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【アーカイブ記事】米米プロジェクト2019
(2023年9月再掲載)
実施日程 2019/6/29
田植えからアートまで!? 参加型企画「米米プロジェクト」始動!
2019年6月29日、1つのプロジェクトがスタートしました。
場所は、池袋駅から電車とバスを乗り継いでおよそ80分行った先、埼玉県比企郡ときがわ町。
周囲を山に囲まれ、道路の脇には田んぼが並ぶのどかなエリアの一画に、ひと際目を引く大きなのれんがありました。
木々や草花が作り出す青々とした景色に映える、鮮やかなオレンジ色。その中に書かれていたのが、今回のプロジェクトを主催する池袋にある商業施設・WACCAと、米米プロジェクトのロゴでした。
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「田植えからアートまで。施設と地域・お客様で作る参加型企画」の名のもとに始まった米米プロジェクトは、田植えから稲刈り、収穫したお米を食す収穫祭。収穫後に残ったわらを使ったわらアートやしめ縄作りまでを行う、およそ半年のプロジェクトです。
この日はプロジェクトの第1弾、田植えの日でした。
弱い霧雨の降る中、今回の田植えに参加したのは、老若男女、国籍も関係なしの20人。最年少は、5歳の男の子でした。
参加者の皆さんはぬかるむあぜ道に転ばないよう慎重に足を進めた後、案内に従って、田んぼの中へと入っていきます。慣れない泥の中での足運びに緊張し、気をつけながら歩く中で、誰からともなく、自然と笑いがこぼれていました。
和やかな雰囲気の中、オレンジ色のヒモに沿って一列に並んだ参加者は、今回田んぼを提供してくださった「里山ぐるぐるスマイル農園」の中澤さんより、田植えの手順と諸注意について説明を受けます。
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一区画全てを手で行う今回の田植えでは、2本のヒモと、そこに付けられた黒い目印を頼りに苗が植えられていくという方法で、手順自体はとても簡単。
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鮮やかな中澤さんの手つきを観察し、一人ひとりがイメージトレーニングをする中、苗が回されていきました。
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田植え開始前の写真撮影を済ませ、田植えがスタートです。
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中澤さんの教えに沿って、丁寧に苗を植えていく参加者の皆さん。
隣の人たちと声を掛け合い、抜けている所があれば教え合いながら、ゆっくりと、着実に苗を植えていきます。
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一列植え終えた後はヒモを前へと移動させて苗を植え、苗が足りなくなれば田んぼの外から苗を投げ入れてもらい、というチームワークの中で、田植え作業は進んでいきました。
都会を離れ、緑に囲まれた環境の中で、田植えに打ち込む姿は真剣そのもので、初参加とは思えないほど、作業スピードもどんどん上がっていきます。皆さんのやる気が空に伝わったのか、雨はその内に止み、暑すぎず寒すぎず、最高の状態での田植え作業となりました。
途中休憩を挟む予定だったにもかかわらず、「一気にやってしまったほうが良い!」という参加者の皆さんの熱意に押されて休憩はナシとなり、黙々と田植えは進んでいき、およそ2時間で、終了しました。
いっぱいお米を実らせたい! という皆さんの想いが強すぎたのか。途中、用意していた苗が足りなくなってしまったこと以外は、転んで泥だらけになってしまうなどのトラブルもなく、無事、作業を終えることができたのです。
「いや〜疲れた……」
中腰の姿勢で作業し続けた参加者の口からはそんな言葉も漏れていましたが、振り返って、田植えを終えた田んぼを見ると、目を輝かせます。
「綺麗ですねぇ……!」
2時間前までは何もなかった田んぼが、自分たちが植えた苗によって、やわらかな緑色に染まっている。その姿は、周囲の田んぼと比べるとまだまだ弱々しいものですが、かわいらしく、愛おしくも思えてきます。
皆さんの顔には、爽やかな、やりきった笑顔が浮かんでいました。
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しかしこれは、終わりではなく、スタートです。
「ここから30キロ穫れるか、150キロ穫れるかは、手入れ次第です」
中澤さんの言葉に、参加者の皆さんがお米を作ることの手間と難しさを感じたところで、田植え作業は終了しました。
ただし当日のプログラムは、ここでは終わりません。
最後には、田植えの労をねぎらう、豪華な昼食が用意されました。この地域で採れた無農薬野菜を使っての料理の数々に、参加者のみなさんは驚くと同時に、一気に顔がほころびます。
