育成方針を組みやすいか否かに尽きるのではないだろうか。『プリグラ』よりも『オートチェス』の方が駒の総種類は多い。数えていないがどう見ても多い、たぶん。そしてレベルが上がりづらいということは、低レアリティの駒を育て続けることも考えやすいことにつながる。となればやはり、計画的な育成がより大切になってくる。『プリグラ』よりも『オートチェス』の方が運の要素が薄まって、経験者に有利な環境と言えるだろう。

 モンスター戦も『プリグラ』より『オートチェス』の方が多く、また適当にやってると負ける。スマホでこの記事を書きながらPCで『オートチェス』のカジュアルマッチ(ランクマだと思って始めたら違った)をやっている人間が言うのだから、そうなのだ。レベル上昇に時間がかかる点も含め、より一度のプレイでゲームの攻略を楽しめるようにしてあるのだろう。もしくは「いや2先じゃ実力分かんないよね、10先で勝たないと(笑)」とかすぐに言うタイプ(本当にこんなこと言うやついるのか?)の格ゲーマーが開発に関わっているはずだ。おそらく後者だ。

 相違点だな〜、と感じたのはこんなところであろうか。あと接敵速度がものすごく速いので”陣形”を感じないとか、マス目が六角形ではなく四角形だけどその違いによる意味性はそんなに感じなかったとか、付け加えるにしてもそんなもんである。総じて細かい差異だが、それらが合わさってゲーム性に変化をもたらしている。要するに、パッとお手軽に遊ぶかガッツリ入れ込むか、だ。『プリグラ』もしっかり作り込まれているのだが、『オートチェス』と比較すれば非常に手触りよく、かつ初心者向けに調整されていると感じる。すごくありがたい話だ。

 ……で、自分は断然『プリグラ』派。『オートチェス』はちょっと肉厚すぎる、ジェネリック『プリグラ』とするにはこってりしすぎている

 だが、『オートチェス』がダメだつまらんクソゲーだ!と言いたいのではない。むしろ『オートチェス』の方が好きだわ『プリグラ』とかなんだよ媚びやがってよお!みたいな人もいるだろう。単純に好みの話なのだ、どっちも好きな人もいれば、どっちかのが好きな人もいる。無論、どっちも好きじゃない人もいる。それだけの話なのだ。

 だから、『プリグラ』をいつでも選んで遊べると人類はより幸せになれる。再び相まみえるのは来年のエイプリルフールか、それとも……。


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