わたし(20)の密かな逃避行 @和歌山県田辺市のワーケーション体験
ランサーズユーザーの漆畑です。
12/3-12/5の3日間、和歌山県田辺市にて「紀伊半島はたらく・くらすプロジェクト」のワーケーション体験をしてきました。
ワーケーション参加の背景と「プレイヤー」の実態
ワーケーションに参加した1番の理由は、地方でテレワークをする方々の話や生活環境を知りたいと思ったからです。
自己紹介を少しすると、私は音楽を学ぶ大学生で、将来はプレイヤーとして生きていきたいと思っています。
しかし音楽だけでで生計を立てることはまず難しい現状があること、また稽古や本番の拘束時間や収入が月毎で大きく変化する業種なので「自分のキャリアをどうしていくか」は私にとって永遠の命題です。
時間給のアルバイトを掛け持ちするのは収入に限界があるし、沢山シフトを入れて音楽と向き合う時間が少なくなってしまうのは本望ではありません。
そこで何かしらのスキルを身につけて「パソコンさえあればどこでも何時でも働ける環境」=「ノマド的働き方」と音楽を両立してみたらどうかと思い、テレワークに興味を持ち始めました。
現在ランサーズを活用しつつ、実験的にWebライターとしてノマド的働き方を実践し、試しています。
色んな業種の人がどんな働き方や暮らしをしているのかを知りたい私にとって、今回の「紀伊半島はたらく・くらすプロジェクト」はとても興味深かったので、参加に至りました。
またこの時期、将来のことをどうするかに悶々とするあまり精神的にも肉体的にも疲弊していて、自分を見失いそうになっていたので、生意気にも平日3日間を使って心のリラックスとリセットを兼ねてこの和歌山に来たのでした。
そんな私がワーケーションを通して体験したいろいろについてお時間あればお読みください。
ワーケーション体験1日目
学生の貧乏旅行なので前日の夜から高速バスで和歌山へ向かいます。
ワーケーションの集合場所「紀伊田辺駅」に着くと、ワーケーションイベント主催者の「カヤックliving」の方が迎えに来てくださいました。
最初に訪れたのはホステルとして人気の高い「THE CUE」です。
古民家をリノベーションした室内は趣きがあり、やわらかな陽の光は窓を通して私のもとに届きます。
到着して早々、和歌山の時間への認識が東京と比べ、とてもゆっくりなことにカルチャーショックを受けました。
次に訪れたのは田辺市にあるコワーキングスペースの「シリコンバー」です。
Wi-Fi・コンセントが完備されているのに利用は無料!
このように自由に出入りができて集中的に仕事をできる環境が整えられているのは、とてもありがたいことですね。
1日目の昼ごろから今回のメインイベント、「龍神村での仕事体験」(詳細:https://smout.jp/plans/817)をしに龍神村へ車で向かいます。
龍神村内にある「アトリエ龍神の家」はさまざまなアーティストが暮らしながら各々の作品を制作する場所として使われており、3人のアーティストのお宅で仕事体験をしました。
①藍染体験でエコバック作り
最初にお世話になったのは「藍染計良」さんのお宅。
初めての藍染体験ではエコバックを染めました。
私は斜めに柄が広がるモチーフにしたい!と思い計良さんからアドバイスを受けながら木枠を当てて布を染めていきます。
↑出来上がりはこんな感じ!満足の出来になりました。
②ペーパークラフト体験
次は「蓑虫工房」さんにてペーパークラフトの体験をしました。
おうちの中には蓑虫さんご自身が制作された作品がたくさん並びます。
細かな作業は緊張感がありましたが、出来上がると達成感とともに嬉しい気持ちになりました。
③コンセルヴァにて夕食・朝食のお手伝い
1日目の最後は東京から移住してカフェ運営やパンやジャムなどの加工・販売を行う「コンセルヴァ」さんのお宅で、ご飯作りのお手伝いをします。
ご飯を作っている間に、東京から龍神村へ移住してからどんな変化があったかなどをお聞きしたのですが、店主の方が「龍神村での生活はとても豊かで、もう東京には帰れない」とおっしゃっていたのはとても印象的でした。
地元の食材をふんだんに使用した料理は素材の良さが生かされておりとても美味しかったです。
④龍神村の方々と懇談会
この日の夜は龍神村にお住まいの皆様と懇談会を兼ねて夕食をいただきました。
どことなくNHKの「鶴瓶に乾杯」のようなアットホームな雰囲気の中、懇談会は大いに盛り上がりました。
