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子どものデジタルデバイス。どう管理する?

はじめに

ラボアンドタウンでは、2024年度から全校舎で子どもがパソコンを常時利用できるようにしました。今日は、その様子とラボの環境をご紹介します。(トップ画像は、発展途上のラボの街です)

ラボの子どもの様子

早速、子どもたちはみんなで集まってワイワイしながら交代交代で触っています。私が子供の頃、ファミコンでみんなが順番待ちしながら遊んでいた様子とそっくりで、ほっこりしながら見守っています。

男子に人気のマインクラフト

男の子の一番人気は、マインクラフト。

ラボアンドタウンでは、有料サーバーを借りて、
専用のラボ&マインクラフトの世界を用意しています。

マインクラフトはレゴと似たようなものです。
レゴは、物理的なものなので毎日片付けしないといけません。
一方、ヴァーチャル空間のレゴといえるマインクラフトは、バーチャル空間でつくったものを残して広げていけるのが醍醐味です。

私も毎月毎月まちが発展していくことを楽しみにしています。

子どものスキルに驚愕!大人の生産性の100倍!?

実は、当初はキーボード使いこなせるかな?と心配していたのですが全くの杞憂でした。

マインクラフトをしている子どもをみていて思うのは、子どものデジタルリテラシーの高さと創意工夫の素晴らしさです。

単純に大きな建物ひとつつくるのに、大人の生産性の100倍くらいの生産性で、正確に素早くブロックを積み上げていきます。
ある時は、ひとつずつブロックを積み上げるのではなく、既存の地形を崩して建物をつくるアプローチをみた時は、その創意工夫に驚きました。

他校者交流も生まれています

先日は、マインクラフトに他校者のメンバーがはじめて入ってきたことで大騒ぎ!
最近は、3校一緒になってボスキャラを倒した!!!と嬉しそうに報告してきてくれました。

マインクラフトが各校の交流を深めるきっかけになることは狙っていましたが、チャットや会議よりもゲームから、しかも非言語でスタートするのは今の子どもらしいなと思います。

今後、ビデオ会議などを使った共同イベントなどもやっていければいいなと思っています。

男の子に押されがちな女の子

今のところ、男子のパソコン予約が殺到し、女子の利用は少ない様子です。
絵を描きたい!という要望もあるので、デジタルペイントができるように、タブレットの導入をしました。どんな作品を作っていくか今から楽しみにしています。

大人は子どものデジタル利用にどう向き合うべきか?

ここまではラボの子どもの様子でしたが、そもそも子どものデジタル利用について考えていきましょう。

デジタルデバイスの使用時間は2時間が目安

日本小児科学会からは、子どものデジタルデバイスの利用は1日2時間程度を上限とした方が良いという推奨がでています。

1日は24時間です。子どもの生活時間の中で、睡眠時間、食事の時間、園や学校で過ごす時間、友達をおしゃべりや遊ぶ時間などをひくと2時間が限度であろうというのが提言の根拠になっています。その後も学力との関係で、平日1時間以内と4時間以上ではどの教科もきちんとメディア接触時間をコントロールしている子どもの方が有意に得点が高いという結果も出されています。子どもの年齢がいくつなのか、どのような生活をしているのか、そのときの社会状況(オリンピックの中継やサッカーの>世界大会など行われていれば2時間以内は守れないかも知れませんがそれはそれでいいのです)基本的に「2時間以内」を「目安」として生活の中に取り入れて欲しいと思います。

日本小児科学会「子どもとスマホ・メディア」より

子どもが日常生活を営む上で必要なこと(睡眠、学校、食事、友達との遊び、宿題、家族の時間)を引き算した場合に適切な時間として算出しています。

まず、ひとつの目安としてしっかり覚えておきたいポイントです。

「過度に利用制限する」ではなく、「使いこなす」をめざす

私は、デジタルデバイスの利用について、「できるだけ使わないようにする」というスタンスは、もはや時代遅れだろうと感じています。

デジタルネイティブ、AIネイティブの子どもたちにとっては、デジタルの利用の制約は、致命的であると考えます。

AIの利用をできるかできないかで特定業務での生産性が100倍変わる時代で、その利用を制限されることは、社会で活躍する上で大きなハンデになるからです。

ですので、「デジタルをどう制限するか」ではなく、「デジタルをどう使いこなすか」に焦点をあてた方がよいと考えます。

デジタルの利用時間は、目的で区分する

デジタルはあくまでツールですから、やはり最後は、利用する目的が何より大切です。

「自分1人で娯楽のため」に利用するデジタルデバイスの利用時間は、厳密に利用時間を守るように促す。

「自分1人で学びのため」に利用するデジタルデバイスの利用時間は、大目に見つつ、やったことを確認して認めてあげる。

「みんなで楽しむため」に利用するデジタルデバイスの利用時間は、友達や家族の時間として位置付ける。

など、目的を加味しながら、「デジタルデバイス2時間目安」を基準に、家族でルールをつくるとよいと思います。

仕事や家事の合間に動画を見せることは悪いこと?

保護者の方には、子どもに1人で動画やゲームをさせることに罪悪感を感じることもあると思います。ですが、極端な制限や放置ではなければ、親の仕事や家事の合間に子どもが娯楽の時間を持つことは悪いことではないと思います。

家族全員がハッピーになり守ることのできる丁度良い塩梅のルールができることを願っています。

ラボでのデジタル環境とルールについて

ここでは、ラボでの環境とルールについてご紹介します。

セキュリティ対応

まずは、利用にあたっての不適切なサイトへのアクセスがないように、校舎別にアカウントを設定し、許可しているサイトやアプリの利用だけできるようにしています。

具体的には、
・検索エンジン(Bing / Google)
・microsoft office(資料系)
・Canva(デザインツール)
・scratch(プログラミング)
・youtube(動画)
・MyTyping(タイピングソフト)
・Minecraft(教育的ゲーム)
・アイビスペイント(描画ツール)
などです。

利用目的

単に、youtube動画をみたい!や、ゲームをやりたい!ではなく、自分の興味関心を深めることや自己表現力を高めるなど、目的を持って能動的に使うことを大切にしています。
(1人で動画やゲームを受動的に視聴することは、民間学童保育で子どもを預かる時間においては必要ないと判断しています)

遊びか?学びか?という観点でいうと、線引きはあってないものですので、本人の目的と意図をまずは尊重して利用してもらっています。

利用時間

現時点では1人の利用時間は20〜30分程度としています。
今後様子をみながら利用目的や年齢に応じてルール設定していく予定です。

今後は独自のイベントも企画していきます!

最近、EDIXという教育分野のデジタル環境をテーマにした展示会に参加しました。その中で、韓国のEdu-Techベンチャーの教育ツールが面白く、ドローンをプログラミングしたり、物理的な楽器をプログラミングで自作できるものがあり大変興味深かったです。

いくつか購入してみたので、プログラミング教室に通っている子ども達とまずは一緒に実験して遊んだり、イベントとしてデジタルと触れ合う機会を創っていこうと思っています。

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