Blenderのリリースバージョンについて

TL;DR

普通に使う人は https://www.blender.org/download/ からダウンロードできる公式リリース版を使っておけば良いです、特殊な事情でも無い限り。

このページの目的

みんなBlenderのバージョンについて気にしていないのでなんか説明しなきゃいけない時のためにメモっときました!的なのが目的、というとそうなのかもしれません。

(8/13日時点の情報です)

LTSバージョンとは

BlenderLTS(Long Time support)は「リリースされてから2年間不具合修正等のサポートを保証する」というものです。 そしてそれは特定のバージョンが対象となります。現行サポート中のLTSバージョンは2.93

2.93LTSのリリース日は 2021/7/2 なので、2023/7/1 までがLTSによるサポート期間。サポート期間中は一ヶ月ごとくらいに修正リリースとして2.93.xの名前でバイナリがリリースされます。

サポート?

ここで言うサポートは「サポート対象のバージョンに不具合があった場合に、バグレポートされると次のリリースに修正されたものが入る(かもしれない)」ということを指します。

「テクニカルサポート」は含まれません。

LTSじゃない奴

現時点でBlenderの公式リリースのバージョンは 3.2.2。これはLTSバージョンではありません。サポート期間は「リリースされてから次のバージョンがリリースされるまで」となります。

なので、3.2だと次のバージョン、3.3がリリースされると「サポート対象外」の扱いとなり、以降修正リリースは出ません。

なお、2つ目の小数点以下の数字が1以上のものは「修正リリースの版数」のため、バージョン番号としてはカウント(?)しません。「同じバージョン」として扱われます。

<メジャーバージョン>.<マイナーバージョン>.<修正リリースの版数>

ロードマップ

さて、LTSだとか次のバージョンだとかそういう話を先に出しましたが、そういったリリースのための計画はされているんでしょうか?はい、されています。開発者blogの記事として公開されたり、Siggraph、Blender Conference等で出てくることはあります。

多分気付いた人もいると思いますが、3.2、3.3LTS の次は 3.4 となるという。

コンパクトに纏まったリストが欲しいのであればWikipediaのページでしょうか?日本語のWikipedia記事ではなく英語の、を見ましょう。

今後も色々と計画はされているようですね。

リリースサイクルとデイリービルド

1つのバージョンがリリースされるまでの「フェーズ」、Bcon1〜Bcon6について Blender Wiki のページに記載されているのでこちらご覧になれば良いと思います。

さて、Blender の デイリービルドをダウンロードできるページを見てみると、次のバージョンの3.3がベータ、そのさらに次のバージョンの3.4がアルファとしてダウンロードできるようになっていますね。

すでに3.3がベータ版になっている、ということは3.3から搭載される機能が固まっていて、先行して評価していくことができる、ということですね。

Blenderを使っているプロダクション様にとってはこの時点で機能の評価および検証を開始できていると、Blender 3.3LTSのリリース直後に戦力として投入しやすいのではないかなと思います。知らんけど。

また、Blender3.4 はアルファの段階。Blenderに追加して欲しい機能をポストするサイト、 Right-Click Select で提案されたものが取り込まれるとするならこの段階ですね。他にも devtalk とかで議論された結果として、っていうものもありそうですね。

話は逸れますが、もし「僕は常日頃からBlenderにこれこれこういう機能が欲しいって言っているんだけどそういう気配が全くないよね」または「Blenderってこういうところがイケてないよね」っていう方をみかけたら、新機能を取り込むタイミングがあるということ、上2つのサイトを紹介する、ということをしてあげてください。

リリースノート

「リリースノート」というと、Blenderの各バージョンの機能紹介やバグフィクスのリストですね。

バージョン3.2だとユーザーが機能を把握するためのページとしてこちら、

さらに詳細な、Change log的なリストがこちら、です。

それぞれのバージョンについてリリースノートは存在しているので、「そのバージョンを使う」となったときにはそれらを参照することにしましょう。

混乱の元?

上の方で3.3ベータと3.4アルファのバイナリをダウンロードできることに触れていますが、これらはユーザーに先行して評価してもらうともに「不具合等あったら developer.blender.org に報告してね」という目的で公開されているもので、アルファまたばベータのバージョンのBlenderを正式なプロジェクトで利用することは推奨されていません。

ただ、「こういうの使えるぜヒャッハー」とか紹介したくなるのが人間っていうもので、かつバージョンについて言及せずに紹介してしまって「えっこれ現行のバージョンでもできるの?」っていう誤解を生じることが稀によくあります。

さてここでBlenderの先取りと言ったら askNKさんとこでしょ、って普段見ないのに紹介しておきますね。サムネの"3.2β"、"3.3α"、"3.3A"、"3.4A"の表記の揺れは気にしないでね(2.82までは修正リリースとして"2.82a"のような表記をしていたので、"α=A"とか表記するのは正確さに欠けますね…)。

この動画だとサムネのタイトルやなんかで「これはアルファバージョンです」っていうのがなんとなく伝わってくるんでまだ良いですけど。

Twitterとかでバージョン表記せずに「デキタヨー」っていうパターン。「これは僕の使っているBlenderと違う」というツッコミ入る可能性があります。いやほんとに使っているバージョン違うんですから、というオチ。

特に見る側は変な誤解をしないよう、「先行して次バージョン使っている人もいる」というのは頭の隅に入れておいた方が良いかもしれません。

その時点の最新公式リリースでおk

まああまり考えたくない人には公式のダウンロードページからバイナリorインストーラーをゲットしてもらうのが良いでしょう。定期的に巡回する必要があるのでブックマークしておくと良いですね。修正リリースが出てたらインストールしておきましょう。

いざとなればこちらから過去のリリースバージョンもダウンロードできちゃいます。Add-onが対応していないとか何か特殊な事情でもない限り必要はないかと思いますけれど。

最新の状況、どうしても気になるけどまずどこから手をつければ良い?っていう場合のスタート地点としてのページ、ブックマークしておきましょう。

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