疲れた体に染み渡る料理に笑顔を浮かべつつ、今日の田植えの話やお互いの話に、花を咲かせました。
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年齢や職業に関係なく、田植えという一大イベントをやり遂げた一体感と満足感が、その空間にはありました。
今回この場に集まった参加者の皆さん、指導をしてくれた中澤さん、そして運営スタッフとの間に、前日までにはなかった『つながり』が出来た瞬間でした。
その昔、一家総出で田植えをすることは、仕事であると同時に、一緒に1つのプロジェクトを行うことで、家族のつながりを確認し合う機会でもあったのではないかと思います。
米米プロジェクトの願いも、『つながり』です。
「農」を体験することで地域とつながること、「食」を知ることで、美味しく頂くこと、「アート」を見て感じること。
異業種や異文化が、地域や仕事、ライフスタイルを超えてつながり合う、半年間のプロジェクトはこれからも、新たなつながりを生み出していきます。そこでどんな化学反応が起こるか、まだ誰もわかりません。
しかし1つだけ、確信して言えることは、今回参加した皆さんがそうだったように、米米プロジェクトに参加することで、新たな体験や人とつながることで笑顔にもなれるし、人生のひと時が豊かになるということです。年齢も性別も、国籍も関係はありません。今回の参加者の皆さんが、証明してくれています。
これから稲がぐんぐんと成長するのに合わせて、米米プロジェクトの参加者がさらに増えていったら次にどんなつながりや、喜びが生まれるのでしょうか。
毎年、田植え、稲刈り、そして食べるというサイクルを繰り返すことで栽培の方法などを改良し、収穫量を上げていくのと同じように、米米プロジェクトはこの後も、そして来年以降も続き、参加者を増やし、つながりや、参加者の方々の喜びも、どんどん増やしていく計画です。
その一員になれるとしたら、と考えると、ワクワクしてきませんか?
次回、稲刈りの際でももちろん構いません。このプロジェクトに、参加してみませんか?
未来に繋がるつながりを得られる機会に、きっとなるはずです。
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米米プロジェクト第2弾!「稲刈り」
実施日程 2019/10/14
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2019年6月29日にスタート。田植えからアート作品制作までに、多様な思いを詰め込んだ「米米プロジェクト」。その第2弾を、10月14日に開催致しました。
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甚大な被害を残した台風19号上陸から二日後。途中、水かさが増した姿の河川を目にしながら、現地(埼玉県ときがわ町)へ到着。そこには、心配を他所に、現地には輝く稲穂の姿がありました。
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あいにくの曇り空の中でさえ、多々形容に用いられる「黄金色」が広がります。
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今回も里山ぐるぐるスマイル農園の中澤様にご協力を頂いてスタート。
「おお~」と歓声の上がる稲刈りの手さばきでレクチャーを受け実践。稲の間から飛び出てくる虫やカエルに悲鳴を上げ、ぬかるみに足や靴をとられながら各々のペースで刈り進みます。
恐る恐る鎌を手にする参加者の皆様も、次第に集中した真剣な面持ち変わり、慣れてくると、笑顔がこぼれ楽しみながらの作業となりました。
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「稲刈り」は刈る作業だけでは終わりません。収穫した稲穂を干すところまでが一連の作業。
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恐らく皆さん目にしたことがあるこの光景。中澤様からの、器具や干し方の説明に皆様関心しきり。「稲木」「ワラを2体1に」全ての物・作業に理にかなった理由があります。
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みなさま収穫されたお米を口にすることを思い描き、稲刈り後の集合写真。次回は、11月開催予定の「収穫祭」でぜひお会いしましょう!
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米米プロジェクト第3弾!「収穫祭」
実施日程 2019/11/17
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食材は、一体どこからやってくるのか。
そんな風に、自分が食すものについて考えたことが、ここ最近ありますか?
