37歳差のコンビ誕生秘話。POL創業者の2人が3年間を振り返る
株式会社POLは、2019年9月23日に創業3周年を迎えました。
今回のnoteでは3周年を記念して、弊社代表取締役加茂と取締役吉田(元ガリバー・インターナショナル社(現IDOM社)専務取締役)の対談インタビューを行いました。
多くの経営者を見てきた中、惹かれあった2人
-お互いのどんな所に惹かれて共同創業を決めたのですか?
(加茂)
吉田さんの戦略思考力と人格に惹かれましたね。知人の紹介で吉田さんに出会ったんですが、その時の衝撃が大きかった。その頃は、色んな起業家や投資家の方にお会いしてたんですが、その中でも吉田さんは群を抜いてました。
戦略思考力が高い人と話していると良い戦略が出てきてワクワクしてくると思うんですが、吉田さんと話すとそういうワクワクがすごくて、この人戦略思考力が半端ないなと思ったんです。あとは、アドバイスや指摘の本質度合いもすごかった。
人格という点で言うと、社会のために良い経営者を育てたいという想いが素晴らしいなと思いました。
最初にぶつけた事業の構想は、サービスアイデアがイケてなくて、吉田さんからは「うまくいかないと思うよ」と言われたんですが、一方で「一旦やってみたら」とも言われたんです。
実際にやってみたら、案の定うまくいかなかったんですけど、あの時、吉田さんから「うまくいかないからやめたら」と言われてやらなかったら僕は何も成長しなかった。止めなかったのは、やってみないと経験にならないという僕の成長を考えてのことだったんですよね。
そこには、投資家として見定める感じはなくて。そういう、いかに良い経営者を育てるかという想いをもつ吉田さんの人格に惹かれました。
(吉田)
ガリバーを退任してからは、「世界に通用する経営者が育つサポートをする」というのをライフプランにして色んな人を支援してたんだよね。加茂くんと出会った頃にはもう結構な人数を支援してて。
だから、加茂くんには「支援はできるけど、バリエーションを高くつけて数%出資とかではしっかりした支援は難しいよ」って言ったんです。
そしたら、「いやいや、共同創業でやって下さい」と言われて。
自分はその時、「バリエーションつけずに多い比率の出資だと、悪いおじさんに騙されているってみんなに言われるよ」とも言ったんだけど(笑)
加茂くんは、「いや、大丈夫です。一緒にやりたいです」って返してきて。じゃあやりましょうってなりました。
単に出資というのではなく、一緒になって事業を立ち上げたい、成長したいと情熱的に言われたのが共同創業の理由として大きかった。
加えて、学生起業家特有の良さを持ちつつ弱点となり得る部分は強くなかったというのもあって。
学生起業家は、すごく純粋でパワフルで熱量を持っているという良さがある。ただ弱点となり得る点はメジャーになりたいとか、人に認められたいという承認欲求のような面がモチベーションになっている場合も多く、そのモチベーションでは壁にぶち当たった時に弱い。
加茂くんは、純粋でパワフルで熱量を持っているだけでなく、欲のベクトルとして自分がこうなりたい、メジャーになりたい、認められたい、じゃないベクトルを持っていたんだよね。
本気で世の中をよくしたいとか、仲間に幸せになってほしいとか。こういう欲求を本当に持っているなというのを感じて。
事業を大きくする中で試練や修羅場を経験して、後天的にこういう想いにたどり着く人はいるけど、初めからその想いを持っている人はそうそういない。天性の物を持っているなと思いました。
あと、学生起業は、学生時代だけで中途半端にやって終わることが多いなという印象を持っていました。だから彼には、「卒業しようが絶対やめない、続ける覚悟があるなら応援できる」と伝えましたね。
その時の返事に、学生だからという強みだけでやるのではない、やりきる覚悟と本気度を感じましたね。
-多くの起業家を見てきた吉田さんから見て、加茂さんには経営者としてどんな資質がありますか?
(吉田)
当時もベトナムでインターンしてたんだっけ?
(加茂)
シンガポールです(笑)
(吉田)
海外のインターンで、何もない状況の中で事業の立ち上げを任されていたよね。それを全部自分でやりきっていたところから、修羅場に対する耐性が強いなと感じていました。粛々、淡々とやるべきことをやる。
今も規模が大きくなってきて、しんどい部分も増えてきたが、加茂くんはそれを見せない、出さない、周囲に感じさせない。そういうのは経営者として重要だよね。
(加茂)
ポジティブさに近いかもですね。ストックデールの逆説ではないけれど、将来に対しては「めっちゃいい会社を作れる、社会を良くできる」という自信があって、ただ足元はそんな簡単にいかないこともわかっているから、一々絶望したりもせず。
ただ最終的な成功イメージや根拠のない自信があるから、飄々とやっていける。
あと、シンプルに記憶力が悪いから都合悪いことは忘れるっていうのもあるんですけど(笑)
ターニングポイントは、覚悟を決めた仲間が集まった時
-この3年間で一番POLが成長したなと思った瞬間はいつですか?