東京で会社勤めをするよりも地方でテレワークをした方が精神的健康が保たれると現地の方がおっしゃっていてその通りだなと思いました。
現地の方が持ち寄ってくださったおかずは庭で採れたor龍神村で収穫したものが中心でどれも絶品でした。
特に美味しく感じた料理は里芋と和歌山の名産品「梅酢」を使用したマリネです。
梅酢はネーミング的にすっぱいかと思いきや、ほんのり梅が香る万能調味料でとても気に入ったのでお土産に買って帰りました。
この日宿泊した民宿ではなんと薪風呂に入ることができました。
生まれも育ちも東京の私は初めての体験に大興奮で薪をくべますが、なかなか安定した火がつかず苦戦します。
でも、普段の生活の中で「火だけに集中する時間」なんてないものだから、日常生活から離れて自然とただ向き合う時間は現代人にとって必要なのかもしれないと実感しました。
ワーケーション体験2日目
2日目は朝から「扇松屋龍神」さんの撮影に同行し、ディレクターの中島さんの車で龍神村の各地を巡ります。
中島さんと出会ってわずか30分ほどで私の人生相談に乗っていただく流れになり、、中島さんの生き方はとても素敵で私が今後の方向性について決断する際の大きな助けになりました。
龍神村内のロケ地はどこも体験したことのない自然でいっぱいでした。
川の色、太陽を受けた大気の匂い、木材の温かな存在感など、全ての要素が私の心をほぐしていきます。
熊野古道に入ると沢山の種類の緑色が広がっていて、森林の中はどこか荘厳な雰囲気が漂っていました。
ワーケーション体験3日目
3日目は自由に田辺市を散策しようとしていましたが、カヤックlivingの方々のご厚意で行きたかった場所まで送迎していただき、「とれとれ市場」と「白良浜」に行ってきました。
訪れた場所はどこも空が広く雄大な自然が広がっており、月並みな感想しか出ませんが「地球ってすごいな〜」とか「自然の作り出す色は綺麗だな」とかそんなことをぼーっと考える愛おしい時間を過ごしました。
3日目になると、東京にいた時よりも確実にゆったりした気持ちで自分と向き合えるようになっていました。
たった3日間だけだったけれどとても素敵な経験をすることができ、帰り際は現地の方とお別れするのが寂しく感じられました。
でも、「また明日から頑張ればいいや」と自然と前向きになることができたとても良い旅でした。
ワーケーション参加前と参加後の変化
私がこの旅を経て変化したことは主に3つあります。
1つは「生き急ぐのはやめよう」と思えたこと、2つは日本には色んな人・場所・価値観があることを認識できたこと、3つ目はテレワークの可能性を知ることができたことです。
今まで将来を決定することに躍起になり、自分が本当はどんな人生を生きたいと思っているかを無視してしまっていました。
自分自身を奮い立たせて忙しなく生きることも楽しいけれど、ここ最近「五感すべてを使って自由に生きる」ことが疎かになっていたことに気づかされました。
もちろん将来を考えることは大事だし今回の旅で様々な人の働き方や人生を見ることができましたが、まだ大学生だし、今までよりはもう少しスローペースで生きていくのも悪くないと以前よりも将来に対してポジティブな気持ちになれたと思います。
田辺で出会った方々や自然のおかげで「〜しなくちゃ、〜しなければいけない」の判断基準から「〜したい!〜やってみたい!」の判断基準へ変化したことは私にとって大きな財産となりました。
最後に
「自分の人生の選択に後悔はないし、今が一番楽しい」とおっしゃったカヤックlivingの方の言葉は私にとって憧れです。
「紀伊半島はたらく・くらすプロジェクト」は私のような大学生がふらっと参加するような企画趣旨ではなかったかもしれませんが、皆さまの温かさに導かれ、宝物の経験になりました。
最後になりましたが、私が参加者としてこの体験の数々をできるまでに沢山の方がこのプロジェクトに関わってこられたと思います。
移住に興味のある方はもちろん、移住をするつもりは無くても現地の方がどんな生活をしているかを近くで知ることができたこのプロジェクトはとても貴重な体験でした。
私に素晴らしい体験を提供してくださったすべての方に感謝します。
本当にありがとうございました。
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