流通の技術が発達し、季節に関係なく美味しい食材がスーパーには並び、コンビニにはお弁当やお惣菜が並んでいる。
そんな日常が当たり前になり、食材についていかに目もくれていないのか。
今回開催された収穫祭に参加した私は、その事実を強烈に感じたのでした。
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11月17日に開催された収穫祭は、米米プロジェクトの集大成。これまで米米プロジェクトに参加してきた参加者、また関係者をお招きし、約50名の方のご参加で、開催されました。
そもそも米米プロジェクトとは、『田植えからアートまで』のキャッチフレーズを掲げ、米米プロジェクトを通じて、『農』を体験し、地域と繋がる。『食』を知り、美味しくいただく。『アート』を見て、感じるという考えの下で今年行われた、約5ヶ月のプロジェクトです。
6月29日に田植えを行い、10月12日に稲刈り、そして今回の収穫祭にて、自分たちで作ったWACCA米を食しました。
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収穫祭の第1部で流された今回のプロジェクトの経緯を真面目に見る参加者の皆さんからは、楽しかった思い出を振り返るのと同時に、農業の大変さを改めて感じている様子を感じました。
今回のプロジェクトでは、ぐるぐる農園の中澤さんの指導の下、田植えに稲刈り、そして雑草の除去に至るまでを手作業で行い、農薬も使っていません。
スーパーで目にするようなお米に関して言えば、ここまでの手間は掛けていないにせよ、農家の皆さんがあってこそ、普段の美味しいごはんが食べられるんだ、ということを、改めて思い出させてくれたことと思います。普段食するごはんと、農家の皆さんとの『つながり』を、再認識するスライドでした。
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スライドが終わると、会場のあちこちで、小さな歓声が上がりました。
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そう、本日の主役、WACCA米を炊いた、ごはんの登場です! 炊きたての、しかも新米のごはんは、それだけで人を笑顔にする力があるのです。
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収穫祭の第2部は、おにぎりの調理体験。
スタッフによるおにぎりを作るポイントの説明があった後、自然と各テーブルで、しゃもじを持ってごはんをかき混ぜる人、おにぎりを作る人などの役割分担ができ、おにぎり作りに入ります。
すると一気に会場は明るくなり、あちらこちらで笑顔の花が咲きはじめました。
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ご両親からお子さんへ教えているグループもあれば、お友達同士で教え合いながら作っていくテーブルもあります。中には、初めて会ったお子さんに教えている場面などもあり、グループ内で一気に『つながり』が生まれていきました。それぞれの大きさ、形のおにぎりを見て喜びあい、褒めあう穏やかな空気に、会場は包まれました。
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そしていよいよみんながおにぎりを食べてみれば、会場内の雰囲気はより温かく、また、明るく変化していきます。
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「美味しい?」
と、お母さんが聞けば、
「美味しい!」
と、声を弾ませてお子さんが答えます。
「美味しいね」と、自然と周囲の人と感想を交換して、笑顔になっていく人たちもいました。
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ただ一緒におにぎりを食べただけなのに、まるで家族のような『つながり』を感じさせてくれる光景が、各テーブルには広がっていきます。
会場全体も、参加者・スタッフ関係なく、一つの大きな家族のようになり、笑顔の花が咲き乱れていました。
『食』のパワーを、改めて感じさせられる瞬間でした。
『食』があるだけで、人は明るくなるし、人とつながることも出来る。
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ただただ、栄養を摂るためだけ、空腹を満たすためだけに食しているときには、まるで意識できないことでした。
田植え、稲刈りも自分たちの手で行い、どんな風に食材ができているかを知るからこそ、わかることがある。
丁寧に食材と向き合い、味わうからこそ『つながり』を感じることが出来るんだと、参加者の皆さんは、おにぎりを頬張りながら、直感的に感じたことと思います。
『つながり』を大きな一つのテーマとしてきた米米プロジェクトは、大成功で幕を下ろしました。
今回のWACCA米の稲刈りの際に出たわらは、『わらアート』として生まれ変わり、米米プロジェクトを知らない人たちとプロジェクトをつなぐ重要アイテムとして、WACCA1Fにて展示中。
WACCAの鈴木館長は、『地域とのつながりを、もっともっと増やしていきたい』と、会の中で述べられました。
来年以降、新たにどんなプロジェクトが生まれ、そしてどんな『つながり』が生まれるのか、ご期待ください。
そしてその時は是非お気軽に、プロジェクトにご参加いただければと思います。
あなたが参加することで、今年とは違う、新たな『つながり』が、きっと生まれるはずです。
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