(加茂)
覚悟が決まったメンバーが2人3人4人と増えていったときにすごく会社変わったな、って思いましたね。
吉田さんの最初のMTGで、「加茂くんが経営者として成功する上での最大の課題は、事業アイデア云々だけではなくて、覚悟を決めた仲間がいないことだよね」って言われたんです。
「結局、事業と組織は両輪で、同じくらい大事。どれだけいいアイデアがあっても組織が弱かったら実行できない。勝てない。いちメンバーでなく、経営者。覚悟を100%決めた経営者が何人いるかで会社の成否は決まるよね」って。
言われた時は概念で理解していたのが、今のメンバーが数人入ってきて実際スピードが大きく上がり、その言葉を実感できたんです。
だから、ターニングポイントは、僕が一匹狼ではなくて、同じ覚悟度合いでできるメンバーが増えた時。創業して一年がたった頃かな。
(吉田)
自分も同じかな。加茂くんが、船長として、POL号に何があっても絶対降りない、沈みそうになっててもなんとかしよう、というのは経営者として当たり前。
ただ、1人だと無理なんだよね。船長がやろうとしていることが大きいと、船を大きくしなくちゃならない、その時に強い船長1人だけではどうにもならなくて。
それだけ会社って順風満帆な時ばっかじゃなくて、すごい荒波や転覆の危機があったりする。そこでやばいって言ってみんな逃げちゃうんじゃなくて、絶対に船腹の穴を塞いでやろうっていう人がどれだけいるか。そういう人が増えてきたなというのをすごく実感していて。
『全員経営者マインドセット』のMSマトリクスでいうM100の人間が増えてきた。それは、最初から事業だけじゃなくて組織や人材に対しても本気で向き合って、諦めずにやり続けたからそうなってきている。
1日では体力や筋力がつかないのと同じで、ずっと見えない所でひたむきにトレーニングを続けながら事業を続けることが大事なんだよね。
求めているのは、社会を良くしたいという想いと、経営者になる覚悟
-社員があと少しで50人となった今、求める仲間の人材像を教えてください。
(加茂)
前提として、本当に経営者としてやっていきたいという覚悟と社会的に意義のあることをやっていきたいという動機ベクトルを持った人であることを一番大事にしています。
その上で、1つは、困難を楽しみながら爆速で成長するポテンシャル人材。
一方で、いろんな会社で経験を積んだ幹部人材もめちゃくちゃ求めています。エンジニア組織のマネジメントとかマーケティングのマネジメント経験のある人や、研究領域の深い知見があるという人など。
ポテンシャル人材も幹部人材も、両方仲間になっていただきたいと思っています。
(吉田)
3つの条件があると思ってます。「高い経営者マインドセット」と「圧倒的スペシャリティ」と「戦略的マネジメント能力」。
POLってすごく優秀なメンバーが多いけど、ビジネス経験が浅いメンバーが多いよね。そういう優秀な若手メンバーと経験豊富な人材が合わさるともっとすごいことができるようになっていく。そういう全体を底上げするような人がほしい。
そういう人を我々は、MX人材と呼んでます。世間的にいうスペシャリティーが高い人だけがCXOではないです。3つが揃っている人に来てもらうのは簡単ではないけれども、そういう人に来てもらうとPOLの事業・組織にレバレッジがめちゃくちゃ効くというのが一点。
あとは、それを本気で目指したい人。経験はないけど、そういうMX人材を本気で目指したい人もたくさんきてほしい。この2つかなと思っています。
経営メンバーを迎え入れることに対してかなりウェルカムな会社なので、そういう点でも面白いと思います。自分のスペシャリティと戦略性をすぐ発揮できるいい会社だと、たくさんの会社を見ていても思いますね。
-たくさんの会社を支援している吉田さんが思う、POLの強さを教えてください。
(吉田)
ミッションビジョンに忠実な所。邪念や我欲でやっている人がいないですね。それってビジネスの原理原則とか本質的な視点でやっているってことだと思います。自分たちが、ビッグになりたいとか金持ちになりたいとか自分のスペシャリティだけ磨きたいというマインドセットでない人が多い。これからの日本を絶対救っていく科学とかアカデミアの支援という事業領域の良さもあります。組織と事業、その両方の良さがそろっている会社かなと思います。
最後にお互いに一言!
(加茂)
吉田さんのおかげで会社や僕や他のメンバーの成長角度が上がっているなと思っているので、あのとき共同創業を決めた意思決定を今までの人生で一番よい意思決定だと思っています。
経営会議では吉田さんの戦略思考にまだまだ勝てていないなと思うことばっかりなので、早く吉田さんを論破できるくらいにならないと(笑)
そこは知的格闘技的な感じですごく楽しいところでもありますね。毎回の会議でも気づきがあって、楽しみながらもっと成長しなきゃなと思ってます。
(吉田)
加茂くんとやれてよかったなとすごく思ってて。自分は、一般的には引退とか、成長も終わっていると言われてもおかしくない年齢なんだよね。加茂くんをはじめPOLの若い優秀なメンバーと一緒にやらせてもらっていると、毎日が刺激的。
若いメンバーを見ていると、この年齢でこれだけ本気でビジネス・事業に立ち向かっていけるのかと驚きます。加茂くんたちと会社を始めて、日本はまだまだ捨てたもんじゃないなと思いました。いい意味で自分たちばかりの欲ではなく、社会に対して本当によくしたいと思っている若い人がこんなにいるんだなと。
油断しているとあっという間に抜かれる、自分が必要とされなくなるかもという刺激を3年間もらって、自分もまだまだ頑張らないといけないなと思いました。
老体に鞭打ってですが(笑)、彼らと一緒になって成長して、日本に対して貢献できるというチャンスをもらったという点で素晴らしい出会いだった。でも、まだまだ3年だから。これからの3年、5年、10年が本当の勝負の時。年齢差関係なくガチで議論できて、戦略的な視点でも論破されちゃうくらいの真剣勝負がしたいなと思っています。
皆さま、今後ともPOLをよろしくお願い致します。
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