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障害者の方々に触れて

昔話ですが

昔先輩のご縁で、障害者福祉施設でインターンさせていただいたことがあります。その施設では熱帯魚水槽のリース(病院等に設置してある水槽とか)サービスを行っており、バックヤードとなる場所で障害者の方々が熱帯魚のお世話を行っていました。また同時にアワビの室内完全養殖の研究もされており、その飼育も障害者の方々が担当していました。先輩はそんな障害者の方々を指揮する立場でした。

本来はインターンというインターンは取っておらず、その先輩との繋がりで特別にインターンさせていただいた形です。

最初、ボクはかなり身構えていました。障害者の方々とガッツリ関わることなんて今までなかったし、正直なことを言ってしまうと、電車内や街中で大声をあげていたり、騒いでいたり、迷惑ではないけどビックリしてしまうことが多い方々という印象が強くありました。

そして普段はその施設内で働いて暮らし、部外者が入ってくることなんてない場所に突然見知らぬ男(ボク)が入ってくるのですから、きっと冷たい目で見られるに決まってる。なんて考えながらインターンに行きました。

が、しかし。
彼ら、めちゃくちゃ優しいしめちゃくちゃ可愛いではありませんか!入るや否やボクに興味津々で沢山話しかけてくる方、仕事中真顔でもいざ話しかけると「ニコーッ!!!」て笑ってくれる方、ボクの思ってたイメージなんてやはりただの偏見でしかなかったのだと。

元々ある程度魚の飼育の知識はあったので、「こうするともっとやりやすいよ」とかいろいろアドバイスもしました。日に日に打ち解けていき、ボクの抱えていた不安などなくなりました。

室内のアワビや熱帯魚の世話に留まらず、実際に貸し出している病院に出向いて、リース水槽のお手入れなどもしました。その際共に出張に出た方が熱帯魚・アワビ養殖部門の部長さんで、某大海洋学部卒の方でした。病院に向かう道中、部長さんも海洋卒ということもあり、とにかく話が合う合う。ボクが運営してた北里アクアリウムラボの話や、潜水部(ダイビングの部活)の話、フィールドワークの話、部長さんが入社するに至った経緯や東海大での話……インターンのはずなのに、楽しくて楽しくてたまりませんでした。仕事後、部長室で部長さんと5時間意味もなく語り合っていました。

短い期間でしたが、間違いなくこの経験が今の自分の糧になっています。楽しかった、障害者の方々への見方が変わったと同時に、彼らの実態も知りました。どれだけ働いても、彼らの時給は数十円だそうです。数百ではありません。数十円です。そんな彼らの社会への復帰を目指して日々この福祉施設で彼らと共に働いているそうです。

水族館や博物館は「誰でも利用できる施設」が求められています。しかし、少なくともボクのいる施設では全く達成できていません。

もっとバリアフリー化が進み、障害者の方々でも楽しめる施設作りをしていきたいですね。

同時に、彼ら障害者が社会でもっと人らしく生きられるような世の中になることを願います。

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