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それぞれ悩みがあり苦悩している… 【サマーゴーストについて】

こんにちはNです。
皆さんは、夏といえば何を思い浮かべますか?
花火、それとも肝試しですか?
私は、花火ですね。
近年コロナの影響で、花火大会が中止になっていましたが、規制緩和もされてきていますし
今年は各地で、花火大会が開催されるそうなので楽しみです。

そんなわけで、
今回は短編映画
「サマーゴースト」について
書いていこうと思います。

サマーゴーストはイラストレーターのloundrawさんの初監督作品で2021年に公開された短編映画です。
監督のloundrawさんは、小説のイラストカバーでデビューし、小説「君の膵臓を食べたい」の表紙の
イラストも手掛けています。
そんなloundrawさんの初監督作品
サマーゴーストについてです。

この作品に主に登場する
3人はそれぞれ問題や悩みを抱えています。
その1人、友也は自分の望む進路があるが
親に抑圧により自分が何をしたいのかすら見えなくなってしまった少年。
あおいは学校でいじめられ
周りに助けてくれる大人もいない状態
生きている意味すらわからなくなっている少女。
そして涼は、病気に侵され
余命9ヶ月と告げられ絶望している少年。
それぞれ先の未来に希望を見出せず
「死」を考えています。
そんな3人が集まり
死に触れようとしてる人にしか見えない
サマーゴーストを探しに行くことになります。
3人には現実を変えたいと思ってはいるもののそう簡単にいかないのが現実。
周りの環境や、大人という自分たちではどうしようもないことに悩まさせます。
しかし、サマーゴーストのあやねに出会いにより、
これまで噂だと思っていた幽霊に出会ってしまったことにより、
これまで朧気だった「死」というイメージがはっきりとしてしまいます。
人生において生きる意味とは何か、死とは何かが
わからなくなり、
一度は死を考えた3人はそれぞれ悩みます。
その答えを探し自分のなりの答えに辿り着き、改めて自分の人生、生きるとは何かを考えることになる。と言った作品です。

この作品は、見せ方が上手いと思わせるシーンが
いくつもあります。
それは時間が一方通行で流れているのではなく、
2つの場面が同時に流しているシーンがあります。
そうすることで、シーン毎にリンクする場面が
わかりやすくされていて、
そのシーンの中にある物の意味がわかるように
なっています。
1番わかりやすいのは、最後にあやねの入ったスーツケースを掘り出すところと
友也のクローゼットの奥にしまわれたキャンパスボードを出すところです。
自分の置かれている現状や
周りの人間は変わることはない、
しかし自分は変えられるということを伝えている演出だと思います。

そういう演出がされていると感じたのは、この映画の作画の美しさと音楽です。
監督が、イラストレーターということもあり、
作画は一つ一つが美しく、
どこを見ても一枚絵のようでした。
キャラデザも、線が細いというのもあり、
その今にも壊れてしまいそうな作画が
キャラの心情を表しているように見え、
映画のテーマとマッチしているように
感じました。


そして音楽も素晴らしかったです。
歌詞があるわけではなくか細いピアノの音だったので作画とも合っていますし、
キャラの心情や風景をより美しく彩りかつ
没入感を感じさせる音楽でした。

そんなこの作品はストーリーを楽しむというよりは、自分を見つめ直すための映画だと思いました。
今生きている私たちにも、
楽しいことだけがあるわけではなく、
人間関係での悩みや、周りからの圧など、
辛いことがあり、時には
死にたいと思ってしまう時があると思います。
そんな時にこの作品を見ると、
主人公たちに共感でき、
自分が本当にしたいこと、
先の未来にはなにがあるのか、
生きるとは何かを自分自身に問える作品かと思いました。

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